このタイトルにだまされてはいけない。予想外のすごい展開が待っている。

 このタイトルから園芸女子がメタバースで庭師になった話、青春と泥と汗のーーーー、みたいなものを想像していたら大間違い。
 これは土着の匂いがぷんぷんするfolkloric adventure fantasy! 辻沢という縁(エニシ)にまみれた希有な土地にしか花咲かないドロドロした美しく不思議な世界感。鬼子や鬼子使いや屍人や吸血鬼が跋扈するけど、メタバース中毒ぎみの女子高生はあくまで軽い会話の今どきノリ。いわくをかかえた少女達が友情てんこ盛りで土地のナゾに迫っていく。
 発掘現場のお手伝いとか、知らない世界の描写がきめ細かくて読み応えあり。そして、たたみかける♪ゴリゴリーン なんでかタメ口の管理AIと、バス内の怪しい放送がとっても楽しい。
 ああ、この面白さをどう伝えたら良いのか。レビューが苦手な私は頭を抱えるのみ。辻沢シリーズの一角をなす作品だが「辻沢のアルゴノーツ」を読まなくても、きっと楽しめる。でも、読んでいると「ああああ、○○○ちゃん~~」とかキャラに再開できたうれしさに身をよじらせて悶絶できる。(個人の感想です)