虫はお好きですか?

A:昆虫食が注目されているね。


B:何それ?


A:文字通りなんだけれど、昆虫を食料にしようっていう考え方だね。


B:パンが泣ければ虫を食べればいいじゃない。


A:お前は貴族かよ!


B:なんで昆虫食が注目されているわけ?


A:世界的に人口が増えていることが背景にある。人口が増えると何が問題になると思う?


B:そりゃ、あれよ。うーん、まぁあれだ。人があふれる。


A:絞りだした答えがそれかよ!


B:じゃあ人口が増えると何も問題になるんだよ!あぁん!?


A:何で喧嘩腰なんだよ!人口が増えると食料の問題が出てくるだろ。


B:なんで?パンが無ければ人を食べればいいじゃない。


A:いいわけねぇだろ!何さらっととんでもないこと言ってるんだよ!


B:人口も減ってちょうどいいよな!


A:発想が怖いよ!話を戻すけど、食料の供給量には当然限りがあるから、供給量以上に消費量が増えると困るわけ。人口が増えると、食料の消費量は増えるから供給量を何とか増やしたい。そこで昆虫食が注目されているわけだ。


B:昆虫食で食料供給量が維持できるとは考えられないけどな。


A:どうして?


B:森とか藪とかに入って捕まえてくるんだろ?沢山捕まえられるわけないじゃん。


A:子供の虫取りと同じレベルなわけないだろ!


B:そうなの?虫取りかごに沢山捕まえてきて、今日はご馳走だねってなるんじゃないのかよ。


A:なるわけないだろ。昆虫は牛や豚のような畜産動物と比べると、少ないスペースで育てることができる。サイズもそれらに比べたら小さいから餌の量も少ない。生産という観点から見たら昆虫は優秀なんだよ。


B:そのうちブランド虫とか出来るんだろうな。うちの虫は果物しか食べてませんとかってな。


A:可能性はゼロじゃないかもね。


B:名前はピカ虫とかね。


A:パクリかよ!しかも虫でもなんでもないところからパクるのかよ!


B:真虫(マムシ)とかどう?


A:どう?じゃねぇよ!ややこしいから却下だよ!ただ、ブランド化するほど昆虫食が普及するかは分からないけどな。


B:そんなことないだろ。昆虫うまいぜ!


A:食べたことないのにいい加減なこと言うなよ!


B:何で普及しないと思うんだ?


A:俺は見た目がちょっとな…


B:見た目で判断しちゃダメって育ててきたでしょ。お母さん悲しい!


A:お前は俺の母親でも何でもないだろ!


B:ある程度加工されたものを食べるんじゃないのか?


A:もちろん、加工されて提供されるものもあるよ。ものによっては昆虫食ですって言われなければ気づかないものもあるみたいだし。でもなぁ…


B:でもなんだよ?


A:昆虫って食べ物って感じしないだろ。事実、ホットペッパーグルメ外食総研のアンケートでは昆虫食を避けるって回答した人がダントツで多かったみたいだし、やっぱり苦手かもって人は多いと思う。


B:世の中ではまだまだメジャーではないってことだな。


A:でも日本ってイナゴを佃煮にしたり、蜂の子を食べたりするから、そういう点では最先端を行っていたと言えなくもないよね。


B:そんなやつおらんやろ、チッチキチー!


A:人のネタをパクるんじゃねぇよ!


B:昔は貴重なたんぱく源として重宝されてたってことだろ?飽食の時代に昆虫を食べるなんて俺には理解できないね。プンプン!


A:プンプン!じゃねぇよ。パクリだし古いよ!


B:それで昆虫食は流行りそうなのかね?


A:今は自動販売機とかでも売っていて手に取りやすいみたい。だから少しずつ流行るかもしれないね。


B:整いました!昆虫食とかけまして、お前の突っ込みと解きます。


A:それもパクリっぽいけどなぁ。その心は?


B:どちらもむしです。


A:俺の突っ込みを無視するなよ!いい加減にしろ!



 食料問題の一つの解決策として話題の昆虫食。しかしながら、世間の風当たりは強く、昆虫食を避けたいという人の数は依然として多い。しかしながら世界に目を向けると、意外とメジャーである。国によっては嗜好品として売られているところもあるようだ。日本でも自動販売機で販売したり、パッケージがおしゃれだったりと顧客獲得の努力が見え隠れする。日本の食卓に昆虫食が並ぶ日はやってくるのだろうか。

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