紅蓮


僕の罪が灰になる頃

貴女をやきつくす嘘がのこる

かえらぬひとのかりそめに

しじまに逢いにいきましょう

だから、紅蓮を誘ってください


みわたす大地の無頼では

紅蓮が慟哭、吹き上げるのです


地鳴りを百花、狂いを奪い

化けのかわを渡ります

じーん、じーん

風の凡庸は小夜の激昂

果ての傲岸はできそこない

だから駄目だと言いました

せめて紅蓮を差し上げます


シュツットガルトの暗闇で

同じ闇を咲き荒ぶ

えもいえぬ、香り引き裂き

貴女は僕とうそぶいている


悪夢はざわめき穏やかに

僕の紅蓮はひそやかに





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