第33話⁂核兵器投下⁂
宰相ビギンに声を掛けられて「ティラノサタン」は空中都市〈グランド王国〉第二位の地位に有る実質上の〈グランド王国〉の権力者で宰相ビギンと更には〈ギャング王国〉のジノ王とも同盟を結び〈グランド王国〉を支配しようと考えた。
そして…散々虐めてくれた天使たちを自分の部下としてこき使い、散々シイタゲテやろうと思った。だが、その反面やっと同じ天使と共に生活できると思うと、喜びで一杯なのだ。
そして…この国は二分した。
それは、ビリ-王率いるグランド人勢力と、宰相ビギンと「ティラノサタン」更には〈ギャング王国〉のジノ王率いる最新鋭機器を保有する、グレイ達の戦いが幕を開けた。
こうして…宰相ビギンと「ティラノサタン」更には〈ギャング王国〉のジノ王率いる最新鋭機器を保有する、グレイ達が優勢に思われたが、ビリ-王には秘密兵器、広島に投下された原爆の五千倍の威力の核兵器が有る。
窮地に陥ったビリ-王は破れかぶれになった。
そして…後先考えずにとうとう〈ギャング王国〉に広島に投下された原爆の五千倍の威力の核兵器を投下した。
ぼわんぼわんぼわん
ボッカ————————ン!クシャ————————ン!バリバリバリ!ババババババ ババババババ バンバンバン
恐ろしい地響きが鳴り響いた。それこそ凄い威力で地面を粉々につんざいた。
真っ黒な極夜が一瞬真っ赤になり、恐ろしい稲光が響き渡った。巨大なキノコ雲が、辺り一面埋め尽くし、火山の噴火が起こりマグマが噴き出し真っ赤なマグマが辺り一面を焼き尽くし、あれだけ幻想世界を演出して来た「極夜」ギャング王国は木っ端みじんに打ち砕かれて,廃屋だけの焼け野原がどこまでも広がった。
〈ギャング王国〉は完全に崩壊した。
爆発の瞬間、西の空が一瞬真っ赤になり、恐ろしいばかりの強烈な閃光を見た。
するとやがて…明るくなり、地の底から灰色とも付かない、薄茶色ともつかない、鉛色のような、おどろおどろしい暴れ雲が地上に歪に広がり、不気味な薄汚れた生クリームのような物が、地上に醜く湧き上がって広がり、今度はその何ともおどろおどろしいキノコ雲、イヤ暴れ雲が上に伸びて、くねくね姿形を変えて、薄汚れた生クリームをポンプで垂れ流したような、いびつな恐ろしい限りのキノコ雲が、うろこ雲のように天空に、それは、まるで大蛇のように不気味にゆっくりゆっくり登って行った。
夜明け前の静かな洋上に、稲妻とも雷とも思える大きな爆音が響き、巨大な閃光が暴れ出し、流れるように走った。光は、空も地上も海も一瞬真っ青な鋭い光を放ったが、その後直ぐにサ———————————ッ!と黄色に包んでしまった。
ドッカ————————————————ン!
ピカピカ————————ッ!ザッザッザ-————————ッ!
ボッカ————————ン!
残念な事に〈ギャング王国〉は跡形もなく無残に消え去った。
更には〈ギャング王国〉のジノ王も、核兵器の投下で跡形もなく焼き殺されてしまった。法外な資産を守るために〈ギャング王国〉に戻った所に運悪く投下されてしまった。
これは実は…ビギン宰相の企みでもあった。
ビリ-王が恐ろしい核兵器を、我が国〈グランド王国〉に投下する訳が無い。最終的に戦場は〈ギャング王国〉になる事は分かっていた。
(誰が散々強盗してくれる輩と同盟を結びたいものがいる者か?あのビリ-王の性格直ぐにカ——ッ!となる性格なら切羽詰まって「ギャング王国」に核兵器を投下してジノ王を、消してくれると思ったから手を結んだのだ)
だがその時恐ろしい勢いで海が割れた。巨大な津波が巻き起こり荒れ狂う海。その荒れ狂う海には巨大な竜巻が発生して、恐ろしい勢いでうねりながら水蒸気が天空に吸い込まれて行く。
その荒れ狂う海底から現れたのは、何とも恐ろしい魔女だった。
この魔女は一体?
◆▽◆
神様銀次が言っていた『隠されている秘密』はこの〈ジャイアント プラント王国〉の動植物の巨大化なのだが、この〈ジャイアント プラント王国〉の生き物達は最初は、普通の動物や植物だった。だが、ある日とんでもない生物によって巨大化されてしまった。
一体その生物とは何者だったのか?
それから『秘密』とはどんなものなのか?
益々分らなくなって来た。
実は…空中都市〈グランド王国〉に棲みついていた悪魔で、あの恐ろしい「ティラノサタン」と呼ばれる悪魔が現れて暗黒魔法で〈ジャイアント プラント王国〉の生き物達の巨大化に成功していたのだった。
それでは何故巨大化する必要が有ったのか?
実は…「ティラノサタン」は巨大で普段は十五mほどだが、最大で東京スカイツリー(634m)程の背丈になる事が出来る巨大悪魔だった。だから、ちょっとやそっとじゃ満腹にならない。食料が事切れたら困るので〈ジャイアント プラント王国〉の生き物達を巨大化させる必要が有った。
昔は緑あふれる自然豊かな、空中都市〈グランド王国〉だったが、高知能グレイの出現により、一瞬にして近代化が進んでしまった。やがて〈グランド王国〉の豊かな自然環境は破壊されて「ティラノサタン」の食糧は朽ち果ててしまった。
そこで食料不足を補うために、隣国の巨大動植物都市〈ジャイアント プラント&アニマルズ王国〉の動植物を襲って食料にしようと思い立った。
この王国は最初は、動植物都市〈プラント&アニマルズ王国〉と呼ばれていたが、「ティラノサタン」の出現により暗黒魔法で巨大化する事に成功し、いつの間にか巨大動植物都市〈ジャイアント プラント&アニマルズ王国〉と呼ばれるようになった。
それでも〈ジャイアント プラント&アニマルズ王国〉と、余りにも名前が長すぎるので〈ジャイアント プラント王国〉と改名されたのだが、その理由は他にも有る。
その理由は、ジャングルのように生い茂る青々とした木々や花々が咲き乱れ、余りの緑の多さに、一見すると動物の存在に気付かない。
また、それから…巨大生物大蛇の国では気味悪くて誰も寄り付かない。他国から獲物が侵入してくれないと食糧不足となってしまう。そこで考え出されたのが、植物たちの楽園と銘打ち〈ジャイアント プラント王国〉の名前に改名された。
恐ろしい姿巨大な大蛇の棲み処では恐ろしくて寄り付けない。
大蛇の隠れ蓑として〈ジャイアント プラント王国〉と変更されたのだった。
更には、実は「ティラノサタン」も地上に降り立った頃は、小さな出来損ないの天使の姿だった。だが、「ティラノサタン」は、地上で生きて行くのは並み大抵な事ではないと悟った。
困ったことに食料である動植物は、あっという間に尽きてしまった。多くの生物や最新鋭の兵器や武器から身を守るためには、何が必要か考えた末考え付いたのが、暗黒魔法で〈ジャイアント プラント王国〉の生物の巨大化だった。
それでも…暗黒魔法で食料調達すれば良いのでは?そう思われがちだが、暗黒魔法にも容量が有り余り、むやみやたらに使い過ぎると寿命が縮むという弱点があった。
だが…悪魔〈サタン〉の寿命は千年とも言われている。
いよいよ最終章が近付きつつある。
徐々に解けて来る謎……。
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