第12話 古代人のオタクな仕掛け

 近所にあるコンビニの店長は、別の顔をもっていて、古代遺跡から財宝を探す宝探し家である。


 世界中、何百という遺跡に行ったらしいが、どの遺跡にも財宝を守るために、おもしろいほど仕掛けが凝らされていて、何度も死にかけたと言っていた。


 まるで、どの仕掛けも近づく侵入者を容赦なくぶち殺す工夫になっていて、ほれぼれするくらいオタクな発想に満ち溢れていたらしい。


 店長が感心した仕掛けベストスリーを聞かせてもらった。


 第三位は、宝物に近づこうとすると落とし穴に落ちて槍に刺さるってやつだが、その仕掛けは、落ちるとトランポリンになって飛び上がって、安心した矢先、天井の槍に刺さるってのがあった。


 第二位は、両側から無数の矢が飛び出すが、射ちすぎると矢が品切れになるので、そのあと、矢ではなく宝石が飛び出してくるので、欲張って、そいつを拾ったやつだけに毒矢が飛び出すのがあった。


 栄光の第一位は、大きな丸い石が転がってきて侵入者を押し潰す仕掛けだが、実際のところ、転がってくるのは当たっても痛くないソフトなボールで、馬鹿にして、うっかり当たると侵入者の身体の水分を洗いざらい吸い尽くしてミイラにしてしまうというやつがあって、こいつはよくできていたと感心していた。


 古代人から、もっと学んでみたくなった。

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