蜘蛛子さん好きなら耐えられ……、なかった
最近、寝室で小さい蜘蛛をよく見かける。親蜘蛛がどこかで卵を産んでかえったのかなぁと、くおんと話していた。巣を張る種類じゃなければ害虫駆除に持ってこいなのでいいよね、と言っていた。
実際、今期はまだ黒いアイツを見ていない。
ソウがお米を炊こうと米びつから米を取り出して、違和感を覚えて左手をみたら、手の甲にでかい蜘蛛が乗っていたそうだ。
わたしはその時上階にいたが、ソウの悲鳴が響き渡った。しかも「ぎゃー」とかじゃなくて「ひょおぉぉぇぇぇ」みたいなちょっと情けない悲鳴で、申し訳ないが笑ってしまった。
その瞬間を見ていないので何が起こったのか知らなかったが、あの悲鳴だと虫関係だろうな、と予想していたら大当たりだったみたいだ。
という話を夜に家族でご飯を食べ終わった頃にしたら、てんはがマジで怖がった。
その日の洗い物当番がてんはだったのだが、嫌だー! と泣き出した。マジ泣きしてるしっ。
なので洗い物が終わるまでそばについてましたとさ。
会話が途切れたら振り返ってわたしがいなくなってないか確かめるほどの怖がりよう。
てんはに「蜘蛛ですが、何か?」の蜘蛛子さん好きだし、害虫駆除してくれてるから大丈夫じゃない? 黒いヤツもきっと駆除されてるからむしろありがたいだろうと聞いたら「最初からそこにいると認識しているのと、どこから現れて体に接触してくるか判らないのでは話が違う」と。
うん、確かにね。
んー、でも多分数日したら忘れてるだろう、とも思った。
これがおとといの話。
今日はもう忘れてて、台所で自分の欲望を満たしている。
欲望については、次のお話で。
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