永年忠誠物語~転移先は前世の世界でした!?~

水蓮

序章

プロローグ

 私の名前は水津鏡花みずつきょうか

 私立の中学に通っている十四歳の中学生だ。


 今日もいつものように学校から帰り、通学路にある歩道橋を通っていると、いきなり足下に黒い穴ができて吸い込まれた。


「──っ!! うわあ!?」

 いきなり地面が失くなり、落ちていく恐怖に思わず悲鳴が出た。


 自分だけかと思っていると、

「きゃあぁぁっ!?」

 と、隣からも悲鳴が聞こえてきた。


 何もない黒い穴の中には、一瞬だけ居たようにも長い間居たようにも思える。

 真っ暗な穴の中から、何か白い光が見えた、と思うと気がつけば石畳の上だった。


「これで────!」

「あと──、───です」


 周りにいた人たちが何か言っていたが、鏡花はそれどころではなかった。

 頭に知らないの記憶が流れ込んできて、激しい頭痛に苛まれていたからだ。

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