青い電燈の明滅に寄せる

 縁のある男が死んだ。主人公は「きっと彼はそれを望まないであろう」と考えながらも、葬儀屋として彼に死化粧を施す。
 彼がこの詩集の序に何を託したのかは、主人公にも私たちにもわからない。蓋をされた箱の中を覗くのは無粋だと思いながらも、賢治ガチ勢は考えてしまう。

 主人公が感じる「凡百なエモーショナル」もまた、主人公自身の青い光となって明滅するだろう。そして私たちもさざめくような青を放ってこの物語を読む。
 送る人、見送られる人、それぞれの物語を思い、明滅を繰り返す。