みんな大好き確定申告!

 さあ、お待たせしました! 皆さん大好き、確定申告のお時間です!


 これを作るのを皆さんも経験されていると思いますが、自分もしっかりやってます。てか、やらないとダメです。何度も言いますが、農家は一つの会社ですから、これをやらないと、税務署(こわいひと)に睨まれてしまいます。


 そして、当然のごとく、農家専用の確定申告がございます。


 すなわち、“農業用青色確定申告”です。


 複式簿記で、電子メールによる決済が必要ですが、農業用の会計ソフトも充実していますので、作成にはそれほど時間はかかりません。定期的に計算していればですけどね。


 また、役所も決算期には講座を開いたりして、アドバイスをくれるので、一年目からでも安心して確定申告を作成できるようになっています。


 まあ、要するに、その年の収入と支出を全部書き出し、その差額によって所得計算が行われ、最終的にいくらの税を払うか、となるわけです。


 そして、その税額を抑えるのが、“控除”なのですが、農家には色々と優遇があります。


 まず、青色申告自体の控除として、最大65万円が控除されます。収入-支出からさらに控除されるわけですから、ほぼ満額控除されます。


 また、皆さんの場合だと、社会保険料控除があると思いますが、農家だとそれに加えて、前回お話した“農業者年金”の控除も上乗せされます。


 そして、農家最大の控除が、“専従者給与”の控除です。これは同一家計内の人間、すなわち“家族”への給与を丸々“経費”として計上できることです。


 仮に、家族で農業を営んでいる場合、配偶者や子供へ給与を支払い、その支払った分が“全額控除”されるというわけです。


 これがどれだけ凄まじい控除額なのかは、軽く計算してみれば分かると思います。なにしろ、支払った分が所得から引かれるため、所得が減った分は当然税も軽くなります。


 仮に、自身の所得が500万とします。そして、月10万を家族に給与として払った場合は、年120万が専従者給与として払われますから、500万-120万で、“380万”が最終的な所得となり、この数字をもとに税額が決定されます。


 当然、専従者としての家族が増えれば、所得を“合法的に”減らすことができ、払う税金を抑えることができるわけです。


 自分が修行した親方農家のところも、家族には多額の専従者給与が支払われ、しかも頭数が多いため、数千万の所得を削り、その減額された方の数字で税額の算出がなされているわけですから、かなり節税できています。


 そう、農家最大の節税方法は、“家族を増やして専従者として雇い入れる”ことなんです。


 親、配偶者、子供、これらを専従者とするのが、節税の最たるものです。


 なお、あまりに高額な専従者給与が発生しないよう、専従者として認められるためには、最寄の税務署の許可がいるため、あまりに高い給与額は書類審査で弾かれるため、ご注意ください。


 ついでに申しておきますと、自分は独り身でございます。どなたか、40歳白ねぎ農家に嫁ぐ奇特な方はいらっしゃいませんか?


 いつでも歓迎します!(切実)


 農家の嫁不足は、いつも深刻だぁ~。このコロナ禍でJA主催の見合いパーティーも、全然やらなくなったのだぁ~。


 では皆さん、次回もよろしくね~。

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