創作の知恵編——先人の力を借りる——

役に立ったと思う創作本や書籍

 一番役に立つ創作本は、自分が面白いと思う漫画や小説だ。

 んで、徹底的に何度も何度も読み返して欲しい。

 漫画ならば、一話二話と分けられているが、小説はない可能性がある。

 特に、第一章〜第五章みたいなアバウトな分け方の場合が。


 そんな場合は300ページの作品ならば、30ページとか、20ページずつ、10ページずつぐらいで、細かに分けて欲しい。んで、そのページ数で、どんな内容が書かれていたのかを、構造的に理解してもらいたい。


 そんな読み方ができると、伏線の貼り方や物語構成が完璧に理解できる。そして、自分の”面白い”が言語化できると思う。


 自己研究編の目指すべき場所はこれである。

 あっさりと書いたけど、基礎中の基礎部分である。

 絶対に逃げ出さずに、やり遂げてもらいたい。


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——メンタル面——


『独学大全(読書猿)』


 今作品は、創作本ではない。

 努力の継続方法を学べる独学者向けの本だ。

 だが、この独学テクニックが、小説執筆にめちゃくちゃ役立った。


 例を挙げるとすれば——。


 ——100分の1プランニング——


 10万文字の小説を書きたい。だが、全然書けない。

 そんなとき、目標を100個に分けろというお話だ。

 つまり、10万文字小説を書きたいなら、毎日1000文字ずつ書くとか。

 そんな小さな積み重ねが、必ずあなたをゴールまで導いてくれる。

 ちなみに、この手法は、自分ができる範囲まで分解すること。

 100でもできないと思ったら、1000でも、10000でも分解していいと。


 その他にも、努力の継続方法が豊富に書かれている。

 飽き性人間の私は、この作品を何度も読み返して、もう一度頑張ろうと奮起しています。


——文章技術——


『日本語の作文技術(本多勝一)』


 日本語の書き方を学べる一冊。

 著者が元新聞記者かライターだったはず。

 読みやすい文章と、読みにくい文章の違いは何か?

 これを手っ取り早く学べます。

 文章技術本なら、私はこれを推す。


——ストーリー——


『SAVE THE CATの法則(ブレイク・スナイダー)』


 ハリウッド形式の三幕構成が理解できる。

 基礎の基礎を学べるので楽しんで読める。

 ただ、実践するのは難儀という一冊。

 それでも一度は読み通して欲しい良作。


『やっぱり王道が面白いカタを使った物語の生み出しカタ(わかつきひかる)』


 初心者にオススメするなら、私はこちらを推薦したい。

 兎に角、この創作本は、分かりやすく、そして役に立つ。

 簡単に言ってしまえば、物語の骨格を他作品から奪ってきて、それを下地に作品を作ろうという創作本である。

 この思考方法を学べれば、世の中の作品全部が自分の源になります。


——読書術——


『コンサルタントの読書術(大石哲之)』


——一冊の本の9割はムダ——


 こんな過激発言が連発するのだが、的を得る内容ばかりだった。

 この本の中で——。

 同じ分野の本を10冊読めというものがある。

 すると、何度も何度も出てくるものは、この分野の肝である。

 だからこそ、絶対に重要な部分だと分かる。


 で、この思考方法が身に付けば……。


 先程の、『やっぱり〜』と組み合わせて……。


「ファンタジー小説を書いてみよう!」

「ミステリー小説を書いてみよう!」

「現代のラブコメはどんなものなのか?」


 と、思ったときに、同じ分野を10冊ぐらい読んで分析が可能だ。


「ファンタジー小説は、異世界転生、美少女、剣と魔法——」

「ミステリー小説は、クローズドサークル、一人目の犠牲者が出るのは1万文字以内か、そして美少女の助手がいるのか——」

「現代のラブコメは、女の子がグイグイ来る系なのか、そして容姿端麗でどこを取っても埃が出てこない完璧美少女なのか——」


 などなど、物語の肝が分かる。

 つまりは——売れ線がどんなものなのか想像が付く。

 と言っても、自己研究編で出した自分の”面白い”を最重要視だ。

 自分の”面白い”と、”売れ線”を組み合わせて、作品を作るのである。


 そして、10冊も本を読むのだ。

 有効活用しようじゃないか。

 この10冊読んだ中で一番面白かった物語の骨格を奪えばいい。


◇◆◇◆◇◆


 厳選に厳選した五作だ。

 どれを購入しても、「まぁ〜損はしないかな?」ぐらいだ。


——一冊の本の9割はムダ——


 その言葉通り、創作本も殆ど同じ内容が書かれているだけなんですよ。

 読めば読むほどに、殆ど同じ内容が書かれていて、ウンザリしますよ。

 んで、その書籍の1割だけが、役に立つ部分なんです(笑)


 だからね、意外と要約で事足りることが結構あります。


 例を挙げれば——。


『手塚治虫氏は、ブラック・ジャックを書くときに毎回4個の話を考えて、その中で最も面白い話を連載していた(通常の作品は3個)』

『藤子・F・不二雄氏は、漫画は起承転結の繰り返しだという。実際に、大長編ドラえもんの第一作『ドラえもん のび太の恐竜』は、一話完結型だったものを、大長編として書き直しているのである』


 などなど、こ〜いう小ネタが結構あるんです。

 んで、この小ネタを知っていると——。


「一話完結型の作品を考えるなら、私も3つ話を考えよう! その中で一番面白い作品を選んで、連載しよう!」

「起承転結の『起』にも、起承転結があるのか。あ、そういえば、BLEACHの第一話やナルトの第一話も、起承転結があるよな。あんな感じで、物語を始めれば……読者の心を鷲掴みできるのかも!!」


◇◆◇◆◇◆


 お金をかけずに済ませようとするのならば……。


『独学大全』は要約動画やサイトが上がっているはず。

『日本語の作文技術』は「小説の表現を学べるわけではない」とバッサリ切り捨ててもらっても構わない。自分の好きな小説を真似たほうが早い。

『SAVE THE CAT』は、カクヨムの公式連載を読めばいい。

『やっぱり〜』は、わかつきひかる氏の動画で対応可能。

『コンサルタント〜』は、「10冊読めば、その分野の基礎が理解できるんだ!」という思考方法さえ学べれば、いいので買わなくてもいいかも。


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作家から


 皆様、お疲れ様でした。今作はここでおしまいです。

 未来ある作家の方々に、私ができることは全部残したと思う。

 皆様、今までお疲れ様でした( ̄▽ ̄)

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