小説の文章にも型が存在する

 小説を書こうと思ったときに、地の文が書けない。

 そう思った方は意外にも多いかもしれない。

 でも、安心して欲しい。


 読書猿氏は小説は『場面』『説明』『描写』で書かれていると言った。


 その意見を聞き入れて、私は小説を真剣に読み始めた。

 この文章は『場面』で、これは『説明』で、こっちは『描写』だなと。

 こんなことをしている間に、とあることに気が付いた。


「文章の型にパターンがないか?」と。


 それから小説を読みあさった。


「そうだ……小説の文章もパターンがあるんだ……パターンが!」


 一つの疑問は、確信へと変わっていった。

 小説を読めば読むほどに、私の考えは正しいと悟った。

 だが、説明できない。どんな言葉で表現すればいいのか……?


「誰かに説明したが……これを言語化して説明ができない……」


 感覚では分かる。

 だが、それを誰かに説明するのが難しかった。

 そんな折、偶然にもとある動画を見つけてしまった。


 わかつきひかる氏の動画である。

 その中で、彼女はこんなことを言っていた。


『地の文は六つの要素でできている』と。


 それを見た瞬間、言語化が完成した。


「あぁ……こうやって説明すればいいのか」と。


◇◆◇◆◇◆


 詳しい話は、わかつきひかる氏の動画でも見て欲しい。

 某動画サイトで『わかつきひかる 地の文』で調べれば出るはずだ。

 正直言って、私はその動画を見て深く感銘を受けた。

 あぁ、やっと自分の思い描いていた理論を言語化できると。


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 簡単に説明する。


情景(周りに見える景色、場所、時間)

外見(キャラの見た目、物の見た目)

心理(感嘆文かな?)

雰囲気(演出を作るだけ)

行動•出来事(〇〇は〜した)

説明•考え(この街は〜だ。みたいな)


 上記の内容は、私が分かりやすく説明しただけだ。

 勝手に自分なりに解釈して考えたものなので、正しいかは判断できない。ともあれ、私の中では、わかつき氏の話をこのように解釈した。


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 有名な作品から文章を引用したい。

 だが、そんなことをすれば、私が運営に怒られてしまう。

 なので、今回は——適当に文章を作ります。


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①室内を見回す。②一番最初に目が付いたのは、巨大な絵画。③天井を突き破るほどに大きな白いキャンパスには、豊かな色彩で描かれた幻想的な世界があった。④景色は夜の湖畔で、大きな月が空にも、反射した水面にも映し出されている。⑤あぁ、やっぱりアイツは天才だ。何度見ても、アイツが残した世界に魅了されてしまう。

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①行動描写(見るという行動)

②視覚情報+名詞(何を見たのか)

③名詞の説明(見たものの詳しい説明)

④説明(見たものの更に詳しい説明)

⑤心理(自分の意見を述べる)


 これを元に、他の文章を書いてみる。


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①ホテルの室内に入った瞬間、鼻がピクリと反応した。②原因は床に落ちているビニール袋。異臭が漂ってきているのだ。③近づくだけでも吐き気を催してしまうほどだ。④生ゴミを一週間ほど放置していたときと同じくらい臭い⑤これは許せない。ホテルマンは何をしているのだ。クレームを入れなければならない。

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①行動描写(鼻が動く)

②嗅覚情報

③説明(どれほど臭いのか)

④説明の説明(その臭さを更に説明する)

⑤心理

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 まぁ〜こんな感じで、小説にも文章の型が存在する。

 今回は一部を抜粋しただけだが、この世界には幾らでもある。

 小説を読めば読むほどに、文章の型を発見できるはずだ。


「あぁ〜小説面白かったぁ〜」


 で、終わらせるのではなく、今後は——。


「ふむふむ、この文章はこんな型で構成されているのか!」


 という視点で読むと、文章構成力が大幅に上昇するだろう。

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