俺様戦隊!! カベドンジャー!!

ばくえんさい

第1話「怪奇?! UFO美男!!」

それはある日の午後だった。

A県N市の中心地、堺で事件は起こった。

~♪それはどこからともなく昭和の楽曲のイントロが流れてきた。

空を見ろ!! 音の音源、それは空飛ぶ円盤、俗に言うアダムスキー型の円盤からであった。

円盤の下部から光が地上に降りてくる。

光の中から一人の人物が現れた。

おおっ!! その者、銀のピッタリとした衣を纏い堺の地に降り立つべし!!

しかもその男は美丈夫であった!!

何だ何だと銀タイツの男を囲む人々。

銀タイツの男はBGMに合わせて昭和の楽曲の振り付け通りにポーズを決める。


「UFO!!」


銀タイツの男は


「自分は耽美帝国 「ブラック・ラヴァーズ」のUFO美男(イケメン)であります‼ これより、「人類美男子化計画」を実行するであります!!」


と叫び、UFO美男は玩具の光線銃みたいな銃を傍の老夫婦の内、老紳士に向けた。

ピーーーーーッ!! 

光線は老紳士に直撃!!


「あばばばばば……!!」


「あ、あなたぁ‼」


光線の電流に痺れる老紳士に慌てて駆け寄る老婦人。

ボフンッ!!

光線の電流が収まると老紳士は煙に包まれた!!

煙が晴れると其処には老紳士は居なかった。 其処に居たのは美青年だけであった。


「……な、何が起こったんじゃ……⁈」


困惑する美青年。


「あなた!! 若返ってますよ?!」


老婦人の言葉に吃驚する美青年。


「何を言ってるんじゃ?  儂は若くなど……ん?

体が軽い?!  どーなっとるんじゃ?!

……ん?  どうしたんじゃ?  婆さんや、儂をそんなに熱く見つめて?」


老婦人は自分の愛した旦那の若き姿に見惚れていた。

ジュルリ。

……老婦人はヨダレを滴したまま元老紳士を見つめている。


「ユーフォッフォッフォッ!! 次は貴様だフォ~ッ!!」


UFO美男は光線銃を老婦人に向ける。


「………」


老婦人はあの光線を浴びると若返れると思ってちょっと期待しちゃっていた。

ピーーーッ!! 光線が老婦人に直撃。


「あばばばばば……!!」


「ば、婆さんやぁ~っ?!」


ボフンッ!! 光線の電流が収まると老婦人は煙に包まれた!!

煙が晴れると其処には老婦人はもう居なかった。其処には何処かの歌劇団の男役の様な美青年が立っていた。


「…………。」


唖然と立ち尽くす美青年に対して歌劇団風の美青年がはにかみながら問う。


「……あなた、どうですか?  私、ちゃんと若返っていますか?」


怒る美青年。


「誰じゃ!! 貴様!! 婆さんを何処へやった?!」


「……貴方……酷いわ……ん?  何か体がおかしいわね……? あれ? 」


UFO美男が高らかに笑いながら自慢する。


「ユーフォッフォッフオッ!!  見たか?!  これがこれこそが!!  我々ブラック・ラヴァーズの開発した美化光線銃(美男子化限定)『ウホッ!!  いい男銃(ガン)』であります!!」


UFO美男はバレエダンサーの様に高く華麗にジャンプして空中で回転し始める。


「世界中をもっとも~っと美男子一色にするであります!!」


空中で独楽の様に華麗に回るUFO美男はウホッ!!  いい男銃を乱射する。


ピーッ!!


「あばばばば……」


ピーッ!!


「あばばばば……」


あちこちに悲鳴が起こり、増える美男子。


「……わ、私も漢にしてくれ~っ!!」


UFO美男に叫びながら駆け寄る美女。


「ああっ!!  お姉さま何処へ?!」


美女を追いかける可愛い系の女子。


ピーッ!!


「あばばばば……」


ピーッ!!


「あばばばば……」


怪しい姉妹も一瞬で美男子化した。


「……ああっ!!  お姉様がお兄様に……でも、コレはコレで良し!!」


可愛い系の美少年がガッツポーズをする。


辺りは一部を除いて混沌の坩堝と化した。


「ユ~フォフォフォフォッ!!  タカビリヤ陛下!!  我々の薔薇の園をもうすぐ御目にかけられそうであります!!」


のけ反って高笑いをするUFO美男。

その時、UFO美男は背後から思いっきり蹴り飛ばされた!!

車○漫画の様に吹っ飛び、地面に無様に激突するUFO美男。

振り返ると其処には美形男子が居た。




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