愛は昇華し尊い光となる。喪失の物語。

大学生の恋人たち。
彼女に突然の病気が見つかり……。

───愛しているよ。
励ましたいのに、僕は、病室で、泣いた。

───愛しているよ。冬哉がクッションとして売り出されれば良いのにな。
彼女は、笑う。力を振り絞って。

喪失の悲しみは、欧州の小国の暗い海で、ざ、ざん……とうねる波となり、哭泣の気配が物語のあちこちに重く垂れ込めます。
そのなかで。

天から甘い蜜が、つう、と垂れるかのような光がさします。

愛とは。
命が失われても、喪失を超えて、光となり、人を包むことがあります。
その瞬間を見せてくれるショートです。

ぜひご一読を!

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