第10話 時が流れてもきっと この愛 確かな形にしたいから

境港を後にした私達は鳥取の倉吉でこれまでの戦いの疲れを癒していた、というのも倉吉にて私達は鴉天狗が指揮をとる部隊、鴉天狗機動隊と合流する手はずになっていたからだ、そして雪女である私の心の中に生まれた氷河に対しての愛、それを理解するには充分過ぎるほどの時間があった、季節は冬から春にむかっていた、そして際羽は際羽で倉吉を満喫している、もちろん柚希も、氷河と私は倉吉の円形劇場のフィギュアミュージアムに赴いた、なかに入るとそこには様々な動物や海洋生物などのフィギュアが展示されていた、氷河は私に「月の書のこと大丈夫なのか?」と心配そうに問いかけた、私は氷河に「うん、大丈夫だよ、この力の使い道は自分で答えを見つけるから」と言った、一方その頃、際羽は倉吉の神社にて座敷童と会話をしていた際羽は「黒歴史の力が雪女を月の姫に変えるってことはあるの?」と質問した、その質問に対して座敷童は際羽に「黒い暦の力も結局はその力を使う人次第だ、かつての漆黒の銀翼がそうだったようにな、強大な力なだけに本人がその力をうまく引き出せるかにもよってくるがな」と言った、そしてその頃、氷河と私は倉吉の商店街を歩いていた、氷河は私に照れながら「雪羽は俺のこと、、、好きか?」と聞いた、その問いに私は「もちろん好きだよ、それにどうやら私はあなたを愛してるみたい、それに私は時が流れてもきっとこの愛確かな形をしたいから」と言った、周りの人達からすればプロポーズそのものだったのだろう、だが雪女である私も恋愛に関してはかなり鈍感だ、氷河はその答えにホッと肩をなでおろし「そうか、その言葉を聞けただけでも俺は嬉しいよ!」と嬉しそうに言った、そしてその頃、柚希は倉吉を管轄にもつ勇者の一族の部隊と会っていた、柚希も黒歴史について独自に調査をすることにしたのだ、そしてその理由は出来るだけかつて漆黒の銀翼に所属していた黒斗達をサポートするためだ、勇者の一族の1人が柚希に対して「噂は聞いてますよ!勇者の一族の里ではもっぱらあなたは有名人ですよ!」と嬉しそうに言った、それに柚希は「自分なんてまだまだですよ、まだ鬼の一族の童子である茨木童子の力をうまくは自分でも引き出せていないもの」と言った、柚希が言ったことも確かな事実であり今の彼女は勇者の一族の力だけを使って戦っている、時より一瞬だけだが鬼の一族の力が彼女に反応して引き出されていることも確かにあった、妖怪の鬼の一族であり童子である茨木童子の力はうまく引き出さればそしてその力は黒歴史の力の一端である月の書と同等の力を手にすることができるからだ、そして鬼の一族の力は伊邪那美家の対魔士である際羽も柚希と同じく童子である酒呑童子の力をその身に宿しているからだ、そして際羽も柚希もお互いに自らに眠る鬼の一族の力をうまくは引き出してはいないのだ、だがそれでも勇者の一族の人達にとっては私達は英雄なのだ、そしてそのことにも変わりはない、柚希は勇者の一族の1人に「ここの防衛はいい感じっぽいね!また襲撃されてないかと思ったらホッとした」と言った、勇者の一族の里の襲撃事件は勇者の一族の中では今ではもう立派な教訓となっている、奇襲されても大丈夫なように防衛を今は勇者の一族の里も行なっている、勇者の一族の1人は柚希に対して「そうですね、あの奇襲事件のおかげで防衛はかなり強固なものになりましたから」と柚希はそれを聞くと勇者の一族の1人に「あなた達に勇者の一族の里に黒歴史に関して通じるものがあるかどうか聞きたかったのよね」と言った、勇者の一族の1人は「そうですね、黒歴史の遺産についてですか、私達のところにはない感じでしたね」と柚希に返した、勇者の一族の里が何故メリクリウスとヴァイエイトの2人の王女の姉妹に狙われ奇襲を受けたのか柚希はそのことがどうにも頭の中で引っかかっていたのだ、そして柚希もまた歓びや悲しみから今、受け取った力を自らの力に変えて成長をしている真っ只中だ、柚希は勇者の一族の1人に「あなた達の強さなら私も安心できそうね」と言った、そして際羽は対魔士の賢者のもとで倉吉を出るまでに修行をしていた、対魔士の賢者は際羽の日本刀から放つ炎の斬撃を蝶のようにかわしながら「君は何を望むの?」と質問した、その後、右手から木を生成して火花とともに際羽を吹っ飛ばし、土煙とともに地面に叩きつけた、起き上がる際羽は「霊羽と同じ場所に辿り着くには私の中に眠る鬼の一族の力を血とともに引き出さないといけないんです!」と日本刀を構えた、そしてその一瞬だけだが際羽の深紅の赤髪が焚き火のような赤色に変わり、瞳も燃えるような深紅の赤色に変わった、そしてそれは際羽の中に眠る鬼の一族が一瞬だけ目覚めたのだった。

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