第4話取材(2)

続いて我々は、防犯カメラの映像について菜野花克樹に聞いてみた。

「防犯カメラをしかけたのは、クリスマス会のすぐ後の会議でのことです。奈津美もおっしゃいましたが、不気味な現象で気味悪がられたいることはすでに会員本部に知れわたっていました。そこで実態を知るために、防犯カメラをしかけてみたらどうかとあたしがアイデアを出して、設置することになったんです。そして映像を見ていたら、子どもたちの言う通りの現象が起きていたんです。しかも毎日、必ず三回か四回は起きていました。」

そして克樹さんは、興信所や不動産会社に調査を依頼したところ、この建物で今から十九年前に火災が発生し、当時住んでいた九歳の少女とその両親が死亡したことを知った。

「なるほど、それでは子ども会に取材を申し込みたいのですが、連絡先を教えていただけますか?」

「いえ、もう子ども会はありません。」

「え?解散したのですか?」

「そうです。調べたことを報告したら、会員や親御さんやPTAのみなさんたちから『どうしてこんな気味悪い家を子ども会で使っていたんだ!!』って非難轟々の嵐を受けまして、子どもたちが来なくなり、解散することになりました。元々あの家がそんないわく付きのものだったなんて知りませんでしたので、我々にはもうどうしようもなく・・・」

子ども会を解散に追い込んだ少女と親子の霊、我々は詳細を調査するために当時の建物の住所と、克樹さんの知り合いで当時役員をしていた、鳥居道生とりいみちおさんの連絡先を教えてもらった。

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