誰もが羨む花嫁の座を射止めたのは

 南の島のお祭りに参加し、見事神様のお嫁さん役をつとめることになった、とある日本人旅行者のお話。

 正確にはその友人である島民、ネルネルさんの視点で進む物語。

 陽気で活気あるお祭りの様子がとても好き。
 特に、そのクライマックスである神様への嫁入りの儀式。本当にハッピーで栄誉なことだというのが伝わってきてワクワクします。

 とはいえ。
 じゃあ自分もそうなりたいか、と言われると、正直遠慮したいのですけれど……。

 まさにこの辺のギャップが面白味というか、文化や価値観の違いを叙述によって体感させてくれるところが魅力のお話。
 どこかSFショートショートにも似た味わいが楽しい作品でした。