「学生結婚推進法」卒業するまでに結婚すれば借金がチャラになるので、学生時代頑張って婚活してみた。

メグルハ

法律的あらすじ

序章 法律の制定の背景

21世紀に入り、我が星では少子化が進展していた。

かつては22世紀には100万人になると見られた我が星の人口は、飛躍的減少で推移していた。


少子化の影響はいろんなところに出ていた。


少子化の影響で科学の進歩がゆっくりになっていった。一時期10年に1度は新しいものが何か出る時代があったそうだが、少子化の影響で科学力の出力の担い手が減少。世界中で研究員が減っていった。出す論文はAIのほうがマシなレベル。もちろんAIは結局、人間が知っていることしか知らないのだが。AIは0から1は産まないが、1を100にはしてくれた。そうどこかの国が得意としていた改善はAIの得意分野の仕事だった。


しかし、創造の国でも新しい発明がなかなか起こらないでいた。既存の発明をちょっと改良したものが溢れていた。


軍隊でも軍事出力が低迷していた。これも少子化の影響で志願者が世界中で減少。雇う人をスカウトしに見つけにいかないと見つからないレベルで深刻な事態となっていた。おまけにいまの若者は堪え性がない。



文化面でも影響が出た。今の若者は少子化の影響で、数が減ったため、高齢者たちの影響を受けすぎている。世の中、おじいちゃん、おばあちゃんが多すぎて、若者たちは新しいものを生み出さなくなった。どこかで聞いたような物語、どこかで聞いたような音楽、どこかでみたような絵画、独創性が減ってしまっていた。まぁ、必要以上に繋がっているせいでもある。


話は変わるが、進化論でも、生物が進化するには地理的隔離、遺伝集団の隔離、遺伝交雑の隔離などが原因と見られた。グローバル化の進展で、国という概念が曖昧になり、人々は同じものを見て、人々は同じものを食べ、人々は同じような服を着ていた。もはや全人類は文化的に1つとなってしまったのも大きいだろう。


経済的にも影響が出た。少子化の枕詞である「少子化の影響で」、若者が少ないので購入意欲がある人たちも減少。買い物を世界中必要最低限しかしなくなっていった。買うのは好奇心がある金持ちの高齢者だけで、金があっても大半の高齢者は何にも使わず、ためておくだけで、世界中で経済が衰退していった。


農業面でも影響が出た。少子化の影響で、食べる人が減った。食料は飛躍的生産可能になっていったが、供給過剰で単価は大暴落。

「食べ物が増えるスピードより人口が増えるスピードが早い」とかなんとか言っていた人口学者のマルサスもびっくりだ。逆だった。買う人がいなくなるスピードが早かった。



そう、この星はまさに世は人口減少時代に突入していた。



そんな中、地球統一政府は「学生結婚推進法」を全世界に発布。超大国アメリカを筆頭に税負担が軽い国では学生の借金も問題になっていた。そこで地球統一政府は、学生時代に結婚すれば借金の徳政令を出すという法律を制定。統一政府へ入る条件に


●子育て経験があること


が追加された。かくして、俺は地球統一政府で働いてチヤホヤされたいという願望があった。別にモテない訳ではないが、でっかいことがしてみたいと小さい頃から思ってた。


俺が大学入学して卒業するまでに、

・学生結婚を果たすこと。

・子どもを産み育てること。


というノルマが追加されてしまった。


元々学業とバイトと就活をすべて両立させなければいけなかったのに、恋愛もしなくてはならなくなった。正直、一生独身でいいと思ってたのにな。


かくして、俺たちの学生戦争が幕を開けた。

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