一章 非道とは効率的である

第5話

 体力と気力を使い果たしたことによる、久方ぶりのまどろみ。森の清涼な空気が、意識を更に深いところへと導こうとする。

 だが、一つの気配が、一気に壱馬を現実へと引き戻した。

 目を開ける壱馬。目の前に居たのは、この異世界ヴォートの現地住民らしき少女であった。


「誰……だ……?」


 口調がたどたどしい壱馬。急に起きたことによる倦怠感……ではない。

 壱馬は、目の前の少女に見惚れていた。

 うっすらとした森の明かりを浴び、きらきらと輝く金髪。その細い身体つきとすらりとした手足は優雅であり、薄く青がかった瞳は神秘的だ。着ている布の服は動きやすそうな普段着であるものの、それでもどことなく品の良さがある。

 尊い。常に余計な思考を挟まず行動しようとする壱馬ですら、彼女をみてそう思ってしまった――


「大変! 血が出てるじゃないですか!」


 そんな儚さや尊さを吹き飛ばす、地に足ついた快活な第一声。

 少女は座り込む壱馬に駆け寄ると、上に着たままの学生服を脱がそうとする。


「安心してください! 今、ちょうど怪我に効く薬草をとったところですから!」


 手にしたカゴから、薬草を取り出す少女。どうやら少女は、血まみれの壱馬を怪我人だと思っているらしい。


「待て。これは違う」


 そう言って、少女に抵抗する壱馬。この血はすべて返り血であり、壱馬は無傷である。それはそれで、ものすごく外聞の悪い話ではあるが。

 だが、壱馬にこう言われても、少女が止まることはなかった。


「何が違うんですか! この薬草は、傷口に当てても効くし、飲んでも効く、すごい薬草なんです! さあ、どっちにしますか!」


「待て。それは医療的におかしくないか?」


「効く以上、問題ありません! さあ、遠慮せずにゴホッ!」


 いきなり吐血する少女。そのまま意識を失った少女は、壱馬の手の中に崩れ落ちる。

 あまりの展開に呆然とする壱馬。いきなりこちらに迫ってきたかと思えば、その勢いのままバタンと倒れる。いったい、この少女は何者、いや、なんなのか。

 ハッキリしているのは、壱馬の身体は更に他人の血で汚れ、ついでにこの少女から、神秘的や優雅という評価が消えたことである。勢いよく現れ、勢いよく力尽きる。まるで、花火のような生き様だ。

 壱馬は、少女が手にしていた薬草を取ると、そのまま少女の口に押し込む。


「うーん……うーん……苦いです……」


 意識を取り戻し、うめいている少女。なんだか、顔色も良くなっている。

 とりあえずこの薬草には、飲むことによる回復効果はあるようだった。


                  ◇


 聞いたことのない鳥の鳴き声、見たことのない形をした木、かいだことのない香りをふりまく花。そんな新鮮な感覚を味わいつつ、壱馬は森の中を歩いていた。


「すみません……焦りすぎて。わたし、生まれつき体力がなくて……無理をすると、こうなっちゃうんです。あ、そこを右です」


 壱馬におぶさった少女は、申し訳無さそうに口を開く。少女の指示通り、壱馬は獣道同然の道を右に曲がった。目的地は、森の中にある少女の家である。

 壱馬はさきほど目の前で倒れた少女を背負っていた。いくらなんでも、あのまま見捨てることもできまい。人助けというより、勝手に棒に当たって怪我をした犬を放置しては寝覚めが悪いという感覚だが。

 そちらが落ち着ける場所まで連れて行こう。薬草のおかげか意識を取り戻した少女に、壱馬はそう申し入れた。

 壱馬の提案を受け入れた少女は、道を案内しつつ壱馬に尋ねる。


「でも。あなたにケガがなくてよかったです。お名前を聞いてもいいですか?」


「壱馬だ」


「イチマさんですか。覚えました。わたしはフェイです。この森で、お父さんと二人で住んでます。ところで……」


 少女改めフェイは、少し声のトーンを落として壱馬に尋ねる。


「イチマさんは、その……なぜ、あんなところで寝ていたんですか?」


 その問いかけには、今まで明快だった彼女にしては少しの慎重さが感じられた。

 壱馬はそっけなく答える。


「歩き続けて、疲れていただけだ」


「それは、この森を抜けようとして……ですか?」


「いや。気ままに彷徨っていて、気がついたら森の中にいた。ここが何処だか、よくわかっていない。血まみれだったのは、腹が減って、なんとか捕った獣の血抜きに失敗したからだ」


 ここが何処だかわかないという本当と、返り血は獣の血であるという嘘。壱馬の返答は、本当と嘘の半々であった。

 この世界における異世界人の立場の難しさは、あの闘技場でよく知った。ならば、わざわざ名乗ることもあるまい。幸い、外見はそこまでこの世界の人間と異なるわけではなかった。

 もっとも、血抜きの失敗は苦しい言い訳だし、着ている学生服もおそらくこの世界の概念としては珍しい服である。信じてもらうのは、難しいかも知れない。


「なるほど。そういうことでしたか。早とちりして、申し訳有りませんでした」


 フェイは、あっさりと信じた。それでいいのかと、言った壱馬の方が不安になるくらいの素直さである。


「そうですよね。今まで、あんなところで一人で寝ている人はいませんでしたし、なによりイチマさんは穏やかです。血まみれでも、穏やかです」


「……?」


 フェイは納得したものの、そんな彼女の言葉を聞き、壱馬は首をかしげる。この言いよう、何処かの誰かと比べられているようである。多数で無防備でなく穏やかでない。そんな存在とだ。

 そんな陰りを振り払い、フェイは壱馬との会話を再開する。


「家にはちゃんとした地図があるので、地図を使ってこの辺の道をお教えします。どこか、行く宛はあるんですか?」


「……いや。特に無い。さっきも言ったとおり、目的地のない気ままな一人旅だ」


「へー。わたしは旅なんてほとんどしたことがないので、一人旅とかあこがれちゃいますね」


 異なる世界にて、探し始めた場所はある。あるものの、これは他人に頼って探す場所ではない。壱馬がフェイにそれを聞くことはなかった。

 代わりと言ってはなんだが、壱馬は別のことを尋ねる。


「ところで、家は遠いのか?」


「近道を使えば、それほどでもないです。わたしを介抱してくれただけでなく、こうして家まで送ってくれるだなんて。助けようと思って助けられるだなんて、情けないですよね」


 たははと照れくさそうに笑うフェイ。なんとも可愛らしい表情であったが、壱馬が気になっているのは別のことであった。

 獣道同然の道は凹凸が激しく、遠くから獣の鳴き声も聞こえてくる。

 こんな、転んだらそのまま心肺停止しそうな少女が、一人でふらついていい場所とは思えない。慣れた様子である以上、日常的に足を踏み入れているのだろうが、慣れるまでよく生き延びてこられたものだ。


「ここです! ここが近道です!」


 フェイが指差す先、それは岩壁であった。

 いや、よく見れば、ところどころにロープがぶら下げてあり、手で掴めそうな凹凸もところどころに存在している。

つまり、目の前にあるのは、登ることのできない壁ではなく、一応登れる険しい崖であった。

 壱馬は思わずフェイに尋ねる。


「これが近道?」


「はい。ここです」


「普段使ってる?」


「ええ。ここを登れば、すぐ家なので」


 答えるフェイの眼に、曇りは一切なかった。


「お前がここを、普段から一人で上り下りしていると?」


「はい」


「……無理だろ」


「無理じゃないですよ」


 フェイは壱馬に背負われたまま、崖のあちこちを指差す。


「あの出っ張りで休んで、あのとんがってるところの下のくぼみで一休みして。一気に登るのは難しいですけど、休み休みなら大丈夫です。それでも、普通に歩くよりずっと早いですしね」


 なるほど、休み休みなら登れてもおかしくはない。クーラ二つで落ちる、昭和のブレーカー並の体力でそんな無茶をやらかす度胸と、どう見ても背丈の倍近くある出っ張りとくぼみの間を、一息で駆け上がれる俊敏性があればの話だが。

 壱馬は首をひねり、じっとフェイの顔を見る。


「?」


 きょとんとしているフェイ。その顔には、やはり邪気はなかった。ウソともハッタリとも遠い。


「まあいい、登ってみるか」


 気を取り直し、壱馬は崖をあおぐ。

 そんな壱馬を見て、フェイは慌てて止める。


「ここをいきなり二人で登るのは無理ですよ! まずはわたしを下ろしてください! 

 急いで上まで行ったら、ロープを下ろします……から……?」


 フェイが気づいた時には、目の前の光景は崖の上のものに変わっていた。

 認識できないほどの、高速崖登り。変身もせず、こともなげにやってみせた壱馬は、すでに歩き始めている。


「ところで、この森に」


 壱馬はフェイに話しかけるものの、呆然としたままのフェイには聞こえていないようだった。壱馬は改めて話しかける。


「ところで」


「は、はい! なんでしょう!?」


 正気を取り戻したフェイは、慌てた様子で壱馬に反応する。

 壱馬は改めて質問する。


「ところでこの森には、名前があるのか?」


「はい。ここは、境目の森と呼ばれています。境界無き無境の村にて、唯一の境目と言われている場所です」


「無境の村……?」


 壱馬にとって、当たり前だが聞き覚えのない村の名であった。


                  ◇


 異世界ヴォート。我々の知る、現代社会とは違う社会構造と自然環境を持った世界である。科学の代わりに、魔法が発展し、未だ剣が力となる世界。

 この世界の支配者層は、現代社会における人間とほぼ同じ姿かたちを持つ、ヒューマンと呼ばれる人種である。もともと、どの分野でも平均以上の能力と繁殖力を持ち、この世界のメインプレイヤーとなっている彼ら。十年前、ヒューマンより出た勇者が魔王を倒したことにより、その権威はさらに絶大となった。

 ヴォート大陸の中央には帝国と呼ばれる大国があり、各地を王たちが収めている。この大陸の政治体制は、ゆるやかな連合である。その連合において、ヒューマン以外の人種は二等国民であった。第一等であるヒューマンに比べ、彼らの権利や立場は低くなっている。

 このようなヒューマンの概念が通じぬ場所の一つが、無境の村だ。エルフ、ドワーフ、獣人、そしてヒューマン。この村において、種族の境目は無い。

 そんな無境の村の中枢、樹齢数千年の大樹をくり抜いて造った会議場。上座も下座もない円卓に、無境の村の代表者たちが集まっていた。

 各種族の代表者に加え、様々な実務をおこなう者たち。顔ぶれは当然、色彩豊かである。


「まだ来ていない人もいますが、時間です。会議を初めましょう」


 涼やかながら凛とした声が議場に響く。

 この無境の村の代表者にして創設者であるエルフの女王だ。数百年の寿命を持つエルフ族の長であり、未だ衰えぬ美貌と優れた知性を持つ彼女は、代表者の中でも頭一つ抜けた存在である。


「それでは……」

 議長として、今日の議題を報告しようとする、エルフの女王。彼女が何かを言おうとした瞬間、会議場の大きな扉が吹き飛ぶ勢いで派手に開いた。


「なんじゃ、なんじゃ! 緊急招集たぁ! 新型の剣の鋳造中に呼んだんじゃ。くだらん要件だったら、ぶっとばすぞ!」


 白いひげを揺らしながら、ドカドカと無遠慮に入ってくる、短躯の老人。彼こそが、エルフの女王の長年の知己であり、彼女に並ぶ無境の村の有力者であるドワーフの長だった。


「それは申し訳有りませんでした。ですが今回は、緊急かつ重大な要件なのです」


 エルフの女王は、ドワーフの長に頭を下げた後、彼の後ろに目配せする。自然と振り向く、ドワーフの長。そこには、円卓から離れたところに座る、一人のヒューマンの男がいた。

 黒髪に白髪の混ざった、老人に差し掛かる直前の風貌。刻まれたシワと古傷、着古した黒光りするレザーアーマーからは歴戦の威厳を感じる。ミドルソードを杖のように立て、座る姿は、この多種多様な人材が集まった会議場でも、異彩を放っていた。

 そんな彼を見たとたん、ドワーフの長の顔が若干柔らかくなる。


「なんじゃ! お主も来とったのか!」


 それはまるで、旧友に会った老人の顔である。だがすぐに、長の顔には緊張がはしった。


「お主がここにいるということは、外絡みの荒事か? とにかく、重大ということに嘘はなさそうじゃ」


 ドワーフの長はそう言うと、空いていたエルフの女王の隣の席に座る。


「で、結局なんの話なんじゃ。最近、この辺りをうろついている、コボルトどもについてか?」


 コボルトと聞き、獣人たち、特に犬型の顔を持つ獣人の眉が歪む。

 小柄な人の体に犬の顔を持つ魔物、コボルト。大半のものが言葉を介さず、奪い殺すことしかできず、魔王魔族に頭を垂れていたコボルトは、人ではなく魔物と認識されていた。

 このように人ではなく魔物扱いされている種族は多々いるものの、獣人から見て不快な存在として、コボルトを越える種はおるまい。

 エルフの女王は、返答の前にまず獣人たちに頭を下げる。獣人たちも、エルフの女王の謝罪を見て気を静めた。


「それも重要な課題ではありますが、今回は別の話です。ヴィルマ」


「ハッ!」


 名前を呼ばれ、女王の脇に控えていた黒い肌のエルフ、自警団長のヴィルマが前に進み出る。ビキニアーマー同然の鎧を、見事なプロポーションで着こなしている。

 エルフの女王は白い肌と先まで尖った耳を持つハイエルフだが、ヴィルマは尖りつつも先端が垂れている耳と黒い肌を持つダークエルフである。このように、大まかには同じでも厳密には違いがある種族も、無境の村には多く住んでいる。


「先日、闘技場より剣奴の逃亡事件が起きました。剣奴は脱出の際、多数の警備兵を殺害。無境の村の方面に逃げた可能性もあるので、もし発見した際は、連絡を求むとのことです」


「なんじゃ、それだけか。お前らが逃したんだから、知るかボケとでも言っておけ」


 ヴィルマの報告を聞いたドワーフの長は、闘技場からの要望をあっさり切り捨てた。

 そんなドワーフの長を見て、エルフの女王は苦笑する。


「そこまで荒い言葉ではありませんが、私も同意見です。あの闘技場は、人品良き者が運営しているとは言えませんしね」


「そこまで丁寧な言葉を使う気なんざないからぶっちゃけるが、あの闘技場に関わっている連中はクズしかおらんからな。ざまあみろ」


「話を戻しましょう。ヴィルマ、報告を」


 エルフの女王に促され、ヴィルマは報告を続ける。


「事実を正確に把握するため闘技場に潜入してみましたが、中はひどい有様でした。闘技場のいたるところが破壊され、観客席も半壊。貴賓室にいたってはまるごと吹き飛んでいました。死傷者の数は想定していた数より遥かに多く、警備兵の中には毒で鎧ごと溶けた者もいるとか……」


「そりゃあまた。毒竜とゴーレムが場外乱闘でもしたのか?」


「指から炎を出し、拳で鉄を砕き、口から毒を吐く。そんな化け物が、闘技場で暴れ逃げ出したそうです。その種族は、異世界人。おそらく、逃げた剣奴とは異世界人のことでしょう」


 異世界人の名を聞いた途端、円卓はざわめき始める。円卓から離れたところにいる老戦士も静かに反応する。

 異世界人。この四文字には、ヴォートに住まう人間の大半をざわめかせる威圧があった。


「異世界人と言えば、魔王と勇者の戦いに乗じ、混乱を巻き起こした忌むべき存在……」


「いくら来る者は拒まぬ無境の村とはいえ、魔に属する者や犯罪者は受け入れられんぞ。なんだその炎も毒もアリな無茶苦茶さは!」


「だいたいなぜ、闘技場の連中はわざわざそんな危険な存在を召喚したのだ。ヒューマンの考えることはわからん」


「耳が痛い話だな……外の連中は、傲慢でなんでもできると過信しているのだ。同じヒューマンとして、恥ずかしい」


 エルフにドワーフに獣人にヒューマン、円卓に座る人々は闊達に意見を交換し始める。エルフの女王とドワーフの長は、そんな皆の意見をじっと聞いていた。女王は悩ましげに、長は考え込んでいると、様子は違うものの、率先して意見を出すことはなかった。

 会議が白熱する中で動きを見せたのは、円卓より離れたところにいる熟練の戦士であった。ドン! と、戦士は杖代わりの剣で床を激しく叩く。その揺れと音は、円卓のざわめきが止まり、注目を集めるだけの迫力があった。


「ガラハ殿……」


 エルフの女王は熟練のヒューマンの戦士であるガラハの名を呼び、彼に注目を集める。

 ガラハはしばし時を置いてから、ゆっくりと口を開いた。


「私は、異世界人を知っている」


 再びざわめく円卓、老戦士の告白は、議場にいる大半の人間が知らないことであった。


「だが、私の知る異世界人は、未熟ながらも真摯であり高潔で、とても怪物と呼べる者ではなかった。ヴィルマの耳と目は信じているが、発信元の混乱による誤認もありうる。大事なのは、恐怖を掻き立てることではない。判断は、件の剣奴を自らの目で見た後に下すべきだろう」


 老戦士はヴィルマに目配せし、ヴィルマは軽くうなずく。

 お前への疑いを口にしてしまった。

 気にしていません。

 信頼関係があってこその、アイコンタクトでの会話である。

 そして老戦士は改めて、目ではなく自らの口から大勢に向け言葉を発した。


「無境の村は、ヒューマンが動かす国に背を向けた人々が作った村。種族、出自、身分は問わぬ、境無き村である。そんな村が、先入観のみで人を排他してしまえば、この村は無境の名を持つ意味を失ってしまう」


 静まり返る円卓。老戦士の言葉は、代表者たちの心に深く染み入っていた。

 そんな円卓の様子を見て、ドワーフの長とエルフの女王が口を開く。


「うむ。そのとおりじゃ」


「ええ。もし、その異世界人らしき剣奴の方を見つけたら、慎重に接触を。受け入れるにしても、拒絶するにしても、まずはそれからです」


 無境の村の最長老と呼ぶべき二人の見解を聞き、張り詰めていた円卓の空気がゆるくなる。やはり大筋の方針が決まるだけで、人間安心するものである。

 そんな空気を切り裂く一報は、会議場に駆け込んできた黒装束のエルフによりもたらされた。この上下の黒装束は、無境の村の治安を守る自警団の制服である。


「団長! 皆様方! 火急の事態により、失礼します!」


「何事だ!」


 自警団長のヴィルマに促され、駆けつけたエルフは一息で報告する。


「境目の森に、複数の侵入者の痕跡がありました! 現在、自警団で追跡中です!」


 その報告を聞いた瞬間、今まで巌のように落ち着いていた老戦士が、勢いよく立ち上がる。


「フェイ……!」


 老戦士は、愛する娘の名を呟いた。

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