side妹5 少し第三者視点
「お兄ちゃん明日空いてる?」
「んぅ?空いてるけどどうしたの?」
お兄ちゃんとのクリスマスデートの帰り道、お兄ちゃんと談笑しながら家に向かって歩を進める。
お兄ちゃんは当たり前のように車道側を通っていた。
お兄ちゃんは可愛いのにカッコ良すぎる!!!
あぁーー!!!好き好き好き!!!
「ふふっ、なんでもないよ。ただ聴いただけ!」
お兄ちゃんは絶対気づいてないけど、明日は大切な日なんだ!!絶対に喜ばせるぞ!!
ケーキも予約してあるし!!
飾りもバッチリ作ってある。あとは準備する間お兄ちゃんにどこにいて貰うかかぁー。
映画見に行っててもらうのが良いかなぁ?でも知らない人に私がいなときに近づかれるのは嫌だからなぁ。私がいる時でも嫌だけどね。
うーーーん、どうしようかな
今はせっかくのデートだ、帰るまでがデートなんだ。お兄ちゃんと会話する方が大切だ。
私は少しだけ前に駆けていって、そこで止まった。
別に何か起きたから前に駆けていったわけではない。
お兄ちゃんの前に立ち真正面から「お兄ちゃん大好きだよ」という言葉を伝えるためだ。
「おにいちゃん!大好きだよ!」
思いを伝えながら振り返った。
・・・その瞬間。雲に隠れていた月が現れ、まるで世界に祝福されている様だった。
唐突に告白されてびっくりした顔になるかなーっと、お兄ちゃんの方を眺めていると、想像してたのと違い、凄い真剣な顔をして走ってきた。
そして
私は走ってきたお兄ちゃんに突き飛ばされた。
どうしてなのかわからずお兄ちゃんの方に手を伸ばしていると、お兄ちゃんがこちらに向けて微笑んで、口を動かしているのがわかった。
声が聞こえたわけではないけど「僕も」と言っているのがわかった。
その時になってようやく気づいた。さっき立っていた場所に何か大きな物が突っ込んできていることに。
クリスマスの夜、酔っ払い運転により1人が轢かれ下半身付随になった。
下半身付随になった人は、体の衰弱からか、病にかかり、その後死亡した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます