第20話 お、お姉様とお呼び!
「次はかなり強いらしいし気合い入れて頑張るぞー!」
「おおー元気だねー。僕も次は相性が悪い方だし頑張らないとねー。」
「そうなんですか?」
「うん。リブラさん以上の物理特化の人だからね。近づかれたら終わりと思っておかないと。」
「私ってそんなに物理特化ですかね?まあお互いにがんばりましょー。」
「そうだね。頑張ろう。」
「ああ、間に合った。」
「あ、エクスさん。途中からいなかったけどどこに行ってたんですか?」
「ちょっとインタビューを受けててさ。まあ暇だったからちょうど良かったよ。あ、試合頑張ってね。」
「うん、頑張るよ。応援よろしくね。」
*****
「さぁさぁ相手はブイチューバーだがなんだが知らねぇがぎたんぎたんのめったんめったんにしてやるぜ!」
「どうもPrayingの秋葉灯です!対戦よろしくね!リブラさん!」
「あ、はい。よろしくお願いしますね。」
しまった。こいつはコミュ力お化けのタイプだ!どうしよう。勝てる気がしねぇ!
「あれ?どうしました?」
「いえ、なんでも。いい試合にしましょうね。」
「そうですね。でもせっかくのイベントでもありますし楽しみましょうね!」
ぐおおおお眩しい笑顔!だが私には今回まじでまともにグリモワールさんと一緒に考えた秘策があるんだ!負けてたまるか!
【それでは第2回戦第2試合を始めます!】
「『炎撃』。」
「うわっあっつ。騎士流『牙突』。」
「おっと危ない危ない。」
近づいたら突きの攻撃は予想通り。確かに動きが同じだね。なら次は⋯
「『炎撃』」
「同じ攻撃に当たったりはしませんよ!我流『風舞』。」
「やっぱりねー。でもそれはしゃがんで回避できるよね?ではここで何の変哲もない足払いっと。」
「わわっ!?キャア!」
「そして倒れたところに『炎撃』。⋯あれ?居ないぞ?」
「我流『霞』。最初の時点で違和感ありましたけどあなた、私の攻撃パターンを知っていますね?」
「まあそういうのが得意な人がいましてね。覚えるだけなら私は得意ですよ!」
いやまじか。こんなにも早くバレるとは。ダメージは少し与えたでしょ。『霞』を使わせたでしょ。⋯⋯⋯あれ?ほとんどなんもやってなくない?
「戦い方を知られてるなら変えるまでですよ。『風纏』『風刃』。」
「第二形態が空を飛ぶってまじ?って痛っ!」
「秋葉と言えば秋、秋と言えば風という考えだけで風魔法を極限まで育てたんですよ!空を飛べなくて何が風魔法ですか!」
「さては君今言ったやつ嘘でただ飛びたかったから風魔法選んだ口だな。」
「ギクリ。あっちょっ、最近手に入ったから慣れてない!あーやばいやばい落ちるー!助けてー!」
「ほいキャッチ。」
「⋯⋯え?」
「さすがにこれで負けるのは可哀想だからね。痛そうだし。別に勝てるからとかそういう意味じゃないよ?」
「あ、ありがとうございましゅ。」
「あ、でももちろん一撃は加えるよ?無防備なのが悪いんだからね!睡魔流『寝掌底』。」
どうよ!さっきの試合のあとエクスさんがいなくなるまで私の動きを教えて貰って覚えた技!出来たての寝掌底はいかが?というかあの子なんか顔赤くなかった?気のせいかな?というか倒れたまんま動かないし。
「えっと、大丈夫?」
「大丈夫です!ところで貴方様のことなんとお呼びすればいいでしょうか!」
「よ、呼び方!?」
急にどうしたこの子!?
「そうです!最初助けられた時は舐められてるのかなーって思ってたんですけどその後の無慈悲な一撃!優しさも苛烈さも持ち合わせる素晴らしいお方!そうです!是非、お姉様とお呼びさせてください!」
「お、お姉様!?」
待って待って待ってなんでこうなった!?助けたからか?助けてしまったからなのか!?なんか悪いことでも怒ったの?それともブイチューバーってこんなにもやばい人が集まるところなの!?
「さあ早くお姉様と呼ばせて下さい!あ、それとも私の事なんて言うか決めます?奴隷でも下僕でもなんでもいいですよ!」
「わかった、わかったから。お姉様でいいから。それとあなたのことは灯ちゃんと呼びます。いいね?じゃあ試合再開するよ?」
「はい!今は喜んでいる場合でもないですからね!今度は正々堂々恨みっこなしでいいですからね!『風刃』」
「また見えないやつ!ええいどうとでもなれ!『眠りの誘い』」
「うぐっ!状態異常も使えるなんて、流石ですお姉様。でもこれくらいならなんとでもなりますよ!」
「睡魔流『現返し』。からの『炎撃』」
「え!?後ろ!?きゃあ!」
「睡魔流『現返し』。」
「!?後ろですね!『風刃』」
「残念そっちは偽物。ただ言っただけだよ〜。それじゃあ『炎撃』からの乱打乱打乱打〜!」
「うぐっ。流石ですね。でも私も負けられませんから!『雲霞』『乱風雷』。」
「雷まで出せるの!?」
「雷はみんなの憧れですから!」
「全くもって理由になってない!」
というかどこから来るのかがわかんない!仕方ないもう一度使うしか。
「睡魔流『現返し』」
「使うしかないですよね?『風刃』」
「な!?読まれてた!?」
まさかもう読んで来るなんてね。嬉しい誤算だよ。
「大方対象の背後に瞬間移動するやつなんでしょう!ただ言うだけで偽造するのには驚きましたがね!」
「睡魔流『現返し:風刃』。」
「んな!?」
「『現返し』は君が見たことあるものをただ出しているだけだよー。そうだな〜。言うならば『眠りの誘い』を食らった時点で私の勝利は確定していただね。それじゃあね。睡魔流『寝掌底』」
「流石ですお姉様。ではまた後で会いましょう!」
【二回戦第2試合、Bブロックの勝者はリブラ選手です!】
「なーんかさっきと別のベクトルで困惑したな。ブイチューバーこっわ。」
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迷った結果グリモワールは次回に回すことにしました。
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