第18話 私の時間だー!

さあ!さあさあさあ!次は私の番だ!絶対に勝ってやるぜ。まずは作戦から!


「相手何使って来るんだろ。ぶっちゃけグリモワールさんとかに聞いたらある程度分かりそうだけどそれじゃ面白くないしね。よし!見て決ーめよっと。」


相手の行動パターンを瞬時に理解して即対応。よし、これにしよう!いざとなったら眠らせてなんかすればいいや。


【選手の皆さん準備はいいですか?まもなく専用フィールドに転送されます。】


「おーおーもう始まるんか。よっしゃ目に物見せてやんで〜。」


【それでは転送を開始します。】


れっつらごー!


*****


「うわ広〜いかもしれないし狭いかもしれない。見た感じは広そう。」


「どうもお嬢さん。」


わぁおダンディー。あれだ。おじ様だ。見た感じ近接戦闘向きじゃないのかな?


「どうもこんにちは〜。ヘルメルさんですね。頑張りましょうね!」


「うん。君は強いだろうし予選のように早く終わったりしないでね?でないと楽しくないからね。」


おっと私を煽ってるのか?煽ってるよね。だが残念私に煽りなんて効かないんだよ!


「そうですね。あなたもそこまで言ってすぐに終わってしまっては可愛そうですからね。互いに早く終わらせることの無い楽しい試合にしましょうね。」


「そうだね。ところで眉間にシワがよっているようだけどせっかくの美人が台無しだよ?」


「お気になさらず〜。」


【それでは一回戦第2試合。スタートです!】


近接じゃないなら速攻近づくぜ!そしてそのまま殴って終わり!大口叩いたやつはすぐに倒すのが私のモットーなんだよ!


「魔法職ならその行動は正解。でも私は風変わりでね。錬金『毒霧』。」


「え?ぶえっ!·····ッペ!ッペ!口の中に入ったじゃん!」


まじで最悪。·····待って毒ならやばくね?うわ!状態異常になってるし。最悪だぁ。


「う〜。迂闊に近づけないし近づいたら毒でめんどくさいな〜。ST5使用。『眠りの誘い』」


「·····っ!いきなり一番厄介な状態異常をかけてくるなんて危ないじゃないか。錬金『目覚め草』」


「あー!違反だ!薬草類禁止なのに!」


「これはスキルから作られるやつだからね。ルールの適用範囲外だったよ。錬金『眠り草』。せっかくだから返しておくよ。私の作れる最大の力でね。」


「んぇ?やっば。もろに·····くら·····った。」


【状態異常:眠気は睡魔流により状態異常:夢遊となりました。】


何それ何それ!睡魔流さん!?ちょっと?体動かないんですけど!?


「おや、眠ってしまったかな?日頃ちゃんと寝ないとダメだよ。若干時間はかかるけどここは安全にさっきより強めの毒でトドメを刺そうかな。あーあ結局すぐに終わりだったね。残念残念。」


うるせえ私はショートスリーパーなんだよ!知らんけど!というかやばい!動かん!マジで!一体なんなん夢遊って!


『夢遊』が発動しました。


「お?なんか来るか?あ、口動かせる。·····体は無理なんかい。」


「おや、随分早いお目覚めだね。でももう遅いよ。錬金『紫毒』。さあ、さっきの100倍の威力の毒だよ。また戦おうね。」


「うるさいやい!まだ勝負は終わってねぇ!」


ちょ、まじやばいって動け動け動け動け!当た━━━━


「うん。ちゃんと当たったね。威力高いのはいいけど強すぎて地面も溶かすから煙が酷いんだよなぁ。確認のための『水散布』っと。」


━━━━━睡魔流『寝掌底』


「ぐわっ!?どこから!?」


━━━━━炎撃


「くっ!魔法も使えるのか!見えないなら私を囲めばいいからね。錬金『固水』。ダイラタンシー現象を元にした完全オリジナルの防御さ。あんまり使いたくなかったけど負けたくは無いからね。そのまま毒に悶えるといいよ!」


━━━━眠眼、睡魔流『揺蕩睡脚』


「げほっ!ぜ·····全身を守っているはず!?なぜ!?」


━━━━睡魔流奥義『死睡邪拳』


「うわああああああああああああああああああああ!」



【状態異常:夢遊が解除されます。】


「んえ?どゆこと???とりあえずやった〜?なのかな。」


【一回戦第2試合、Cブロックの勝者はリブラ選手です!】


なにがどうしてどうなったらあそこから勝つんだ?ぜんっぜんわかんねぇ。普段ならどんな場面でもドヤドヤのドヤな私もさすがに動揺するわ。


「素直に喜べねぇ。」


*****

(sideグリモワール)


相手は予選通過5位のアストラルさん。。さらに僕の記憶上対戦相手とあったことは1度もない。つまり事前情報が全くないって事だね。まあやれるだけのことはやりますか〜。


【選手の皆さん準備はいいですか?まもなく専用フィールドに転送されます。】


「お、もうすぐ始まるね。リブラさんにも頑張ってもらいたいけど、まずは自分のことからだね。さあ行こうか!」


【それでは転送を開始します。】


よし、転送したね。まずはステージの把握から⋯⋯⋯


「もしかして『禁書さん』ですか?」


「おや、その名前で呼ぶって事は君はアレをやってるんだね。」


「まあ今はずっとこっちですけどね。元々怪しいな〜とは思ってたんですけどて良かったですよ。」


「ん?なにが良かったんだい?」


「そんなのアレ時代の禁書対策が既にできているって事じゃないですか。あなたの唯一の短所と言えば対応力が低いことですからね。事前情報を持たせてないなら勝機はありますよ。」


「それはやって見なきゃ分からないだろう?それとどうせならこれが終わったあとに少し話さないかい?今の雰囲気が少し気になってね。」


「あんまり環境に変化ないですけどね。まあいいですよ。それじゃあ始めましょうか。」


【それでは一回戦第2試合。スタートです!】


相手は武器を持っていない。なら無難に短剣辺りと予想。近づけられないことを最優先に戦おうか。


「それじゃあまずは『火炎弾ごあいさつ』」


「いい挨拶だね!なら『反射おかえし』さ。」


「!?君はまさか!?ぐっ!」


「今ので分かったかな?アルカディア最強のアカシックレコードさん?」


「そうだね。やっぱ名前変えられると案外分からないね。リズムくん。」


「へへ、見つかっちゃった。じゃあここからが本番みたいだね。」


「全くめんどくさいスキルだね。全部弾くのは君持ち前の技術だろうけど。」


あの短剣に『反射』の能力がある確率が極めて高いね。でもここはただの短剣と思っているように思わせますか。


「『反射』は短剣の能力だよ?まあわかってると思うけどね。」


「うん。やっぱり厄介極まりない性格してるね。」


あくまでも策を練らせさせないってことね。しっかりと対策ができてるようで。


「捻くれ者の中で最強だったあなたがそれ言います?」


「はは。そうだね。じゃあギア、あげていこっか?『五色弾エレメンタルパレット』。」


「それくらいなら楽勝だよ。『反射』っと。もっとギアあげた方がいいんじゃない?」


「そうかい?なら『五色弾エレメンタルパレット』」


「同じとは思わないよっと。『反射』」


「さすが。『火炎槍』」


「『反射』!今のは危な⋯⋯⋯ぐはッ!」


「おっとこれは予選で見せたやつだよ?しっかり対応しないと。」


「そうだね。上手くしてやられたよ。やっぱりあなた相手に出し惜しみは無理だね。『空歩』。」


「おや空を飛べるんだね。いや蹴ってるのかな?まあどちらにしてもそれは悪手じゃないのかな?『火炎槍』『氷槍』『破風』。つける隙はどんどんついていくよ!」


「それはどうかな?『分身』『影操』そして『反射』。」


「へぇ。それが短剣の能力みたいだね。君と相性いいじゃないか。」


「そうだね。『分身』そして『千剣花山』。僕が出せる最大の分身数は10体。その分身体一体一体が千の剣を放つよ。」


「どうやら決めに来たようだね。ならそろそろ僕の『職業』特有のスキルを使おうか。」


「あなたも持ってるんですね。でもこれを耐えれるとは思いませんがね。」


「まあね。耐えるのは無理さ。でも、壊すのは可能さ。『魔力放出』MPを周りに放出する。」


「君のやることに意味の無いことなんてないからね。千剣、発射。」


「集束しろ『魔源集砲』。」


「マジか。」


「数と質、どっちが強いかは分かるね?」


「そうだね。1度その議題で討論もしたからね。でも、みすみす当たるのを待つほど愚かでもないからね。『瞬法』」


「やっぱり、君の職業は忍者だよね。なら瞬間移動も当然視野には入れてるよ。そして使うなら回避と反撃を狙いたいこの瞬間なはず。教訓として覚えてるといいよ。僕を完全に出し抜きたいならスキルの出し惜しみなんてしない事だね。棒術『牙突』。」


「さすが⋯⋯。」


【一回戦第2試合、Aブロックの勝者はグリモワール選手です!】


「MP0になるかもしれなかったからね。あらかじ予想しておいて棒術を取っておいて良かったよ。それに急所もあるみたいだね。いや〜、柄にもなく賭けに出てしまったよ。」


【クロノスタシス・オンライン個人戦掲示板 】

PvPイベントの個人戦用の掲示板です。

990が次のスレを作るようにしてください。それと匿名性を取るためにここのスレッドでは名前が『名無し』に固定されます。暴言、荒らし等しないようにお願いします。


490. 名無し

エクスやばくね?今のところチーム対エクスでも勝てる気がしないんだけど。


491. 名無し

まあ言ってしまえばステータスの暴力だからね。完全にエクスさんの努力の結晶だよ。


492. 名無し

その努力がずば抜けてすごいんだけどな。


493. 名無し

でも何よりスキルの使い方が上手すぎるんだよなぁ。特に現状最強の『静謐』系統のスキルの使い方よ。相手も弱くはないし、なんなら最上位なんだろうけど相手が悪すぎたね。


494. 名無し

エクスに勝てる相手が出てくるのかだよなぁ。


495. 名無し

そんなやつ居んの?ww


496. 名無し

エクスの弱点を突けば何とか五分五分くらいじゃない?それでも時間かけたら勝率下がるだろうけど。少なくとも決勝には行くだろうね。


497. 名無し

なら問題はもう1ブロックの方か。


498. 名無し

グリモワール、秋葉灯、きんに君辺りが勝ち進みそうだけどな。


499. 名無し

まあ第2試合見て有力候補も増えそうだからな。もうすぐ始まるし見てようぜ。


⋯⋯⋯


⋯⋯⋯⋯


⋯⋯⋯⋯⋯


862. 名無し

戦いのレベル高くね?


863. 名無し

うん。敗者復活戦しても見てられるくらいにすごいいい試合ばっかり!


864. 名無し

前に出た3人はもちろん勝ってるけどリブラはなんか変じゃなかった?チート?


865. 名無し

確かに眠り状態になってから急に強くなったよな?報告しとく?


866. 名無し

いやでも彼女自身が驚いてたっぽいしなんなら彼女動画投稿者でもあるからそれは無いんじゃない?動画見る限り敵を眠らせたりもしてたから何かしらのスキルじゃないかな。


867. 名無し

なるほど、状態異常は眠り1強と思ってたけどそうじゃなくなったみたいな感じかな。でも彼女はあんまり強くなさそうだから秋葉には勝てんだろ。


868. 名無し

番狂わせ期待勢参上しました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


野球勝ちましたね!すっごい面白かった!


お読み下さりありがとうございます!

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