第3話科学?天才だって変態したい

「そろそろ事情聴取を始めようかしらっ」

「「はいよろしくお願いします」」


僕と葵は今校長室に来ていた。先程校長が言っていたように僕達は今生徒指導の事情聴取という名目でここに来ている。まあ催眠で暴走した葵と僕の戦いは傍から見れば器物破損しながらの喧嘩であるそりゃ呼ばれる。


「とはいえっあなた達になんの落ち度もないのは私が1番分かってるわっだから事情聴取という名のドキドキ私に質問コーナーの時間よっここはっ」

「はい!」

「はい葵さん元気がいい」

「なしなが狙われているのはえっちで可愛いからって言うのはほんとですか?」

「ええホントよ」

「だって良かったねなしなモテモテだ」

「変態どもに好かれて嬉しいわけないでしょーが」


ちなみにあのあと僕は葵に全裸女に襲われたことと今この学校で何が起ころうとしてるのかちゃんと教えた。

それを伝えたら葵は爆笑してた...そのことから実は信じてないんじゃと思ったのだがどうやらちゃんと信じて貰えたらしい、安心した。


「じゃあ、僕からも質問いいですか催眠で暴走する変態がいるならガチで暴走してる変態もいる訳じゃないですかそいつらってどう見分けるんですか?」

「んっいい質問ねぇっ見込んだ通りだわっ」

「全然嬉しくねぇ」

「いいわっ教えて上げましょうっ催眠被害者はねっ目がっ」

「「目が?」」

「目がはーとになるのっ」

「んなありきたりな」

「いやあなたは1度見た事があるはずよっ」

「ウーン」


僕は必死に頭をひねる、うーん、うーん


あ!


「思い出した!確か催眠中の全裸女の目がハートになってた!」

「でしょ?それにこれを見分けるのは意外と大切なのよ」

「え?」

「まずひとつはクワトロハンドは催眠被害者限定にいよう可能な医療器具だから、メスだって手術の時使っても罪に問われないけど殺人に使えばもちろん捕まるわよね?それと同じよ」

「つまり変態が目の前にいてそいつが本当に変態か催眠被害者の変態かどっちかを見極めるために持ってこと?」

「そうっそして2つ目はっ


キーンコーンカーンコーン


「あらもう時間?とりあえず今日のところはおふたりとも帰りなさい、あとは明日...は時間が無いわね来週の放課後としましょうか」

「「はーい」」


その後僕達は学校を出て帰路に着いた、ちなみにバスは笑えないくらいで満員で乗る気はしなかった。


「まさかなしなが変態退治をすることになるなんてね」

「びっくりしたよ僕も...まさか変な機械片手につけて戦うことになるなんて思ったこともなかった。」

「ホントに人生って不思議だねー!」

「だねー」




「なしな...無理だけはしないでね」


その一言で葵がほんとに僕のことを心配してくれていることが分かる...


「うん、勿論!」

「なら良かった!」


ニコッと葵は笑う、こういう彼女みたいな素敵な笑顔を僕は守らなければ行けないのかもしれない、そのためのクワトロハンドなんだから...



翌日


「お昼の時間だー!」


特に何事もなくお昼の時間まで過ごせた...今まで変わらない日常にやや拍子抜けする。まあここ2日がおかしかっただけでこれが普通ではあるんだけど...まあそんなことを考えるよりお昼ご飯だ!取り敢えず屋上で食べよう


「葵ー屋上で食べよー」

「え!?」

「「「「え!?」」」」


場が一瞬凍りつく...なんで?


「おいおいおいあのツンデレのなしなが葵を食事にさそったよな?」

「マジかよ俺まだ死にたくねぇって」

「やっぱ先日のあの事件の影響かー」

「欲を言えば顔赤らめて欲しかったな」

「クソっ絵面だけ見れば百合なのに!絵面だけ見れば!」

「はいはい変態百合豚さんは純愛の素晴らしさを学んでいなさい」

「あんたらどうでもいいから飯食べるよ(頑張ったね葵)」


なになにあいつらの物言いたまには僕が誘ったのがそんなに珍しいか!てか一部の奴らは性癖を晒すな!今そう言うの結構敏感なんだよこっち


「なっなしな!」

「ん?」


葵が僕に声をかけてくる。そうだ葵、葵がいつも通りの対応してくれればアイツらも少しは落ち着くだろ


「えあああえええっとととわっ私でよければ!いっしょしょしょにたべよよよよ」


なんで!?なんでそこまで緊張する必要があるんだよ!全然しなくていいじゃん!


「うん、別にいいから誘ったんだよ」

「「「「「「うぉぉおおおおお!」」」」」」


なんか謎の一体感が生まれてる!?


「じゃあ!早速行こ!」

「うん!」


まあいいか取り敢えずこれで誰にも話を聞かれずにあの事を話せる。そう思っていた矢先


「葵さーん、呼び出しに来ましたー」

「え」


そうして葵は先生直々の呼び出しにかかり職員室へ行ってしまった。ちなみに葵は限界まで抵抗したものの必殺先生体罰パンチの1発でノックアウト、そのまま引きづられて行った。


「結局1人で食事かー」


たった1人で食事というのもかなり寂しいなと思う。

やっぱり葵みたいな存在は大切なんだなと少し感慨深くなってしまう。


「食ったらあっち戻ろ、いや戻っても暇なんだよなーこんなんなら小説の一つや二つ持ってくれば良かったか」

「なんだ暇なんだ」

「え?」


上からなんか声がするそう思って上の方を見てみると...

白衣を着た女子が塔屋の上に座っていた。赤と青のツートンカラーの髪にスラッとしている体、多分科学の先生とかではないと思う。この学校にここまで綺麗な先生はいない気がする。


「あのー危ないですよ?」

「ああこりゃ失礼...今降りるよ」

「はい?ってええ!?」


そういうと彼女は勢いよく塔屋から飛び降りる

僕は思わず目をつぶる。

トン...と静かに音が鳴る、その後僕は恐る恐る目を開ける

すると、彼女は僕の目の前まで顔を近づけていた...

そして彼女目は...ハートだった


「うわぁぁ!」


僕は一瞬めちゃくちゃ身構える...汗もが頬を伝う感覚がやけに強く残る


「ふふっ面白いぐらい驚いてるねえ...ASEもいい調子だ」


彼女はふふっと笑うと顔を離しくるりと回りながら話し始めた。暴走して...ない?僕はとりあえずっと一安心する、どうやら催眠にかかってる訳では無いみたいだ。


「いやー済まない、いくら声が女性的とはいえ口調や立ち振る舞いから男だと思ったのだがよく見ればフランス人形みたいに整った丹精な顔立ちにさらさらしている銀髪と透き通った青い目、よもやこれで男だと言うわけもあるまい、失礼な勘違いをしてしまった。反省する」

「いや合ってるよ!男だよ!」

「え?」

「僕は虹風なしな!ほら身分証明書にもそう書いてあるでしょ!」


僕は常に身分証明書を持っている、よく女の子に間違えられた時これを見せるのが1番信用してもらいやすい方法なのだ。こんな風に


「ああ、にわかには信じ難いがどうやら君はガチで男の子らしい、いやこの場合は男の娘と言った方が良いだろうか?」

「んな気遣いはいらん」

「そうか了解した、それはそうと君は誰なの?急に顔を近づけてきたりして」

「ああ自己紹介が遅れていたね私の名前は科林洋香(かばやしようか)一応科学部部長だ、と言ってもあと1人いるだけなんだがね。あと一応君の先輩だ」

「うちの科学部って確かなんかすごい大発見をしたところじゃ...オルトなんとかっていう」

「オルトニキシムだね、遺伝情報の書き込みにおいて非常に重要な役割を持つ細胞だ、私が発見した」

「すげぇぇぇ!」


最初はやばい人かなって思ったがもしかしたらすごい人なのかもしれない!


「そして今はASEという物質を研究してる」

「ASE?」

「そう、これからの人間の生活に欠かせない物質でね、人間から出てくるものなんだ。それも人間が一定以上の温度の場所いることや緊張が極限状態でないと出てこないんだ」

「おお!なんかかっこいい!」

「だろう?科学はかっこいいんだ」


こんな凄い人が近くにいたなんて知らなかった...それにしてもオルトニキシムか、上手く使えば超人になったりできるのかな?


「それで、ここだけの話君にお願いがあるんだ。」

「お願い?」

「そう今うちの部ではASEが決定的に不足していてねその入手に協力して欲しいんだ。是非科学の発展のためだと思って協力して欲しい。」

「科学の発展の為...」


これはもう考えるまでも無いだろう、行くに決まってる!科学の発展の為の協力なんてなんかヒーローっぽくてサイッコーだついくしゃっと笑っちまう。


「わかりました!協力します!」

「そうかありがとう、今日の放課後科学準備室に来てくれ、鍵は空けておく」

「分かりました!」


そう言い残すと洋香先輩は颯爽と階段を下り、自分の教室へと戻って行った。顔を急に近づけてきたところ以外全部カッコよかったなー。

その後お昼の時間の終わりを告げるチャイムがなったのだが僕がお昼を食べれていないのを思い出したのはそのタイミングだった。


「ってことがあって、今日の放課後ちょっと科学部の方に行ってくる」

「大丈夫?それ?目がハートだったんでしょ」


なしなは意気揚々と話しているが、私にはどうしてもなしなを言葉巧みに騙しているようにしか聞こえない。


「大丈夫だって!催眠されてた人は理性もなく暴れるはずだし、洋香先輩は暴れてるどころかミステリアスですごくかっこよかったんだよ?催眠なんてされてないって、目のハートは多分そういうコンタクトとかなんかだよ!」

「ミステリアスな人がそんなコンタクトするかなぁ、まあ私は実物を見たわけじゃないしなんとも言えないけど、なしなほんとに危なくなったらすぐ逃げてくるんだよ」

「ほんとに大丈夫だよ、ほら僕にはクワトロハンドがある訳だし」

「だったらいいんだけどさぁ」


なんか心配なんだよねぇ



放課後


「すいませーん!」


僕は科学準備室の扉をノックし呼びかける

すると


「はいはーいってなしなくんか...よく来てくれたね」


ドアを開いて洋香先輩が出てくる。先輩の赤と青の髪のうち赤い方の髪がアホ毛のピンとたっているのがやけに印象的に感じる。


「さあ入ってくれ」

「あの...一応聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

「ん?なんだい?」

「洋香先輩ってなんか変な趣味とかもってます?」


いきなり失礼すぎる...一応警戒しとくようにと言われたからなんとなく質問したのだがさすがに失礼だったか...


「あははっ君は変な質問をするなぁ別に変な趣味は無いよ」

「そうですよねすいません」

「いいからさっさと終わらせようか」


良かった...怒ってないようで安心した。特に暴走してる訳でもないしほんとにただの考えすぎな気だろうきっと、僕はそう答えを出すと洋香先輩につられて部室に入って行った。




校長室


「校長先生!今すぐ聞きたいことが!」

「エエっ!急に入って来ないでびっくりするわっ!」

「すいませんそれよりも!」


やっぱり心配になった私は校長室へ向かい、校長先生に話を聞きに来ていた。聞くことは勿論催眠されてる人をなぜ見分けなきゃ行けないのかの2つ目のりゆうである。


「それは...まずいわねっ完全に潜伏タイプに騙されているわねっ」

「潜伏タイプ?」

「潜伏タイプっていうのは名前の通り催眠にかかってもかかっていないような素振りをする奴のことよっ15人に一人の割合くらいで出てくるわっ」

「レアケースってことですか」

「そういう事ね」

「ちなみにそいつらは性癖を爆発させて暴走とかはしないんですか?」

「いえ、勿論するわっそのための催眠だものっ相手が身動き出来なくなったりしたらっ爆発を始めるわっ」


待てよ?だとしたら...


「なしなが危ない!」


クワトロハンドがあるから大丈夫とかほざいていたけど、すっかり油断しきっているなしなには何を持たせていても意味は無い...早く助けに行かなくては!





科学準備室


「んっここは...」


急に後ろからすごい衝撃が来たと思ったらそのまま気を失ってしまっていた...


「てかなんで手錠が僕の腕に?」


気づいたら僕の腕にには手錠が着いていた


「おっ目を覚ましたからな?」

「洋香先輩?」

「やぁこれから実験をはじめるよ?」

「え?」


そう言うと洋香先輩は僕に向けてストーブを当て始める


「あつっあっ」

「さあさあどんどんASEが出てくる!」


どんどん僕の体から汗が漏れ出てくる当たり前だ、5月真っ只中に僕はストーブを当てられているのだ


「さあーASEを摂取しようか」


洋香先輩は僕に近づいてくる...でも一体ASEってなんなんだ??僕は汗しか...あ!?

〈人間から出てるものなんだ。それも人間が一定以上の場所にいることや極限状態でないと出てこないんだ〉

これまんま汗の説明じゃねぇーか!騙された!てかASEって汗じゃんまじでそのままじゃん!


「さあいただきます」

「ひゃっ」


ベロォっと汗をかいた喉元を舐められるなんとも言えない不快感ととてつもない恐怖心に身体が強ばる


「やらっやめろォ!」

「うへへへへぇここか?ここがええんだろ?」

「うっくぅ」


やばい、べろべろ舐められすぎてこれが快感に感じてくる...

嫌だ...堕ちたくない、メス堕ちだけは嫌だ!

クソっクワトロハンドさえ使えれば...

ガッシャアアアアアン!!


「なしなああああ!助けに来たよ!」


ドアをぶち破って僕を助けようとするその声の主は...葵だ!


「あおいいいい!」

「もう!だから言ったじゃん!注意しとけって!」

「なんだ私のじ...研究の邪魔するな」

「今自慰って言おうとした絶対言おうとした」

「言ってない!言ってない!」

「おりゃあぁああああ」


僕が先輩と口論してるとすぐさま、葵が先輩に殴り掛かる


「うおっ」

「今だ!」


先輩が避けた隙を狙い僕の手錠を破壊する、自由になった僕はすぐさまクワトロハンドを腕に取り付ける


「なんだそれは!?」


先輩は動揺しながら薬をぶん投げてくる、この人ヤバいんだけど!


「うおっはっわっ距離が取れねぇ」

「ちまちま避けるなー!」

「避けるわ!」


でも近づける何かが無いと


「お困りのようねっ」

「「校長!?」」

「ハートのスイッチを押しなさい!」

「OK!」


【ハート!!マグネ!!ストライク!!】


「えっうわっ」


急にすごい勢いで引き寄せられてくる...僕が


「なんでぇぇえ」

「そのモードの磁力はね超ネオジム磁石の100倍なのよだから制服の鉄のエンブレムにすぐさま反応するわっ急いでダイヤにしなさい」

「クソっごめんなさい!」


【ダイヤ!!エレキ!!ストライク!!⠀】


僕は先輩の頭をつかみそのまま電撃を浴びせる


「あああああああああああぁぁぁ」


断末魔をあげて倒れ伏せる先輩


「これで終わりか...」

「いえっまだよっ」

「え?」

「私がここへ来た理由それはね?」


なんか嫌な予感がして頭からダラダラと嫌な汗を掻く


「潜伏タイプは基本ツーマンセルで行動するからなの」

「ま?」


汗かよだれか僕の額に液体が通るのを確かに感じた...


次回予告!


潜伏タイプはツーマンセル?じゃあもうひとりは誰なのどこの誰なの?溢れ出す嫌な予感になしなの汗はだっらだら!また舐められるの?そもそもASEって呼称何?ヤバいモノ感半端ないよ?募る疑問はまた次回!


次回 科学?ASEは程々に


お楽しみにー

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