Dog on the sofa:十二月

Dog on the sofa:十二月 前編


 昔から、よく眠る子だった。らしい。

 赤ちゃんのときも、夜泣きもほとんどせずにお腹が空いたときだけ泣くばかりで、あまりにもよく眠る。

 死んだように眠る私を心配して、母や祖父が様子見で抱き起こしては大泣きされた、とは祖母の談。

 中学生になるまでは夜九時には布団の中。

 高校生――少し荒れていたあの頃でさえ、日を跨ぐまで起きていたことなんて、一度もない。

 十時間は睡眠を取らないと満足できなくて、なんとなく、むしゃくしゃする。

 かといって、足りなくても睡眠不足に陥って、昼間に眠くなるというわけでもないし、病気とも違う。

 ただそういう体質、ってだけだ。

 大学生、社会人と時を重ねて、経験を経て、大人になってからもそういうところは変わらなくて、当時の恋人なんかとはそれが原因でケンカしたことや、別れに繋がったこともあった。

 ちょっと無理をして残業して、翌日ずいぶんと不機嫌が顔に出てしまっていたのだろう。入社一年目の私に、上司が気を遣って「体調、悪そうだから今日は仕事やめておこう?」などと上目遣いで言ってきたときは、申し訳なさと自分の不甲斐なさで落ち込んだ。

 拗らせて、一夜かぎり、なんてオトナの関係に憧れたこともあったが、なんのことはない。いい感じになった男の人だって夜の九時には家にいる女なんて相手にしたくない。

 今思えば、それで助かった。

 当時、寄ってきた男の人なんて碌でもない人だったってわかるから。

 色々あったし、悩んだ。

 だって、人より眠るってだけでこんなに苦労するんだもの。

 眠るのは何より幸せ。

 そう思えたのは、たぶん中学生の最初までで、そこからは人との違いがはっきりと意識できちゃったし、寝てる時間がもったいないと思うこともあったし、何よりそれで責められることが増えてきてイヤだった。

 結果生まれたのが、眠らなくても不機嫌、眠っても不機嫌、いつ見てもムスッとしている不細工ちゃんの完成だ。

 それでも、生活や容姿には気を遣っていたし、仕事を疎かにすることはなかった。

 友人たちや同僚、上司にも恵まれて、何も言う事のない人生だ。

 ただ、こんなに眠い日々が当たり前になっていたのだけは、心の隅で、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、不満だったんだろうけど。

 

 そんなとき、彼に出会った。

 初めて会ったのは、ぜんぜん乗り気になれなかった人数合わせの合コンもどき。

 だって、五時に退社、七時に待ち合わせ、翌日は九時出勤だから八時には家を出たい。となれば夜十時に寝ても、満足に眠れない。

 帰って全力で寝る準備をしても一時間は掛かるわけで。

 大学時代の友人に、「一時間だけでいいから!」と言われ、まぁそれなら、と安請け合いした自分を恨む。

 ちょっとだけ、素敵な出会いがないかな、と期待していたこともある。

 合コンに来るような人が自分の好みじゃないのはわかっていたけれど、それでも当時、私はなにかきっかけでも求めていたのかもしれない。

 というわけで、淡い期待を1%未満で持ちながら、スケジュールをこなすが如く機械的に準備して、面接の如く自己紹介して、AIの如く会話していた。

 遅れてきた彼は、一番最後にやってきた。


 広告代理店に勤めるという彼は、顧客の無茶振りにどう足掻いても納期ギリギリな中、なんとも無茶をしていたらしい。

 慌ててつけてきたであろう曲がったネクタイや、羽織りもしないで肩から引っ提げた上着、なんといってもひどいのはその顔だ。

 私よりも、歳が十も離れていた彼は、どう考えても徹夜続きのげっそりとした顔で、目の下にはひどい隈。

 顎の無精髭は剃り忘れたのか、気になるのだろう、しきりに手で撫でては申し訳なさそうにしている。

 それでもって、魚の死んだような目、というのはこういうことを言うのだろう。

 まるで生気を感じられないような黒々とした瞳が、寝不足で腫れぼったい瞼に圧迫された隙間から覗いている。

 でも、彼は笑っていた。

 仕事が楽しくて仕方ない、と。

 それでも友人との約束に遅れるわけにはいかないから頑張ったんだけど、この時間になってしまった、って。

 友人や私たちには心底申し訳なさそうに謝った。

 そのときは、もう泣き出しそうなほどに申し訳なさそうな顔をするもので、私たちは思わず笑ってしまった。

 彼の友人で後輩だという男の子は、女の子と遊のが得意そうな、正直、ちょっと軽薄そうで苦手なタイプだったけど、その子も他の人も、みんな、彼が来たら一気に男の子に戻ってはしゃぎ始めた。

 なんでも、仕事はできるし誠実だし、頭はいいし、見てくれも悪くはないし、尊敬している。

 そんな兄貴分な彼にはなんとも幸せになってもらいたいらしい。

 さっきまで、俺が俺が、と躍起になっていた人たちが息を揃えたように、こういうことがあって助けてもらった、ああいうことがあって相談に乗ってもらった、などとエピソードを添えてくる。

 それも、あまりにも露骨というか、なにか画策しているならもっとうまくやるだろう、とわかるような、本当に子供のように語るもので、私たち女性陣はもはや母性で微笑んで見守るしかないという、特異な状況だ。

 その空気を察したのであろう、さすが年の功、彼は居た堪れなさそうに、あっちの話を聞いては相手を立て、こっちに話を振っては相手を立て、といった具合だ。

 それでも嫌な顔はせず、疲れているだろう顔は終始笑顔で、心底楽しそうに話している。

 しかし、どうにも限界だったのだろう。


「ごめんね、ちょっと煙草吸ってくる。」


 と、申し訳なさそうに席を立つ。

 男性陣も、ちょっとはしゃぎすぎたのを自覚したのか、着いて行く人もおらず、見送った。

 仕切り直しとばかりに、彼の後輩という子が別の話題をおもしろおかしく話す。

 そんな中、私は、なんとなく、そう、本当になんとなく、席を立った。

 お花を摘みに、なんて言わなくてもバッグを手にもっただけで、「お気をつけて」などと冗談まじりに見送ってくれるのを考えると、やっぱり何か画策しているわけでもなく、さっきまでのは素だったみたい。

 友人たちも、疑う様子もなく私が化粧直しに行くと思っているようだった。


 お酒のせいか、さっきまで楽しく笑っていたせいか熱をもった額に手を当てる。

 冷え性の自分の手が気持ち良くて、思わず足を止めて、ふう、と一息つく。

 ふらふらと、なんてことはなくしっかりとした足取りで、火照りを冷まそうと、喫煙所に向かった。

 二、三人入ればいっぱいになるだろう、ボックス型の喫煙所の中に彼はいた。

 先ほどまでの楽しそうな表情から一転、まるで氷のような冷たい眼光は見つめる壁どころか空気まで凍てつかせるように冷たい。

 猫背になって、咥えタバコで棒立ちする彼は、くたびれているような、思考も何もかも投げ出しているのだろう、「今、休憩中で死んでます」って体現しているかようだ。

 じっ、と見つめていると、こちらに気付いた。

 一瞬だけ、ハッと目を開いて驚くと、こっちに向き直って、ニッコリ、というか、ニヘラっと笑った。

 それがもう、おかしくておかしくて。

 だって、実家の隣に住んでた幼馴染のところの飼ってる、大きなゴールデンレトリバーみたいだったんだもの。

 思わず吹き出して、顔を背けて口を押さえて、笑ってしまった。


 「どうしました!?具合、悪いんですか!?」


 急いでタバコを消して出てきた彼は、慌ててそう言った。


「違うんです。おかしくて。」

「えっ?あ、よかった。体調悪いのかと…」

「違…ふふ、もう。」

「え?」


 そんなやりとりが、本当に犬みたいで、駆け寄ってきて、いつもと様子の違う人にあわあわと慌てる大型犬のようで。

 私は笑いのツボに入ってしまって、声を抑えられなかった。


「いいから、一本吸うので付き合ってくれませんか?このお店、雰囲気はいいけど、一人でいると変な人が寄ってきそうだから。」

「あ、はい。」


 言われるがままに、ドアを開けて私を先に通してくれる。

 なんとも紳士だ。

 バッグから、さして減ってないメンソールのタバコを咥えると、タバコの箱を閉まってライターを探す。

 すると、ぬっ、と下から手が伸びてきた。

 そこには簡素なコンビニライター。

 ちょうどいい高さで止まると、カチっと音がして火がつく。

 くっと顎を上げて、咥えたタバコを近づけると、それに合わせたように、すっと近づいて灯してくれた。

 ホストか。――行ったことはないけど。

 随分、手慣れているな、と思って、ここまで来たのは軽率だったかな、なんて考えを頭によぎらせながら彼を見る。


「ありがとうござます。」


 もちろんお礼は忘れない。例え手慣れていようと、善意は善意だし、嬉しいものは嬉しいのだ。

 と、そこには少し緊張した面持ちの彼。

 なんとも不意打ちだった。まるで、『待て』された犬のようで。

 頬が緩むのを感じながら、「吸わないんですか?」というと慌ててタバコを取り出す。

 今度はこちらが着けてあげようとすると、慣れていないのだろう、咥えたタバコに手を沿えて、ずずいと火に寄ってくる。

 こっちだって人のタバコに火を着けてあげたことなんてないし、おでこが焼けちゃうと思いながら慌てて手を引っ込めた。

 そういえば、誰かのタバコに火を着けたことなんて、ないな。

 なんとか火は灯ったらしく、彼は深く深呼吸するようにして、目一杯、天井に向かって煙を吐いた。


「すいません。火をもらうのに慣れてなくて。」

「あげるのには慣れているのに?」

「やってあげると喜んでくれますから。喜んでもらえるのは嬉しいです。」


 あら?タバコを吸っている女性が好きとか、そういうフェチの類かしら、なんて思っていたら、


「あ、後輩達にですよ。特に、さっき騒いでた、あいつ。」

「ああ、なるほど。」


 察したのか、訂正され、妙に納得してしまった。さっきのあの子なら、それはもう踊る勢いで喜ぶだろう。『調子』って箱があれば何段も重ねて飛び上がりそうな人だったし。


「タバコ、お好きなんですか?」

「いえ、嫌いです。」

「え゛っ?」


 意地悪だなぁ、と、自分でも思いながら、質問に答えた。素っ頓狂な彼の声と驚く様が楽しくて、またクスクスと笑ってしまう。


「付き合いで吸う程度なんですよ。本当は。でも、いっぱい笑ったせいか暑くて。喫煙所って換気が効いてて涼しいじゃないですか。」

「ああ、なるほど。さっきはすみません。うちの奴らは話し出すと止まらなくて…ましてや私のことでお恥ずかしい…」

「謝らないでください。楽しかったんですから。あ。あと、タバコに火を着けるなんて、私、したことなかったんですから。」


 何を言っているんだろう。少し調子がずれている気がする。こんな言い方をすれば勘違いが生まれたり、よくない。

 なにか焦っているのか、頭がぼーっとして回らない。

 ニコチンが身体に巡っているせいだろうか。


「…寝不足ですか?」

「ふぇっ?」

 

 思わず、変な声がでた。

 昔からの友人や、会社に入ったばかりのころに関わっていた人達ならいざ知らず、今の私を見て、寝不足かどうかなんてわかる人なんて本当に限られる。

 それくらい、最近は擬態を完璧にしていた。

 それなのに、この人は。

 

 「気になってたんです。その…最初にきた時から。あぁ、この人、眠いんだろうなって。」


 あっけらかんと、続ける彼。


「楽しそうにしてくれてるし、この人もきっと友達に呼ばれて、友達が大事で来たのかな、なんて。すいません。当てずっぽうでこんなこと。」


 なんとまぁ、よく見ているものだ。


「…そんなに眠そうでした?確かに今はぽやぽやしてますけど。」

「いえ、なんとなくなんです。時々、何かを思い出したように目を細めて、ふと止まる、というか。」


 …本当によく見ているな。気持ち悪いくらい。

 私はこの時、どういうわけか――きっとアルコールとニコチンのせいだったのだろう。

 自分のことを語り始めていた。


「私、ロングスリーパーなんです。病気とかではないんですけど、十時間は寝ないと本当に生活がきつくて。」


 彼は、また大きく深呼吸するようにタバコを吸うと、続きを促すように頷いた。


「だから、本当は今日、乗り気じゃなかったんです。安請け合いしたなって。こんな体質だから恋愛もうまく続かなくて。きっとどこかで、そういう人でもいい、って人を探してるんだろうなぁ〜…」


 我ながら、わざとらしい。何を言っているんだろう。初対面の人に。

 残念ながらどうにも容姿は好みではないし、特にまだプライベートで関わっているわけでもない。

 連絡先の交換も、するつもりもなければ、よくあるであろう『この後』なんてまっぴらごめんだ。

 それでも、妙な安心というか、言ってもいいかなと思えるくらいには、彼はそういう雰囲気を纏っていた。


「寝たいときに眠れない。自分の時間を制限されるというのは、疲れますよね。」


 言われて、心臓が高鳴った。

 そうなのだ。何より不満なのが、これ。

 私は人より、よく眠る。

 でも、一日は二十四時間しかない。

 なにかに関われば関わるだけ、時間は割かなければいけない。

 寝なければ、自身のポテンシャルを発揮することも、満足に行動することもできない。

 仕事から帰った日なんて、趣味の類は一切できない。

 休みの日でも、自分のための時間なんてほとんど取れない。

 今の仕事が好きだし、仕事を頑張れている自分も好きだから、なんとか頑張っている。

 実は趣味が多い私は、やりたいことはまだまだたくさんある。

 それを思い出したとき、ふと、「なんでこんなことしてるんだろう。」なんて思うときがあるのだ。

 この人は、そういうところを見抜いたんだろう。

 そんなことを思ったら、どうにも口が回り始めた。


「やりたいこと、たくさんあるんですよ。料理も好きだし、家事も好き。掃除なんて毎日したいのに、一週間に一度しかできない。映画も好きだし、縫い物やハンドクラフトもしたい。運動もしたいし、資格の勉強もしたい。そりゃあ、そこそこやってますよ。いい加減、もう二十年以上になる自分の身体ですから。時間の使い方だって、いくらか上手くなったんです。」


 それでも…そう、それでも。


「それでも、他の人はもっと時間あるんだよなぁ、って。」


 わかっているのだ。誰だって、時間が足りなくて、それでもがんばって時間を作って、上手くやっている。

 それでも、この体質のせいで、人より時間が短い気がする。

 世界で私だけ、ってことはないだろうが、いかんせん、こういった体質の人は私の周りには私だけだ。

 だから、自分だけ一日が二十時間しかないような、なんとも損をした気になるのが、たまにある。

 最近は、忙しすぎて思う暇がなかったのだろう。

 でも、この調子だとずいぶん溜まっていたんだ。

 私が気付かないうちに。どんどんと。

 話しながら、気付けてよかった、と思う。

 と、その時だ。

 

「では、帰って寝ましょう。」

「はっ?」


 また変な声が出た。なんたって唐突なのだ、この人は。


「今日は楽しい時間を過ごしました。あなたはどうですか?」

「楽しかったですよ。あんなに笑ったの久々だったし。」

「では、心残りは?」

「…帰っていいものか、というのと、ちょっとこの後、みんなで楽しくやるんだろうなあ、って。」

「この後は、きっと先ほどよりは楽しくありません。ネタをバラしてしまいますが、女性慣れしているのは、先ほど一番騒いでいた後輩…高橋だけですので、他は高橋の話題に乗ることしかしません。それでもあの手この手で女性の気を引こうとするでしょう。大体、そのパターンで飽きられて撃沈するのに、経験を積ませてやりたいなどと高橋が言ってました。それをあなたは楽しめますか?」

「はあ…それは、そんなに楽しくないですね。」


 何を言い出すんだ、この人は。

 ていうか、ネタバレって。

 あなたも相当、女性慣れしてそうだけど。

 あと、なんとなく、その高橋くんってのが気に入らない。友達思いなのかもしれないけど。

 あまりの言いっぷりに呆気に取られて、ツッコミも忘れて頷いてしまった。


「そのためにイジられ役として呼ばれたのが私です。どうにかこうにか、そこそこに場をならすのは得意ですから。女性陣に失礼なのは重々承知ですが。」

「そのために、そんなに疲れているのに?」

「…すいません。止めてもやるものですから。助けを求められるのも嫌ではないですし、せめてもの罪滅ぼしというか…。」


 そう言って、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに頭を掻いている。

 お人好しというか、苦労性というか。

 たぶん、きっと、大体、高橋くんが悪い。

 ようはあれだ、この合コンもどきは高橋くんがうまく他の男の子達を「場慣れ」させるために仕組まれたもので、鼻っから花を持たせるのは他の男の子達と決まっていて、女性陣のことなど一切考えていないのだ。

 そう考えると、私の友達が利用されたようで腹も立ってくる。

 が、彼女達も「なんか男の子にちやほやされたい。」というところはある。

 私だって、心の底では「なんかいい人いないかなぁ。」くらいのことは考えてただろう。

 それでも、そんな夢見る乙女でもあるまいし――合コンもどきな時点で夢も何もないが。

 まぁ、なんにせよ、狐と狸の化かしあいなのだ。所詮、男女の出会いなんて。

 いや、ここまで行けばバカ試合か。そう思うことにした。


「不愉快ですよね…?」


 伺う彼は、また大型犬のようで、どうにも。


「いえ、まぁそんなもんだよなぁ〜って。」

「そんなもんです。」

「そんなもんですか。」


 なんとなく、すっきりしたのはなんだろうか。


「では、帰って寝ましょう。みんなには、酔いが回ったとでも言っておけば大丈夫でしょう。差し支えなければ、伝えるついでに荷物を取ってきますよ。」

「…はい、そうします。」


 なんだか、頷いてしまった。

 返事をするや否や、彼はタバコを押し消すと、さっと喫煙所から出て、数分経たないうちに戻ってきた。

 手には私の上着と、彼の上着。

 私も喫煙所から出ると、彼は流れるような動作で上着を着させてくれる。

 残った彼の上着を不思議そうに見つめると、それを察してか「駅まで送ります。」と答え、先導し始めた。

 執事の経験でもあるのか。

 悪くない気分でエスコートされ、会話もまばらに駅につくと、別れ際に彼は言った。


「色々なお話が聞けて、楽しかったです。お気をつけて。おやすみなさい。」


 おやすみなさい、と返して改札口を通る。


 その日は、久しぶりに自分のことを話したせいか、何も考えることなく久々にぐっすりと眠れた気がする。

 翌朝、目が覚めて、すっきりとした気持ちでスマートフォンで時刻を確認すると、アラームの鳴る前だった。

 友達から『付き合ってくれてありがとう!身体、大丈夫?』と連絡が来ていたので、『おはよう。大丈夫。楽しかったよ!』とだけ返しておいた。

  

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