1 公爵家の探検
第1話 怪しい人になっちゃったかもしれない
任務で殺されたと思っていたのに、私は一体...
「…うぅん」
「シルお嬢様、大丈夫ですか?」
と心配そうな声がする。
シルお嬢様って誰?
頭が痛い...ガンガンする。違う、私はシルなんて呼ばれたことはなかった。なんて呼ばれていた・・・私の名前は....
◇◇◇◇
パッと目を覚ました。
思い出した、私はシルヴィア・
『・・・』
周囲を見渡すと、中世ヨーロッパ時代ぐらいの豪華な室内で自分はベッドの上にいた。お金がある家なんだな。
ふと、鏡を見ると外国人にしか見えない自分がいた。
ダークブロンドで青色の瞳。目に違和感があるけどまあいいっか。ぱっちりとくりくりした目にふっくらした唇。そして、6歳ぐらいの体型。
―ちょっと待ってっ、目が青くなってるし小っちゃくなってるんだけど!!
もう一回死んじゃったっていうのに諜報員だったときに当てはめちゃってるなぁ。流石にこの家では変装する機会なんてないと思うけど、怪しいんだよね、これが。
まだ、小さいからそれぐらいの人しか分からなかったんだろう、たぶん。
今はシルヴィアの記憶と前世の自分の記憶が上手く混ざっているからそこらへんのことは大丈夫だけど、反応や動きが今までのシルヴィアじゃない。
つまり、だ。私は家族から見て、シルヴィアちゃんの記憶を持っていて体を乗っ取っている怪しい人なのであるっ!!もう一度、言う。怪しい人なのだ!
しかも、シルヴィアちゃんは普通の子と違い、頭が良くて賢い幼女だったみたいである程度のことは会話できていたみたいなのである。胎内にいた時からの記憶もあるのが影響されたらしいが。
どんな幼女だぁぁぁー、どこにそんな子がいるんだよっ!バレたらどうしよう...
そんなことを考えていたシルヴィアだったが、足音がきこえてくると直ぐに眠ったふりをした。
「失礼します。シルお嬢様起きられましたか?」
運悪く、対策ができる前に人がきてしまった。諜報員として変装してきたシルヴィアも流石に6歳ぐらいの幼女にはなったことがない。かつて、仲間の間でトップレベルと言われたシルビアでも絶体絶命大ピンチが訪れたのであった。
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