第6話 夢のタワマン

「で、でかい...」


 優菜は建築物を見て圧感した、それはどう見てもアニメやドラマで見る権力者や大富豪が住んでいいそうな俗に言うタワマンだった。


 「本当にここで間違い無いの?」


 「は、はいここが引越し先のマンションです。」


 政典からとてもいいマンションだとは聞いていたけどこんなすごいタワマンだとは思ってもいなかった。金持ち恐るべし。


 あまりの凄さに驚いているとタワマンの中から高そうなスーツに身を包んだ綺麗なお姉さんが出てきた。


 「鳳条優菜様に、七瀬エリナ様、ようこそおいでくださいました。私はこのタワーマンションの管理を任されております。宮澤と申します。お話は政典様から伺っておりますのでさっそくお部屋にご案内します。」


 そう促されると優菜たちはタワマンの中に足を踏み入れた。


 まず入り口から入って出迎えてくれたのは、落ち着いた雰囲気がありつつもしっかりと高級感を感じさせるロビーだった。


 そしてロビーを進むと大きなエレベーターが現れた。宮澤さんが上行きのボタンを押してからしばらくすると重厚感のある扉が開いた。


 宮澤さんが「どうぞ」とうながしたので優菜とエリカは恐る恐るエレベーターに乗る。


 乗ったことを見届けてから宮澤さん自身も乗り込み1階から30階まであるボタンの中から迷わず30階を押す。

 

 「あの〜もしかして私たちの部屋って...」

 

 「はい、優菜様とエリナ様のお部屋は最上階のエグゼクティブフロアのお部屋です。」


 いい笑顔でさらっととんでもないことを口にする宮澤さんに驚いているとチーンという音が鳴り響きエレベーターの扉がゆっくりと開く。


 最上階は黒を基調としたとても落ち着きのある空間で廊下の脇をライトが照らしていて、とても高級感がある。


 そして廊下を歩いていくと一つの扉にたどり着いた。


 「こちらが御二方のお住まいになるお部屋です。こちらのカードキーで開けてみてください。」


 そう言うと宮澤さんがケースからカードを2枚取り出しそれぞれ優菜とエリカに一枚一枚渡す。


 「じゃあ開けるわよ...」


 「はい。」


 優菜が自分のカードキーをドアノブにかざすとピッと言う音がなりガチャと鍵が開く音がした。


 そしてゆっくりとドアを開けた。


 ドアを開けるとまず白を基調とした玄関が見えた、そこを上がり、綺麗なタイルの廊下を通るとリビングに繋がるドアがあった。


 リビングのドアを開けると一面ガラスの壁が映り込んだ。


 そこにはキラキラと輝くビルがイルミネーションのように広がっていた。


 「すごい...」


 「まさかこれほどとは...」


 あまりにも別次元すぎる光景に優菜はしばらく呆然としていた。

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