第5話

 私は、最早授業そっちのけで、思いを馳せていた。昨日、彼に私があの絵について思ったことを話したとき、肯定も否定もしなかった。それは、彼の「自分の口で語りはしない」とという考えに則ってのことであるというのに疑いの余地はない。でも、自分が苦しい思いをしていることについても、否定しなかったのだ。

 あれから彼と話をして、彼からこんな提案がされた。

「そんなにあの絵が好きなら、アンタが持ってっちゃったら」

「えっ、いいの……? その絵はあなたが大切にしているものなんじゃ」

「別に。基本置き場所なんてないし、描いても見せる奴なんて……どうすることもないから、処分するし」

「えっ、折角描いたものを捨てちゃうの! 勿体ない」

「ボクが描いたものをボクがどうしようがボクの勝手でしょ」

「それは……ん、キャンバスはここの備品なんでしょ?」

「……」

 折角いい絵だのに捨てられてしまうくらいなら、と私が少女の絵を引き受けることにしたのだった。ただし油絵なので、乾くのには時間がかかるらしく、乾いた暁には、という条件つきだが。

 ……実を言うと、あの絵を譲ってもらう約束をして、待ち望んでいたものがやっと手に入り、とても喜ばしい。ハズなのだが、どうにも何か欠けたような気でいるのだ。いや、確かにあの絵を譲ってもらえるだなんて想像してなかったし、譲ってもらえること自体、とても嬉しい。でも、何か物足りない。まさかあの絵に飽きてしまったわけでもないし、涙を描き足されて「何か違う」と心が離れた……とも思わない。ただ何となく予感はするのだ。このままでは少女の絵を見るたびに虚しい気持ちになるのだろう、と。

 それでは、あのとき少女の絵を見た私の気持ちを、自分で蔑ろにしているみたいで嫌だ。

 四限目終業のチャイムがなる。礼が終り、お昼休みだと言ってざわざわと騒がしくなる。昼飯だ――だとか、あの動画観た――だとか、他愛のない世間話を繰り広げて行く。

 私は自分の鞄をひったくるようにして、走って美術準備室に向かった。


 肩で息を切らしながら、辺りを見回す。彼がいない。というよりは、掃除用具入れに隠れているのだろう。よくよく考えれば、こんな時間に彼と会いに行っていなかったし。

 その予想に応えるように、彼が掃除用具入れからのっそりと出てきた。

「えっ、あれ、どうしたの」

 私は鞄からお弁当を取り出して見せ、息も絶え絶えながら彼に微笑みながら、

「一緒にお昼、食べよ!」

 と言った。

「え、えぇ……」

 嫌がっているわけではなさそうだが、躊躇している彼を半ば無理矢理ソファーに座らせ、お弁当を広げる。彼も渋々ながら昼食を取り出す。が、それを見て私は困惑した。彼が持っているのが、メロンパン一個と紅茶という、凡そ昼食というにはあまりにも簡素で偏食的だったからだ。

「あの……もしかして毎日それ?」

「いっつも毎日二千円渡されるから。それで三食済ませてる」

「ちょっと流石にそれは……心配になっちゃうかな」

彼の身長は、ハッキリ言うのもなんだが、かなり低めだ。昼食に菓子パンだけというのは人によってはあるかも知れないが、こんな低身長の男子高生が送ってよい食生活ではない。

「それは私が食べるから。あなたはしっかりとした食事を摂りなさい!」

 そういって、彼のメロンパンをひったくって、私のお弁当を彼に押し付ける。手作り弁当なら、栄養バランスも……人並みには考えられている。これを家族分毎日作っているのだから、母親には頭が上がらない。まあ、今日は申し訳ないがメロンパンを食べるんだけど。

「ちょちょっと、別にいいよ、そんなの気遣わなくて……。というか、アンタはいいの?」

「私は毎日食べてるから、一日くらいメロンパン一個でも問題ないわ。でもあなたが毎日メロンパン一個は問題大アリよ……。だから、気にせず食べて?」

「そ、それもそうだけど……。それさっき食べてたから齧りかけだよ?」

「ん、ああ……別にいいわよ」

 そう言って私はメロンパンを口にする。彼は顔を赤くしてわたわたとしていたが、結局仕方がないので、私のお弁当をつまんだ。

 彼が小さく「おいしい」とこぼす。そんな彼を、笑顔で見守った。

 お弁当を頬張りながら、彼は言った。

「もが、ふぉうひてひゅうにもひるもふぁいっふぁの?」

「……飲み込んでから喋りなさい」

「もが。……ん、どうして急にお昼とか言ったの?」

「ん、ああ。それは……」

 怖くなったから。焦ったから、なんて不謹慎だろうか。勝手に、黒瀬くんがいなくなる想像をした、なんて言ってしまっていいのだろうか。現に彼はすぐ側にいるのに。

 思考を巡らせ、無言でいる私の顔を、彼がふっと覗き込む。それにハッとして、「ああ、ごめん」と微笑んだ。

「ただ。……ただ、お昼はどうしてるのかなーって思っただけだよ」

「……。珍しいね、アンタがそうやって誤魔化すなんて」

 流石に、彼に隠し事はできないか。それとなく、彼に遠回しな風にして訊く。

「……黒瀬くんは、どこか遠くに行きたいと思ったことはある?」

「……そりゃ、うん、まあ。……生きることは辛いことだから。もしも楽園があるのなら、そこに行きたい。痛みも、苦しみも、悩みもない、楽園に」

「そっか」

「いつも、夢を見るんだ。ボクをからかった奴がまたバカにしてくる夢。親がずっとボクを責める夢。殴られ、蹴られ、嗤われる夢。もしも楽園があるなら、こんな悪夢を見なくても済む場所に行きたい。例えばそれが、天――」

「それだけはダメ! ……それだけは、絶対やめて」

「大丈夫だよ、どうせボクなんか地獄に堕ちるだろうから」

「私は本気で言ってるの! こんなときにそんな冗談はやめて。お願いだから、早まったことはしないで……」

「……それは、アンタの杓子定規でしょ。ボクは、望んでこの世に生まれてきたわけじゃない……!」


 彼を抱き寄せた。居ても立っても居られなかった。本当は分かっていた。彼がこの世にこんなにも失望していたことに。弁当箱が音を立てて床に落ちる。彼は私の制服の裾を掴んだ。それから、私の背中に腕を回してぐっと引き寄せた。

「嫌だよ。ずっと、辛い気持ちでいるの。嫌な記憶から逃れることができない世界。心無い人間が蔓延る世界。もう嫌だよ。赦してよ」

 脳は嫌な記憶をより忘れないように出来ている。誰も彼も、私でさえ忘れたいけど忘れられない記憶なんて多かれ少なかれあるものだ。彼の場合、それが呪いのように、その小さな体に圧しかかっている。呪いから逃れる方法と言うのは、無慈悲にも、得てして不道徳であることが多い。だからと言って、彼に自身の呪いと向き合わせるなんて、あまりにも可哀想だ。きっといつか向き合わなければならないときが来るとしても、少なくともそれは、今ではないのだと思う。私の胸の中で涙を流す少年に対して、私には一体何をしてあげられるだろうか。

「もしあなたが辛くなって、死にたくなったときは、私がいつでも抱きしめてあげるわ。そう、今みたいに。私は神様じゃないからあなたのことを救ってあげられないかもしれないけれど、側にいてあげることはできる。あなたの記憶があなたのことを否定するなら、その倍私があなたのことを肯定してあげる」

 そう言って、そっと彼の頭を撫でる。彼は私の中で声を上げて泣いた。子供のように泣きじゃくった。そんな彼の背中を、優しく摩る。宥めるためじゃない。好きなだけ泣いてほしいから。彼が、私を求めるように、縋るようにより一層強く抱きしめた。

「もし世界があなたのことを否定しても、あなたでさえあなたのことを否定しても、私だけは必ずあなたのことを祝福するわ。だから……だから、いなくならないで」

 ……きっと、本当に私が求めていたのは、彼自身だった。


 昼下がりの穏やかな風のせいだろうか、それとも、泣き疲れてしまったからか、彼は私の膝の上で眠っていた。彼を起こさないように昼食の、私が落としてしまった弁当箱等を片付ける。

 彼の目元と頬が、涙で濡れて白く煌めいている。そっとそれを拭ってみる。思えば、彼はいつも泣いてばかりだった。カッとなって私に手を上げたときも最後には泣いていたし、私に本当の気持ちを教えてくれたときも泣いていたし、絵の中でさえ、泣いていた。

 彼は涙でしか感情を表現しなかった。それしか手段はなかったのだろう。人間、痛みを感じれば涙は出る。それは心の痛みでも一緒だ。一種の生理現象なのだ。生理現象なんだ……。

 彼のまぶたがゆっくりと開かれるのを見た。目線がぼんやりと合い、彼が私を視認すると、目を真ん丸にして、あっあっと声にならない声を上げ、一気に起き上がった。

「あっ、えと、ごめん……」

「んー、何が?」

「膝枕、させちゃったから」

「全然気にしなくていいのに」

 彼は「そうじゃなくて……」と言いながら、赤面した様子でいた。やはり、膝枕をされると気恥ずかしいものだろうか。私も他人に膝枕をさせるなんてことはこれが初めてだが、嫌な気はしなかった。むしろ、不思議と心地が良かった。

「もっと膝枕してもいいんだよ? ほら、遠慮しないで」

 そう言って私は自分のももをポンポンとたたいた。それに対して彼はやはり遠慮気味に言う。

「そ、そんな、そういうつもりじゃ、ボク……」

「あ、もしかして嫌だった?」

 優しい調子で問いかけると、彼は少し俯いてから、首を横に振った。そうして、私が微笑みながら彼の腕をそっと引くと、彼は再び力なく倒れるようにして頭を私の腿に乗せた。

 目の前にある真っ黒な髪に、そっと触れる。

「どう?」

「今まで見てた景色と……違う」

「ふふ、やっぱり独りでいるのと二人でいるのと、違うでしょ」

「いや、そうじゃなくって……ボクいつもソファーで寝てたんだけど、そこから見る景色が、違って見えるんだ。……太ももの、高さの分」

 思ったよりも具体的な話だったことに、一瞬戸惑った。彼のことだから、もっと抽象的なことを言っているのかと思っていたけど。そんなことを考えていたら、

「でも……この景色は一人では見られなかったろうね……。やっぱり、キミがいるからこその景色なんだ」

 と彼は呟いた。

「……なんて、どっちもおんなじ意味なのに、意地悪なこと言っちゃったかな」

「意地悪? どうして?」

「……ううん。なんでもない」

 もしかして、わざと私の予想を裏切ったことを言ってたのかな。まあ、そんなシニカルなところも、彼らしいと言えば彼らしいのかもしれない。あまりに寂しそうに言うものだから、それどころではなかったというところもあるけれど。

 黒瀬くんの、美しく実った林檎のような赤赤とした頬が、無防備にも転がっている。それにそっと触れてみる。彼の手先と違ってほんのり暖かく、とても柔らかい。最初は撫でる程度のものが、指が沈み込んでいくほどに押し込む。彼はほんの少しだけ身じろぎするが、声の一つも発さない。自分の脈が速くなっていく。さっきの『意地悪』とやらの仕返しだ。頬から首筋へと指を撫で下ろしていく。

 首筋がこそばゆくなって、私の膝を掴みながら身構えるように縮こまった。やはり彼の手は氷のように冷たい。そんな彼の手を引っ張って、仰向けにしてみる。林檎のような頬が、更に真っ赤に燃えている。彼の視線が、横に転がった。私の顔が見れないのだろう。私もちょっと彼の顔を見続けるは辛いかもしれない。心臓がはち切れてしまいそうだ。

 彼の頬に、今度は手の平全体で触れてみる。熱い。彼はそれに驚いたように、私にフッと目を合わせてから、またすぐに外した。

 私の膝の上で力なく横たわる彼が愛おしくなる。彼の頬に当てた手をそのままに彼の後頭部を掬い上げ、自分の顔と彼の顔とをそっと近づけて……。

 私の顔に、グイッと何かに押される感触がした。見ると、彼が顔を真っ赤にしながら、私の顔を手で押し戻していたのだ。

「……そ、それは、恥ずかしいから、ダメ」

 私は慌てて仰け反った。

「あ、ああ! ご、ごめん」

 黒瀬くんはそのまま起き上がり、いつものようにそっぽを向いてしまった。恐らくそれは、照れ隠しなのだろうけど。私も、体が火照るようだ。彼に止められて冷静になった今、自分はなんてことをしてしまったんだ、と恥ずかしさで眩暈がする。

 何か黒瀬くんの視線を感じる。彼の方を見てみると、横目に自分を見ているようだった。彼と視線がバッチリ合うと、彼は一瞬俯いてから、ゆっくりと私に近づいた。

「か、代わりと言っちゃなんだけど、さ……」

 そう言うと、今度は彼が私を抱き寄せた。

「これじゃ、ダメかな?」

 突然のことに、また体温が上がる。また脈拍が速まる。でも、悪い気は全くしない。

 彼は私を強く抱きしめた。まるで私を離すまいと言うように。でも、苦しくはない。彼の絶妙な力加減に、優しさと、愛しさを感じた。

 私もそっと彼を抱き締め返す。彼との距離を、もっともっと詰めるように。

「ふふ、ありがとう。気を遣ってくれたのね?」

「……別にそんなんじゃないよ。死にたくなったから、でも、そういうときは滝原がこうしてくれるって言ったから。肯定してほしかったから」

 やっぱり、彼の歪な素直さが、とても愛しい。


「やっぱり、なんだか慣れないな。滝原には良くしてもらってるのに、でも未だにどこか恐ろしく思う」

 彼が、ソファーに浅く座りながらそういう。

「ご、ごめん……さっきの、怖がらせちゃったかな」

 彼は私の言葉に、跳び上がって慌てて繕うように否定する。

「あ、いや! そうじゃなくて……。しょうなんだよ、一人のほうが落ち着けるって。勿論、滝原がいてくれるのは、嬉しい……」

「……そっか」

「連日、滝原がここにきて、ボクの心はめちゃくちゃだ。良くも悪くも……。いつもは一人で絵を描いて心を落ち着けていたから」

「じゃあ! 私のこと描いてよ!」

 私が笑顔でそう言うと、彼は驚いたような顔でこっちを見た。その手があったか、とでも言うような表情だった。

 早速彼はスケッチブックと鉛筆を取り出す。慣れた手つきでパラパラとスケッチブックを捲ると、円い椅子に座り、私の正面に見据えるように相対する。

「あ、えと、何かしっかりポーズ取った方がいいかしら?」

「そんなに畏まらなくても。自然体でいいよ」

 自然体にと言われても、絵画のモデルになったことなんてないので、どうにも緊張してしまう。

 部屋に、紙と鉛筆が擦れる音が響く。それ以外は何もない、静謐な時間。互いに言葉を交わさずとも、心が通じ合っているような気がする、幸せな時間。なんてことのないのに、それがとても愛おしい。

 彼の顔を、スケッチブック越しに覗いてみる。そこで、今まで見ることのなかった、彼の微笑みを垣間見た。まるで慈しんでいる表情だ。本当に彼は、絵を描くことが好きなんだな。やっぱりあなたは、優しい人だ。

 しかし、彼は本当に迷いなく描き進めていく。時折チラッとこちらを覗いては、すぐに視線を戻している。その回数も時間も、明らかに少ない。そのサラサラという音が二秒も鳴り止んだことが、一度としてなかった。

 やがて、彼の筆を動かす手も、止まった。私のことを一瞬覗いて、目が合ったかと思えば、彼はスケッチブックを盾に目線を隠した。

「描き終わったの? 速かったね」

「いや……も少し」

「そっか。……うん、どうしたの?」

 そう問いかけると、彼はしどろもどろになりながら、切ない顔で言う。

「その、滝原のことも知りたいなって。ずっと、自分のことばっかり話してたから」

「私? そうね、うーん……?」

 そう言われてみれば、自分について何も言えることはなかった。辛い思いをしながらも、一心不乱に絵を描き続けてきた彼と比べれば私は、本当に何もない、無色透明な人間だ。

「私なんて語ることのない人間よ。勉強しかしてこなかった、本ッ当につまらない人間だったわ。ただ、生真面目が取り柄なだけの、つまらない人間」

「……? 滝原がそんなことを言うなんて、珍しい」

「ちょっとね。黒瀬くんには悪いかもしれないけれど、あなたのことをどこか羨ましいと思ってたのかもしれないわ、私」

「羨ましいってまた、なんで」

 この前までの彼のような、他人を拒絶するようなな重い声色ではない、ただ純粋に彼が疑問に思ったような風な声色だったが、それでも良心が痛む。

「あなたは本当に絵が好きなのね」

「? うん」

「私は本当に何かに対して情熱を注げるものがなかった。ただ言われたように勉強して、大学に行って、就職して、結婚して。そういう風に生きるのが、普通だって思ってた。でも、あなたの絵に対する情熱に、惹かれたんだと思う。あなたの、本物の叫びに私の心を打たれてしまったんだと思う。『本当の自分』がなかった私に、『本当の自分』を持ったあなたがそれを見つけてくれるような気がしたの。自分にないものを持ってるあなたが、本当に羨ましいんだって、そう思ったのよ」

 彼は呆気に取られた顔をしたかと思うと、また恥ずかしそうにスケッチブックで口元を隠した。

「滝原は、よく平気な顔でそんなこと言えるよね」

「な、なによ」

「ううん、全然。とっても好いと思うよ。それに、まあ順序は逆かもしれないけど……今まであんなにボクに熱く迫ってきたのに、熱くなれるものがなかったなんてことはなかったじゃん。滝原がつまらないなんてことはないよ」

 スケッチブックに隠れて、彼の目元しか見えないが、それでもハッキリと分かるほどの微笑みを彼は私に向けた。


 それから、彼は再び筆を動かしたかと思うと、三十秒もしないうちに絵を仕上げてしまった。本当にもう少しだったようだ。

 そうして彼が描いてくれた私の絵を見せてくれた。それは、まるで同じ高校一年生があの短時間で描いたとは思えないほど写実的でキレイだった。なのに、その一枚の画用紙の中で微笑みを湛える私は、自分で言うのも変ではあるが、とても可愛らしかったのだ。彼の目から私はこう見えていたんだと思うと、照れ臭さを感じつつも、素直に嬉しい。

 そうして二人で笑い合っているうちに、授業開始五分前のチャイムが鳴った。

 彼が名残惜しそうな表情かおを見せる。私が「また来るから、そんな顔をしないで」と言うと、彼は切なさを孕んだ笑みを私に向けた。

 彼は私の肖像を贈ろうかと提案してくれた。が、画用紙の大きさ的にも持ち帰りは不便だったし、折角描いてくれたものを折ったり汚したりしては忍びないと思ったので、今は黒瀬くんが持っておいてもらうようにした。いつか、私の家に遊びに来たときに渡して、と、お互いに約束を交わした。

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