現役医学部生のエロ日記

第1話 あの日

おれの中の天使はいつだって清純だった。

いい人だと思わせるような姿勢はいつだって天使の指示だ。

ゆえに、周りの目が気になって仕方がない。

まぁ、これは清純の務めを果たそうとする天使を持つがゆえの弊害ではあるが…。

それに反し、おれの中の悪魔は滅多に表に顔を出さない。

出るときは、すさまじい緊張感を跳ね返すほどの人格にすり変われるのに…。

そう、例えば入学試験の面接のときや経験を0から1にするきっかけを得るときのように。

あの日もおれはいたって平常運転だった。

イオンからいつもの鍋の材料を買ってきた後、高校生から使っているiPod touchで「人妻無修正無料」と検索し、この日の動画を吟味したのち、トイレへと向かった。

———ザァァァと音を立てて水流とともにおれの遺伝子が冒険に出たのを確認したら、お風呂場へと向かう。

そう、あの日もいつも通り、ただひとりで、遊んでいた。翌日に特大イベントが巻き起ころうことなど知らずに……。