第7話:パンダのキーホルダー

僕は趣味でバイクに乗るんです。

で、バイクのキーのキーホルダーに金属とかプラスチックのモノを付けてると

バイクが傷つくので、もこもこの柔らかいパンダのキーホルダーをつけてたんです。


ある日、バイクに乗ろうと思ってバイクのキーを見たら、パンダと違う、カエルのキーホルダー付いてて、しかもカラツみたいな硬いやつが付いてたんです。


それだとバイクが傷つくんですよ。


うちの中でキーホルダーをつけかえる誰かって言えば、嫁さん。

で嫁さんに聞いてみたんです。


「バイクのキーホルダー変えた?」


「変えたよ・・・もうあのパンダ、すごく汚れてたから・・・」


僕はパンダのもこもこが気に入ってたので


「なんで勝手に変えたの、相談もなしに・・・」


って嫁さんを怒ったんです。


そしたら、嫁さんが急に泣き出して・・・・。


焦りましたよ。


そんなことくらいで泣くなんて思わないじゃないですか?


普通なら


「なんでそのくらいでムキになるのよ」


って、言い返されてもおかしくないくらいなのに・・・。


ビービー子供みたいに泣く、泣く。

小学生か?


必死で慰める僕。


あとで嫁さんに聞いたら、これまで僕と一緒に暮らしてきて、そこまで

きつく怒られたことがなかったから、ショックだったって。


で、パンダのキーホルダーはとっくに捨てちゃったらしい。

もう、市のゴミ焼却炉に行ってると思います。


怒られ慣れていないって言うか、箱入り娘でしたからね、嫁さんは。

親にも怒られたことがないって言うね。


でもね嫁さんは、威嚇されたり怒られたりってことにトラウマを持ってるんです。

そのことは、またのちのち話に出てくると思います。


そのことを思い出して、どんな些細なことがあっても僕は嫁さんを怒らなく

なりましたね。

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