可愛い妹は俺に大事なソレを盗られて安心して眠れないそうです。

「お、お兄ちゃんのド変態っ~~!!」


 最悪の修羅場がまさか日常にぽっかりと口を開けて待ち構えていたとは誰が想像出来るのだろうか……!?


 未祐みゆうの悲鳴に近い声が俺の部屋中に響き渡った……。


「フギャアッ!!」


「おわっ、ムギ、部屋にいたのか!?」


 部屋の片隅で寝ていた飼い猫のムギが未祐の声に驚いて、まるで雷に打たれたように激しく飛び跳ねるのを俺は視界の片隅に捉えていた。


「おっ、お兄ちゃんはそんないやらしい目で今まで未祐のことを見ていたんだ……」


 未祐が血相を変えて、椅子から立ち上がった。その勢いでキャスター付きの椅子が床を滑り、壁にぶつかって鈍い音を立てる。妹は自分の両腕でしっかりと上半身をガードしながら壁伝いに部屋の隅へと後ずさりした……。

 その大き目の瞳には驚きと蔑みの色が見てとれて、俺は完全に自分の平和な日常が詰んでしまったことを理解せざるを得なかった。


 もしも今の状況に某F○NZAみたいなタイトルを付けるとしたら、【禁じられた可愛い義妹の味は蜜の味、マイマイウまい♡ 背徳の宝石箱やあああっ!!】で決まりだな。


 追い詰められすぎると人は自己防衛のために現実逃避行動に出るのがよく理解できた。


「未祐っ、ご、誤解だっ!? お兄ちゃんはこんなエロいワードを検索した覚えがない!!」


 誤解を解こうと未祐に近寄る俺。客観的にみて世界で一番説得力のない立場にいることを俺は痛感した……。


「いやっ!! こっちに来ないで……。お、お兄ちゃんは変態よ、未祐に指一本でも触れたらまた大声出すから。はっ!? もしかしたらベランダに干してある未祐の洗濯した下着、ブラやパンツを見て毎日イヤラシい妄想をしていたんだ、きっとそうに違いないわ……」


 未祐がぶるぶると震えながら指さした先には、俺の部屋のベランダの物干し台があり、そこにはピンクや白、薄いブルー、色とりどりの未祐のブラジャーやパンツがたっぷりとした陽射しを浴びて風にひらひらと揺れていた……。


「それにこの間、部屋から私の一番のお気に入りのブラとパンツの可愛い上下セットがなくなってたんだからぁ!! チュチュ〇ンナでって、とっても高かったのに……!!」


 う、うがあああっ、どんどん罪が加算されていくう!! このままではマズい。

 何とかこの場を切り抜けなければ……。


 それにしても気になるワードは妹の言った特盛ブラだ。未祐の奴、そんな飛び道具を使っておっぱいを盛っているのに、何でまな板なのぉ!?


「しょ、証拠はあるのか!? 俺が下着泥棒だって証拠だ……。薄いの生下着をくんかくんかなんてことを、この妹思いなお兄ちゃんがする訳がないだろ!!」


「拓也おにい、みずからを出したわね!! 私はなくなった下着の色なんか一言も口にしていないよ、未祐のブラパンセットの色を最初から知っているのは下着泥棒の動かぬ証拠なのよっ!!」


 ……し、しまったぁ、うっかり口を滑らせてしまった。墓穴を掘るとはまさに今の俺のことだぁ!!


「拓也お兄ちゃんは下着泥棒なんだ!! 未祐のブラパンをいったいどこにしまっているの、いつもお宝本を隠すロフトベッドの下段のクローゼットの中の場所なの!? それともフェイントをかけて机の引き出しの奥とか、自分以外の家族がわざと探さなそうな場所に隠しているの!?」


 完全にを掴まれている……。


 未祐は勝ち誇った顔で俺に指を突きつけていた。これは完全なる死刑宣告だ。

 俺は思わず膝から崩れ落ちてしまった、未祐の足元にひれ伏した状態で。


 俺はわらにもすがろうと未祐の足にしがみつく、柔らかいふくらはぎの感触に戸惑いを覚えながら……。


「たっ、頼む!! 何とか勘弁してくれ……。 魔が差したんだ、ひらひらと風に揺れるお前のカラフルなおぱんちゅを見ていたらお兄ちゃん我慢が出来なくなったんだ!! そうだ!? 家族から変態が出ていいのかよ、世間の笑い物になるぞ。おれは警察にタイーホされたくないんだよ、それに外で下着泥棒をするよりマシだろ……」


 わけのわからない詭弁を叫びながら未祐にしがみついて哀願あいがんをする、顔を上げなくても妹の表情は推測出来る、きっとゴミ虫を見るような視線で俺を睨んでいるはずに違いない……。


 このど変態!! と未祐に足蹴にされるのを俺は覚悟していた。



 あれ!? いくら待っても蹴られないぞ……。


 次の瞬間、顔を上げた俺は驚いてしまった。


「み 未祐、その格好は!?」


 俺の目に飛び込んできた驚くべき光景は……。


「拓也お兄が妹の生ぱんつを盗んで大事なところを包む布の二重底クロッチの部分をくんかくんかするほど精神的に追い詰められていたんだね、かわいそうに……。私が悩みに気が付いてあげられなくて本当にゴメンね。もう手遅れかもしれないけど下着じゃなくて中身ホンモノをこれから見せてあげるから……」


 まさか、嘘だろ未祐!?


 未祐は上半身のパーカーをすでに脱ぎ捨てていた……。


 そして黒いショートパンツにゆっくりと手を掛けた。


「やめろっ、み、未祐~~!!」



 禁断の一線超えな次回に続く!!



 ☆☆☆お礼・お願い☆☆☆



 ここまで読んで戴きありがとうございました。


 この後、二人はどうなってしまうのか!?


 幼馴染の真奈美との関係に影響はないの!?


 と続きが気になると思ってくださいましたら


 レビューの星★★★でご評価頂けたら嬉しいです。


 つまらなければ星★ひとつで構いません。


 今後のやる気や参考にしたいので、何卒ご協力お願いしますm(__)m


 

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