第19話

「side月城」


俺としてはあんまり同級生に手を出したくはない。でも俺はあの人からこの力をもらってしまったし逆らえない。


許されるとは思わないけどあの派閥のトップには今回の件について関わらないでって言っておいたし被害は最小限になると思う。


本当は岸だって巻き込みたくはなかったし死んでほしくもない。


でもあいつと話してみた感じだと多分止めてもこれについて調べるし逆に俺が止めるように言うと疑われちゃうかもしれない。


結局俺も自分がかわいいだけなんだよな。この力を妹を助けるためにもらったとはいってもそれを使って俺は人を殺しているわけだし。


「月城君!」


そうやって話しかけてきたのは森先輩。この人も例の力をもらっている人でしかもこの人はあの人の狂信者。…俺はこの人があんまり好きじゃないというか嫌い。


「森先輩ですかお久しぶりですね」


「そんないやそうな顔しないでよ。一応これでも俺たちはおんなじ目的のために動いてる仲間なんだし」


「ひとつ言っておくと俺は無理やり参加させられてるだけであなたみたいに狂信的ではありません。どっちかというとあの人に心酔するあなたのことが理解できません」


「これは手厳しい。でも今日はこんな会話をするために来たわけじゃないんだよ?」


「知ってます。それで何なんですか?」


「決行する日が決まった。あとで会議があるから参加して」


そう言って手紙を渡すと森先輩はどこかに歩いて行った。

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