【完結】俺だけ “健康歩道” で レベルアップ !?~最強兵器と呼ばれた オッサン~

越知鷹 京

第1話

異世界に転生した俺は、神々の恩恵を授けられると思いきや、、、

『ガチ』の無能力者だった。


唯ひとつ――。


地球で培った知識だけは、持っていけたようだ。

というか、思い出した!


磯野 ナルト


それが転生前の名前だ。


日本人の父とヨーロッパ人の母のあいだに生まれたハーフ。


幼少期は人気者だったが、社会に出る頃には差別の的になっていた。

それでも、無難に生きて無難に死んだ方だ。


テレビの使い方も分かれば、ビデオデッキ,CDプレーヤーの使い方もしている。ただし、製造の仕方はまったく知らない。


あっちで生きていた頃は、まるで科学に興味がなかったからだ。

「使えればいいや」程度の感覚が、良くなかったのだろうな。


こっちでは、前世の知識がになってしまった。。。


つまり、いつかは科学が発展するのだから、魔術なんて勉強しても仕方ないや

とか思って、勉学をあきらめていたのだ!


こっちで、大人になってしまった俺は就職活動に奔走。


ホワイト企業に就職できなかった俺は グレー企業を転々としながら、親のスネをかじっていた。

就職活動でお世話になった ローブも ずいぶんと年季が入っている。

これじゃあ、買い替える事も出来ないじゃないか!



・・・・・・ま、いっか。



でも、今年こそは、結婚するぞ!


と 三十路(みそじ)の頃から言い続けて、はや10年。


――四十路(よそじ)を迎える頃に、ついに両親が他界してしまった。



JESUSッ!!



親の遺してくれた財産も微々たるもの。

老後が不安でしかたない!


同年代の女性は、バツイチどころか、未婚者ばかり。

なのに、どうして婚活が上手くいかないのか?


あっちでも こっちでも、よくある話をしよう―――。



学生時代に恋愛をした事がない女性たちは、卒業と同時に諦めていたのだ。

こっちの世界も平和だと、皆一様に悟りの境地に至るらしい。


はじめに、少女マンガのような恋愛が一般的だと勘違い。

つぎに、イケメンよりも お金持ちとの結婚が幸せになれると勘違い。

さいごに、お金よりも愛情だと気付く頃には 妊娠が可能年齢を過ぎており、赤の他人と暮らせる方が異常だと悟るらしい。


「独身のほうが気が楽だしぃ~、婚活もお金かかるから~」

とか言って、タラレバ人生を後悔して 満足していた。


男性は、そんなことも知らずに婚活に奔走する。

「なぜ、俺だけモテないんだ!」と嘆いては、ハゲていく。



いや、これじゃ少子化社会だろ?



だから、俺だけは 諦めずに若作りに精を出すのだ。


はじめに、手を出したのが育毛・発毛剤と頭皮マッサージだ!

だが、3ヶ月で飽きてしまった。効果もでなかったし。


つぎは、筋トレだ!

3日でやめた。効果もでなかったし。


さいごに、やってみたのが『足つぼマッサージ』だった。

足裏にあるツボを指で押していたら、あることを思い出した。

だから、俺は天才だったのかもしれない。



それは――前世での記憶――。


“健康歩道”


あっちの父母が「これこれ。これが、えぇんやでぇ」とか言っていたな。



さすがに、こっちの世界に“健康歩道” なんて無い。

だから、手始めに『氷結魔法』でをたくさんつくって、敷き詰めてみた。


「これこれ。これが、えぇねん、、、て、、ごッつぅ 痛いわ!」


どうやら、角が 鋭すぎていたようだ。


ひょっとして、血まみれ?

恐るおそる、

足裏を見てみれば、細胞が凍死していた・・・。



◇ つづく ◇



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る