第13話 修行

 2回に到達して、2年間が経った。海があったおかげで四苦八苦しながらではあるが、塩を作れるようになっていた。大きさがまばらだし、味にも違いがあるため、お世辞にも美味しいとは言えない。しかし、今までは調味料なしで食べていため、食事事情はだいぶ変わった。


 塔の2階だが、今のところ進展はあまりない。海の方向とは別の方向に行っていたのだが、島だったみたいで、5kmほど進むとまた海に出た。島には、ヤドカリみたいな魔物と、でっかいスライムがいた。ヤドカリは高さ3m程あり、緑色をしていた。鑑定をすると、甲羅がめっちゃ硬いと出たが、刀を軽く振るだけで切断できた。スライムの方は高さじゃあまりないが横にメチャメチャ大きく半径7mぐらいあった。鑑定をすると、魔法の耐性が高いと出ていて、魔法では魔力を使い切っても倒せず、刀では切った先から再生していくというとにかく面倒な魔物だった。2年ほど魔法の練習や、レベル上げをしてやっと倒せるようになった。


 二年間の修行で、刀の扱いも上手くなり魔法で身体を強化したジジイと真っ向から渡り合えるほどに成長した。


 四年ほど洗いながらではあるが使い潰していたからか、紐がほつれ服が着れたものではなくなっていた。そのため、熊の毛皮を加工して、羽織れるようにした(羽織れるだけで着れているわけではない)

 余談だが、塔の1階の森の奥に行くと、糸を吐く芋虫の魔物を発見したので、糸をつくれないかと色々試行錯誤をしている。


 塔の2階だが、海を渡る手段を持っていなかったため、木でイカダを作ろうかと思ったが、もしかしたら海の上を走り渡れるかもしれない、っと思い今は試しているところだ。


 ボロボロになった靴を脱ぎ気を足に纏うようにし、海に向かって歩いていく。すると、何事もなかったように海の上を歩くことができた。最初は、走らないといけないのかと思ったが、走らずとも普通に歩くこともできたし、止まることもできた。

 なら、なぜ進まないのか?という疑問が出てくるだろう。俺は気を用いて海をの上で過ごすことができる。しかし、それは気が保つ間だけだ。もし切れたのなら海の中に落ち一瞬で藻屑となるだろう。心眼で見たところ1階のボスのサメが群れで移動しているのだ。

 気がどれだけ保てばこの階を攻略できるのか。それは、軽く見積もっても1ヶ月は保てないといけないだろう。他の島が見えるのが、地平線のあたりなのだ。そこまで行くのには想定外のことが起こった場合を含めると1ヶ月は必要なのだ。

2年間修行したが、まだ20日分しか保てないのだ。


 どうすれば気が増えるのか?その答えは至極単純だ、使いまくれば良い。何事にも重い軽いや、良い悪いがある。それは気にも当てはまり、重い気は軽い気の2倍は保つのだ。良い悪いでは、循環しやすいかしにくいかがある。もし良い方の気しか使えなかったりすると悪い方の気しか残らなくなり気の操作がしづらくなる。2階を攻略するために、今は重く悪い気を重点的に使い、練度を上げながら量を増やしていく。


 今日もいつものようにジジイと刀を交え、気や魔法の修行をする。

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