14話

全員から問いただされ、すでに疲れきっていた私であったが、目的地に着くとそんなことは忘れていた。


みんなで目的地にある建物を見上げながら驚いていた。


だけど、この後さらに驚くこととなる。


先輩に建物の中へ案内されると、ずらーっと並ぶ従業員の人達が、一斉におかえりなさいませ!お嬢様とご友人様方!と出迎えてくれた。


そして先輩が言う。


「みなさんようこそ!ここが高円寺グループが経営するホテルよ!今日はここでランチを楽しんでもらうわね!」


驚いていたみんなが感想を言う。


「楓先輩すごすぎじゃないですか!?」


「先輩…本物のお嬢様…すごいです…」


「先輩やっぱりすごい人ですねー!」


そして、私も感想を言う。


「生徒会の先輩ばかり見てたけど、遠い遠い存在だったんですね…すごい…」


「ふふ…そんなに褒めなくていいのよ!」


みんなの驚く顔が見れて嬉しそうな先輩が、さぁ行きましょ!とレストランへと案内してくれる。


そこには様々な料理が並ぶ、バイキング形式になっておりどれも美味しそうだった。


みんながそれぞれ好きな物を選び食べ始める。


私も選び食べると本当にどれも美味しかった。


食事を終え、みんなで先輩にお礼を伝えたのだけど…。


「ふふふ…実はね、ここが目的地じゃないの」


全員が、え?という顔をしていると、ついてらっしゃいと先輩が言う。


なんだろ?と考えているとその場所へと着く。


「さぁ、ここが本当の目的地よ!」


そう言い両手を広げる先輩。


背後にはまた建物が建っていた。


ここは?と先輩に質問すると答えてくれた。


「ここは高円寺グループが経営する、ウォータースライダーなどがあるプール、そして温泉も楽しめる、スパリゾートよ!貸切にしてあるから目一杯楽しみましょ!」


それを聞きみんなで盛り上がったのだが、一つ問題があり先輩に聞いてみる。


「あれ?でも、私達水着持ってきてませんよ?」


「ふふ…ご安心なさい!水着もちゃんと用意してあるわ!好きな物を選びなさい!」


こうして、まずは水着選びから始まった。


「うわー!いっぱいあって迷うねー!」


「すごいね!どれにしよー!」


「どれもかわいいです…!」


「ふふ…この中から水着を選び、誰が一番か上田一樹に選んでもらうわよ!」


それを聞きやる気に満ち溢れる他の三人。


…え?今なんて…?私が一番を選ぶ…?


そんな責任重大なことをやることになるなんて…。そう思いながら自分の水着を選ぶことにした。



私は更衣室で先に着替え終わると外でみんなを待つことにした。


ちなみに私がどんな水着を選んだかと言うと胸元がフリルで隠れる水着で水色を選んだ。


だけど勘違いしないでほしい。


決して小さいことを気にしてではない。


ほんとに違うよ…。


違うんだからぁ…。


うぅ…。


そんなことを考えていると真白さんが出てきた。


「お、王子様…。わ、私の水着…どうですか…?」


そう言い真白さんは恥ずかしそうに水着を見せてくれる。


真白さんはフリルと小さいリボンが付いたワンピースタイプの水着で色は黒を選んだみたい。


「うん!真白さんによく似合っていてかわいいね!」


ほんとにかわいいと思った。

特に小さいリボンがいくつか付いていて、真白さんのかわいさにさらに合っていた。


「お、王子様…嬉しいです…」


そう言い、私に抱きつく真白さん。


ちなみに真白さんも私と同じくらいの大きさだったので親近感を覚えたのは内緒。



次に朝日が出てくる。


「二人共ー!お待たせー!」


元気よく出てくると、どうかなぁ!と言い水着を見せてくれる。


朝日は私と同じようにフリルで胸が隠れる水着で上下ピンクのを選んだみたい。


「朝日はピンクがすごく似合っているね!かわいい!」


「えへへー!ありがとー!」


朝日が嬉しそうにくるくる回っている。


「実はね!かずきにはもう私の裸見られてるから、あえて胸が隠れるようにしてるの!また見たいと思わせるようにね!」


えぇ…確かにもう見てるけど…。


私はお風呂のことを思い出し、恥ずかしくなった…。


そして、私の左腕に抱きつく朝日。


うぅ…。朝日の大きい感触が…。羨ましい…。




そして、三人目が出てくる。


漆原さんだ。


「みんなー!遅くなってごめんねー!」


漆原さんが申し訳なさそうにこっちに来る。


「か、かずっち…どうかな…?」


そう言い両腕で胸を押し上げながら恥ずかしそうに水着を見せてくれる。


漆原さんは首紐をクロスさせて胸元が強調された水着、色は上下緑を選んだみたい。


「う、うん…漆原さんに似合っていて…かわいいと思うよぉ…」


私は恥ずかしくてちゃんと見れずにいたけど、漆原さんは嬉しかったのか右腕に抱きつく。


あぁ…漆原さんも大きい感触が…。ずるいぃ…。



最後に先輩がやってくる。


「みなさん、おまたせしたわね」


え?先輩の方を見て唖然とする。


みんなは、先輩おっきい…セクシーだぁ…えっちです…などと言っていた。


先輩はバストの間からおへその辺りまで大きい切れ込みの入ったセクシーな水着で色は白を選んでいた。


「さぁ、上田一樹!感想は?」


そう言い私に水着を見せてくれる。


「せ、先輩に似合っていて、とても綺麗です…」


「ふふ、上田一樹は私の大きい胸が大好きだものね。触ってもいいのよ?」


「ち、違いますから!それに触らないですよ!?」


私は恥ずかしさから先輩を見れないでいた。



「さあ、上田一樹に誰の水着が一番良かったか決めてもらいましょう!」


みんなが私に期待の眼差しを向ける。


「え…えーと…」


真白さんと朝日はかわいいし、漆原さんも強調させようとしなければ見れるし、かわいい。


先輩もセクシーすぎて目のやり場に困るけど綺麗だし…。



「私思ったんですけど…」


誰が一番か選べず悩んでいると朝日が言った。


「たしかに、かずきに選んでほしいけど、この中で一番かわいいのは、かずきじゃないですか?」


え?私が戸惑っているとみんなが私を見ながら言う。


「たしかに言われてみればそうね…」


「うん!かずっちが一番かわいいね!」


「王子様が一番です…!」


「だよね!一番はかずきに決まり!」


ええぇぇぇ!?


こうして私は誰が一番か、を選ばずに済んだ。


その後みんなから、かわいい!かわいい!と言われ続けた。


嬉しいけど…恥ずかしいよぉ…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る