4話

その後、四人はなにやら話し合った後、がんばろー!と掛け声を合わせると、解散することとなった。


こうして私の波乱な一日は終わる。


疲れたよ…。


だけど、部屋に戻って考えないといけない。


赤く光る星のことを。


私がモテたいと願った星。


同じく四人も願った星。


私が願ったことで、願いを叶えるために赤く光る星が四人にも見させ、そして彼女達にも願わせた…?


そして、きっかけは違えど、告白してきた…?


ということは、元はといえば、私が赤く光る星に願ったせい…?


まさかね…。


考えすぎだと思いたかった。


だけど、もしそうなら違うよ…。


私は異性にモテたかったんだよ…。


キャンセルさせて…。


そこで考えるのを止めると、疲れている体を休めることにする。


最後に朝日が、不穏なことを言っていたが、気にしない。


きっと、また明日からも、いつも通りの生活ができるはず。


大丈夫…。


大丈夫…。


そして深い眠りについた。




次の日ピピピと目覚ましがなるが、疲れていたためか、起きれないでいた。


「かずきー!起きてー!遅刻するよー!」


いつも通り朝日が、起こしに来てくれる。


「ん〜…あと5分〜…」


よかった…。


いつも通りだ…。


そう思っていた…。


だが…現実は違った。




「かずき…起きないの…?いいよ…それじゃあ…」




朝日がなにか言ってるが気にせず眠る。


すると、なにかが近づいてくる気配と、ほんのり良い香りがしてくる。


なんだろ…と考えていると、急に身体に違和感を覚える。


気になり、寝ぼけ眼で確認すると、目の前に朝日の顔が、そして首と腰に手を回して、抱きついてきていた。


え?


わけがわからず固まる。


「かずき良い匂い…かずきの匂い大好き…」


私が起きたことに気づいたのか、さらにぎゅっと抱きしめると、私の匂いを嗅いでいる朝日。


え?


なんで?


「ちょ、ちょ、ちょっと!なにしてるの!?」


びっくりしたことにより、完全に目が覚め起き上がると、朝日がブーブーと怒りながら言う。


「もーなんで起きちゃうの!もっとくっついて、かずきの匂い嗅いでいたかったのに!」


「なんでじゃないよ!?なんで抱きついてきて、しかも匂いまで嗅いでるの!?」


え?


なんで?


私、朝日に抱きしめられてたの?


どういうこと?


全く現状を理解出来ないでいると、朝日が答えた。


「えー?女の子同士の、ただのスキンシップだよー?いつもしてるじゃーん!それなのに、そんな動揺しちゃってー!もしかして私のこと意識しちゃった?」


「いやいやいやいや!たしかに今までも軽いスキンシップはあったけど、今回みたいな大胆なスキンシップは、なかったよね!?それと驚きはしたけど、意識はしてません!」


「もーかずき照れちゃってー!ほんとかわいいなー!」


焦り必死に否定するのだが、朝日はニコニコして、話が通じていない。


一体なにが起きてるの…。


私まだ寝てるの!?


これは夢なの!?


試しにほっぺをつねってみるが痛い…。


現実だよね…。


その姿を見て、朝日はクスクスと笑いながら、行動の理由を説明してくれた。


「なーんてね!ほんとはね、今まではかずきに気持ちがバレないように、軽いスキンシップで我慢してたんだけど、もう気持ち伝えたし。だからこれからは我慢しないでいくんだぁ!」


そう言い終わると、また抱きついてこようとする朝日。


だがそうはさせまいと抑え込む。


朝日は必死に抵抗しようとするが、諦めるとさらに理由を言う。


「それに…言ったでしょ…?私のことを大好きにさせるって…」


頬を染め照れながら言う朝日に、同性ながらも少しドキッとしたけど、悟られない様に誤魔化し、とりあえず今は着替えるからリビングで待ってて!と伝え、準備をすることにした。


部屋を出る前に、手伝おうか?と言っていたが、私はなにも聞いてない!


そうして、着替えながら思う。


ああ…私のいつも通りの日常が…。

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