合コンで出会った超絶美少女が昔助けた人でとんでもない地雷系女(姉はとんでもないヤンデレ)だった。
なるとし
第1話 映画女優と2年前の過去−1
『柊さんの理想の男を教えてください!』
『え、えっと……急に言われましても……』
『謎に包まれた柊さんのことをもっと知りたがるファンも多いんですし、どうぞ!』
『強いて言うなら、私の家族に優しい男性が好きですね』
『なるほど……家族を愛する柊さん……これはもっと魅力度が上がりそうな感じですね!!』
『あはは……』
バラエティー番組で司会者の質問に答えるとてつもなく綺麗な女性の名前は柊楓。
日本で有名な映画女優である。
彼女の演技の良さは映画にあまり詳しくない俺でもよくわかるほどのレベルだ。
男の本能をピンポイントで刺激する演技。
特に男性主人公に見せる視線は心臓を抉るような魅力がある。
見た目だってだそうだ。
長い濡羽色の黒髪に大きな青色の瞳、垂れ目、整った鼻筋、鮮やかなピンク色の唇。象牙色のツヤツヤした肌。
そして「あの体で?」って疑問を投げかけたくなる爆のつく二つのボリューム。
画面越しではあるが、柊楓の顔は一流の彫刻師が作ったと勘違いするほど立体的で美しい。
きっとこの人は俺なんかが想像もできないような煌びやかで目眩く世界で生きているのだろう。
彼女がバラエティー番組に出演するのは滅多にないことだが、この不思議な雰囲気を漂わせる柊楓をみていると、ある人を思い出してしまう。
やっぱり似てるな。
現在、大学に入学して間もない俺・霧島司が高校2年生だった頃。だからちょうど2年前の出来事だろう。
高校に入学した時に両親が事故で亡くなったことによる悲しみと寂しさを感じながら俺は学校が終わり、無駄に広い家に向かっていた。
いつものものを持参して。
俺を心配してくれる良き友達とサッカーなどをしてからの帰りなので、日が暮れようとし、黄昏時を迎えようとしていた。
この時の俺は制服姿ではなく、体操着を着ていた。
「今日は久々に別の道で行ってみようかな」
気の迷いか、この日はなぜかいつもの道ではなく、普段あまり利用しないルートで帰りたい気分だった。
時々寄り道したくなる気分になるのは俺だけではないはずだ。
俺がリュックを背負って普段誰も通らない路地裏に差し掛かろうとしていた時、事件が起きた。
「はあ……はあ……こんなに綺麗な女の子は初めてだぜ……」
「い、いや!離して!この!この!!」
「うっへっへっへ!まだ高校生なのに制服越しでもすごい体してるのがわかるな!直接確かめてみようかな?」
茶髪でいかにも駅前で女性にナンパしそうな見た目の20代と思しきヤバい男性が制服姿の女の子の体を強引に触ろうとしていた。
「触らないで!この変態!通報するから!」
「あはは!もしやったら、回復できないほど徹底的に壊してやるから」
「……」
ナンパ男が低い声を発しながら彼女の後ろにある電柱に手をつく。すると、恐怖する彼女の足が震え出す。
だが、
「い、いや!!」
そう言って、彼女はチャラ男の手を解いて逃げようとするも、うまく動かない足がもつれてあえなく倒れてしまった。
「……痛い」
その光景をみて気持ち悪い表情を浮かべるチャラ男。
「うっへっへっへ!もしかして、犯されたくてわざと倒れたのか?」
「そんなわけ……ないでしょ!」
彼女が反論するも、チャラ男は倒れている彼女に近づいて覆いかぶさるようにようにして彼女の上に乗った。
「な、なにを……」
「はあ……やっぱり可愛すぎるだろ。お前」
「ちょっ、どこ触ってるの!」
彼女のワイシャツのボタンを外そうとするチャラ男。彼女は全力で抵抗するも、力では勝負にならない。
だが、それすらも鬱陶しいのかチャラ男は地面に掌を当てて大声で言う。
「大人しくしろ!!」
「っ……」
「じゃないと、痛くするよ」
「……」
彼女は抵抗を止めた。
男は素早く彼女のワイシャツの上のボタンを数個外すと、巨のつく真っ白なマシュマロとそれを包み込む大きなピンク色のブラが姿を現した。
男はまた気持ち悪い笑顔をしながら豊満な胸に手を添える。
「やっばい……ヌーブラじゃないな。高校生でこのおっぱいは……あまり悪く思うなよ。お前が綺麗なのが悪いんだからな。そんな見た目で生まれたお前が全部悪いんだよ。うへへへ!!」
そう言って、男は胸を揉み始める。
「いや……やっぱり男は全部クズだ……同級生も大学生も社会人もイケメンもキモデブもおじさんも……そしてあんたみたいなチャラいナンパ男も!!!」
彼女の青色の瞳からは涙が流れており、自分を犯しているチャラ男を睨んだ。
「ああ!!もちろん、男ってのは全員クズだ。おそらくお前を見た男たちは全員こんなことするような妄想するんだろうな。でも、俺はリアルでやってるぜ!うっへっへっへ!!俺ってめっちゃ勝ち組だろ!」
「お姉さん……お姉さん……助けて」
「お姉さんいるの?じゃ、やった後で呼んでくれよ。お前のお姉さんもたっぷり可愛がってあげるからよ!」
心臓が爆発寸前だった。
全身が震え出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます