　探し当てたその場所は草に埋もれていた。

　男は持参した鎌で草を刈る。山の奥深く、男以外に誰もいない。さり、さり、と草を刈る音だけがその場に響いた。

　鎌の先が草ではないものに当たる。慎重にその周囲を刈り進めると、草の間からされこうべが姿を見せた。

　「ああ、お待ちしていました、いとしいひと」

　されこうべはかたかたと笑い、男へと飛びかかる。

　その歯が男の喉笛へ食い込む間際に、男の鎌がされこうべの後頭部を裂いていた。

　「おじいさまは三十年前に亡くなっています、おばあさま」

　砕けて散るされこうべに、男は静かに言葉を送った。

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