第2話新入生の洗礼

大西大学の新入生の、オリエンテーションが終わると佐々木はたまたま隣に座ってい男に声を掛けた。

「あのぅ、野球に興味ありますか?」

不意を突かれた男は、

「野球?オレ、野球好きだよ。それがどうしたんだい?」

「今夜の7時から、川越の居酒屋で草野球サークルの歓迎会があるんで一緒に行きませんか?」

「いいよ。暇だし。君の名前は?オレは真壁誠だよ。一浪だけど」

「僕は佐々木です。佐々木真二」

2人は、同じ法学部法律学科のH組だったので、これをきっかけに仲良くなる。

佐々木と真壁は東武東上線で川越くんだりまで足を運び、指定された居酒屋に向かう。

店の前には、同じ大学の新入生が4人程いた。

今後はこの新入生で活動するので、名前を紹介する。

文学部の伊東太一、経済学部の山田弘、教育学部のいぬい純也、国際関係学部の一浪の竹田洋一。

この、6人が草野球サークルの新入生歓迎会に出席した。

佐々木は草野球サークルだから、先輩も多いのだろうと想像していると、獣の様な先輩があれは3年生だったと思うが、キャプテンでむさ苦しい男が5人と、後で分かった事だが淫乱マネージャーの女が1人のサークルだった。


日本の大学の新入生歓迎会は兎に角、酒を飲まされる。

真壁は下戸なので、杏露酒2杯で顔が真っ赤。

佐々木は案外いけるタチで、チューハイのピッチャーを一気飲みさせられた。

独特の一気飲みの掛け声をされて、3杯ピッチャーで飲まされた佐々木は、酒豪ゴレンジャーの1人として認定された。

竹田は、酔い潰れ、伊東はトイレでリバースした。

先輩が『ジャングル・ファイヤー』と称して陰毛にライターで火をつけていたが、新入生は固まり、隣のテニスサークルの連中から絡まれケンカをしだす始末。

それから、半強制的にキャプテンのアパートで安酒の大五郎を飲まされた。

淫乱マネージャーはペットボトルの飲み口をいやらしく舐める秘技を披露したが誰も新入生は反応しなかった。

笑っていたのは、顔を紅くした先輩達だけであった。

乾がキャプテンに草野球いつ練習するんですか?と質問したが、試合に出た事は無いらしい。

キャプテンのアパートから終電で帰宅途中に、真壁が佐々木に、

「オレ、女の子がたくさんいるサークルに入りてぇーよ」

と、吐露すると、

「僕も。経済学部は女子が多いから山田君に集めてもらって、サークル1年だけで作らない?」

「いいアイディアだな。後でオレが山田に電話しとくよ」

2人は互いの家路に着いた。

日本の大学生は、医学部やその他真面目な学生もいるが、だいたいの学生は酒か女のどちらかである。

真面目に弁護士を目指していた、佐々木でさえピッチャーでチューハイを3杯も飲んでいるところを見ると、嘆かわしい。

こういう所から、大学生は嫌いなんだなぁ~。

佐々木は、夜中、何度も起きてトイレでリバースしたことを記しておく。

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