第3話 お嬢様、何願いました?

鳥居を潜り境内に入り、手水で清める。


「お嬢様、参拝の作法わかります?」


「わかるに決まってるでしょ?私を誰だと思ってるのよ!つか、毎年ちゃんと作法して参ってるわ!!」

と言うと


「いや、もしかして脳の病気で、そろそろボケてくるかなぁと思って」


「まだ10代よ!ピチピチの10代の女子高生になんて事言うのよ!神様、こいつのパソコンぶっ壊してください!」


「神様、このポンコツの一年、う●こ踏んだ回数1000回くらいにしといてください」

と言われて腹が立つ。


「じゃあこのバカが、一年間う●こ踏んだ回数1億回くらいにしといてくださいって願うわよ!」

と返すと


「はい、アホー!う●こ1億回も踏む奴なんていませんー。そんなギネス狙いの奴いませんー」

と憎たらしい。それなら1000回もいないわ!


とりあえず私達は、賽銭を入れて二礼二拍手一礼をして参拝を済ませた。


「お嬢様、何を願いました?まさか本当にう●こ…」


「ちょっと!正月から下品なことばかり言わないでくれる!?そんなわけないでしょ!?


さっさとこのクソ生活から抜け出したいって願ったわよ!!」

と言うと魚住は


「えっ!?てっきり俺のことが大好きなので一緒に居させてください神様(♡)


が定番なのかと思ってました!」


「そんなわけないでしょ?どこのアニメ見ての展開よそれ。私はね、あんたにツンデレするような、ちょろいお嬢様じゃないから!


正真正銘あんたのことなんか大嫌いだしクソアニキモヲタ野郎と思ってるから!


マジ死んでくれたらいいのに」

と本心から嫌そうな顔で魚住を見る。どんだけアニメで妄想してんの?マジキモいわこいつ。柚乃もよくこんなバカのこと好きよね?顔がイケメンでも中身がこんなの私無理。


でも、ライバルお嬢様には負けたくないので、こんなクソアニヲタ執事でも自分のものだと言う自慢をしたかっただけで、私は魚住のことは1ミリも恋心なんてないわ。


幼い頃から一緒にいるから、そんなもん全然芽生えないわ。漫画とかではあるが、実際には無い!キモいと思ってる。


魚住も、わかってて、からかってくるからタチが悪い。


「じゃあ、おみくじを引きましょうか?凶が出るといいですね!お嬢様!」


ほらな、こう言う男だ。死ねばいいのにこいつ。


「そうね、魚住も大凶引けばいいわね!」

と2人で笑い合いながら、おみくじを引いた。


私は巫女さんから、おみくじを渡されて見た。


【大凶】

願い事絶対に叶わない。

希望がなさ過ぎる。

待ち人絶対に来ない。

最悪な一年になる。

旅行運最悪最低。

事故に遭うかもしれない。

病気治りにくい、医者へ。


と正月から不吉なものを引き当てた!


「わあ!お嬢様おめでとうこざいます!!やりましたねぇ!!」


「ふざけんじゃ無いわよ!あんたは何!?」


「俺?まぁ、大吉?日頃の行いが良いからですね」

と言う。

神様、間違ってますよ?こいつ日頃の行い最悪ですよ?


「え?だ、大吉!!?はあ!?嘘でしょ?」


「神様ありがとうございます!!」

と財布の中に魚住がおみくじを入れる。


「ちぃっ!!」

と舌打ちして、私はおみくじを木にくくりつけると、鳩が頭の上に糞を落としていった。


「早速ご不幸が起こりましたね!うわ、えんがちょー」

と魚住は私から離れる。


私は糞がついたまま魚住を睨み、追いかけた。


「うがあああああ!!」


「うひゃあああ!|来るなって!この糞ポンコツお嬢様!!」


「うっさいわ!バカ!絶対お前にも糞つけてイケメン台無しにしてやるわ!!」

と私は本気で糞着けてやろうと追いかけたが、凍った水溜りに足を滑らせ、頭を地面に打って死ぬ所を魚住がようやく助けてくれる。


「このアホお嬢様。本気で頭打ちつけて正月早々救急車とかごめんですからね。


気を付けてくださいね。

ほれ、とっととトイレで糞落として来い」

と一応ハンカチを渡す。

ふぐうううう!!

私はハンカチを持ち、トイレの手洗いへと駆け込んだ。


胸を押さえ、


「ふん!別に…?ときめいてないし?漫画じゃないんだから!吊り橋効果?まぁ、今のはノーカウント!!」

と絶対にときめかないと決めて頭の糞を落とす。周りに少し笑われたり可哀想な目で見られた。


大凶上等だわ!絶対に私は負けない!!


とトイレから出た所で、犬の糞を踏んだ。新年から踏んだり蹴ったりだわ。


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