第15話 次の行動
「はぁ~い、それじゃあ冒険者登録はお終いね」
「これで終わり? 冒険者って講習とかないのか」
「ナイナイ、冒険者は全部自己責任よ? 死んだらそれまでだから死なないように程々にね」
保険関係皆無か、よくそれでギルドだとか名乗ってるもんだ。組織として恥ずかしくないのかね?
まあここは異世界だ、その上冒険者ギルドだしな。俺の知る常識なんて使いもんにならないだろうさ。
「ああっ取り敢えず死なない様に頑張るさ」
そう言って冒険者ギルドを後にする、さらばオッパイ。
その後は身体も痛いが流石にお腹が減ったのでそれらしい場所を見つけて外から様子を窺う、この世界の文字は普通に読めるので食事処だと思われる所に適当に入った。
いい加減座りたかったしな。席につくとウェイトレスの女性が来たので適当にオススメでお願いしますと答えた、だってメニュー表もないんだよ。
そして出て来たのは何かの生物の肉料理だ、焼いた肉と焼いた野菜に塩をふっただけと思われる物だ。
それをゆっくり食べて体力回復に努める、そして木のカップに注がれた水を飲んだ。少し喉越しが嫌な感じがするが許容範囲だ。ガマンガマン。
支払いをして金貨を銀貨や銅貨へと両替する。
一食五百五十ペスカで一万ペスカを払い九千四百五十ペスカをお釣りとしてもらった。
一食でこれならしばらくは生活出来るか? いやっ宿屋とかを考えるとまだ分からないな。
「よしっ次は宿を探そう」
宿の入り口の上部にはベッドのイラスト入り木のプレートが飾られていた。分かり易くていいねをしたくなる。二階建ての木造建築だ。
中に入る、やはり冒険者的な連中が武器を携えて普通にいた。
受付にいる宿のオーナーらしきグレーの頭髪をしてる初老の男性も普通に受け入れている。
俺は受付に向かい初老の男性に話し掛ける。
「すいません、部屋は空いてますか?」
「ええっ空いてますよ。一泊三千ペスカです」
やはりそこそこのお値段、しかし一息つける場所はやはり欲しい。
「なら三日間お願いします」
この宿の水準も見てみたいのでお試しだな。俺は九千ペスカを支払った。
「分かりました、おーいビット!」
「はーい! 今行きます」
初老の男性に呼ばれてきたのはビットと言う名前らしき少年だ。短髪の黒髪と青い目をしている。服装はこのカルカトでよく見かける服とズボンをしていた。
「お客様を部屋に案内してくれ、ほれっ鍵な」
「分かりました、それじゃあお客様ついてきて下さい」
「分かった」
そしてついて行く、二階への階段を上り廊下をすすむと廊下の途中で少年が止まった。
「ここが部屋になります」
「そうか、案内ありがとう」
「これが仕事ですから」
少年が鍵を開ける、中の広さは一人用としてはそこそこの広さだ。ベッドと丸テーブルと椅子があり夜の為なのかランタンが置かれていた。
予想してた部屋よりは遥かに上等だな、よかった。
これならゆっくり出来そうだ。流石に身体のダメージがヤバかったからな。
少年は俺に鍵を渡すと一階に戻って行った。
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