第6話 全力逃走に魔法を!
「ブホォオオオーーーーーーーーーッ!」
グリーンは不思議と血も流さず光となって消えた、しかし問題はグリフォンじゃない。
雄叫びを上げながら現れたのはさっき倒されたクマよりも二回りは大きな赤毛のクマだった。
何あれヤバイ、ちょっとした建物並みにデカいんですけど。
「………
「なっなあ、あの化け物グリフォンを瞬殺したんだけど……ってえ?」
見るとあの女、全力で逃げてた。
さっき以上の速さで逃走しとる。
「ちょまてやコラァアーーーーッ!」
◇◇◇◇◇◇
「うぉおおおおおおおおーーーーーーーッ!」
俺は今、赤毛の化け物クマに追われている。
何故か足がまだ動いたのだ必死で逃走した、先に逃げたあの女冒険者にも追い付き今は並走して共に逃げていた。
「いくらなんでも置いてくのは酷くね!? 酷いよね!?」
「まっ魔法はかけてあげたでしょう! 咄嗟の判断が遅いのが悪いのよ!」
こっこのアマ~~!
しかし今は逃げる事が何より優先だ、そして今俺が逃げられてるのは彼女のお陰らしいのでその事には生きてたら礼を言うとする、そう言やさっきコイツが何やらブツブツ言ってると思ったら俺の身体もうっすら光っていた事を思い出した。
ちなみに死んだら置いてけぼりにした事を呪ってやるからな!
逃げる、とにかく逃げる。
赤髪セミショートの魔法のお陰でまるで体重が4分の1位になった様に軽い、そして持久力まで上がってる気がする。
まあ背後のおっかない化け物クマはしつこく追い掛けて来るけどな。そんなにこの中年が美味しそうなのか?。
「あのクマはメス、恐らく倒したクマの番。メスはオスよりずっと凶暴でしつこい、多分ずっと追い掛けてくる」
「なんとまあ……ならどうやって逃げるんだよ」
「逃げるつもりはない」
「は?」
何を言い出すかと思えばこの小娘は、グリフォンがいない赤髪セミショートなんて小生意気な小娘以外の何者でもないだろうに。
「あの赤毛は特殊個体。私はアレを倒しにここに来たの」
「ほっ本当か?」
「ええっそしてヤツを倒せる手段ならある、力を貸して」
力を貸せ? 俺に何が出来るってんだよ。
「わっわかった!とにかくやれる事ならやる!」
「うんっならこっちについてきて」
赤髪セミショートが曲がった、俺もそれについて行く。逃走劇はまだまだ続くみたいだ。
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