第2話 彼女たちの事情
長野県某所、秋のとある日に6人の『フルーツガールズ』と生活を始めた家族がいた。それが我が家なのだが…。
私が果物アレルギー1or嫌いで殆どの果物が無理だってわかってたはずなのにお母さんが許可出しちゃって…。
「ここのお水おいしい!!」
「何て言ったって、ここは日本アルプスから引いた水使ってるからおいしいに決まってるでしょ。さぁ、じゃんじゃん飲んでね」
お姉ちゃんはさっきから彼女らに水を与えまくっている。そんなことして大丈夫なのかな?
「おねえさん、わたしたちがどうしてこんなところに来ちゃったか聞いてくれますか?」
「うん、いいけど」
「わたしたちフルーツガールズは、もともとの世界ではとてもめずらしい生き物だったみたいで、ぼうけんしゃさんやさんぞくに襲われることが多かったんですよ。わたしたちも、里をさんぞくに襲撃されて、命からがら逃げてきたんですよ。そしたら、この世界に来ちゃって…」
「それは大変だったね。それで、その山賊はどういう風に襲ってくるの?」
「だいたい剣でおそってくるんだけど、たまに銃をつかってくることがあって…」
「それで、どうやって生き延びたの?」
「わたしたちフルーツガールズはそれぞれが
「じゃあ、それぞれの果実装備を1回見せて」
「わたしのは、林檎に見える
「余は特製のマスケット銃ですしゃ」
「アタシのはこの
「拙者はこの
「わらわのは
「ボクのは
これだけ武器があれば山賊を追い払うことは簡単そうだな。明日からリモート授業にしよう。
「そういえば、どうやってこの次元に来たの?特にそれらしきものは無さそうだけど…」
「わたしの魔鉱塊は使用者の念じにおうじて消費されるんですよ。まぁ、わたしからつくられるからわたしが死なないことにはずっとできるんだけどね」
「つまり、異次元・異世界に逃げたいって念じたら見合う量が消費されてワープ、テレポートしたってこと?」
「まあ、そうなります」
「だったら、もう1回だけその世界に戻ってみない?」
「「「「「「え!?」」」」」」
「あそこはきけんだよ」
「余もできる限り行きたくはないしゃ」
「アタシは別に怖いとかじゃないけど…」
「拙者もできるだけ控えるべきかと思うであります」
「わらわは遠慮しておくのじゃ」
「じゃ、じゃあ僕も…」
「ねえスイートちゃん、1個貸して」
「ど、どうぞ」
「『もとの世界にテレポート』」
「「「「「「あ…」」」」」」
こうして、私たちはその世界に来た。すると、そこにいた覆面の怪しい集団と対面し、お互いに数秒間動きが停止した。最初に動いたのは向こうだ。
「おい、見つけたぞ!さっさと捕らえろ」
「やばいよ、どうしよう…」
「じゃあ、また1つ貰うよ」
「あ、そんなに使わないでくだ…」
「『エクスプロージョン』!!!」
そして、目の前が真っ白になった。
目が開けれるようになる頃には目の前の敵は灰になっていた。
「ありゃー、やりすぎたかな」
「…何でですか?」
「え?何が?」
「何でエクスプロージョンをそれだけで放てるの!?」
「念じ方の問題かな。とあるアニメの使い方を真似しただけで他は特に意識してないけど」
「す、すごい…。もしかして、わたしたちがおねえさんのところに行ったのって運命っていうやつ!?」
「運命ではないかと…。」
「とりあえず、帰ろうよ」
「分かった。『もとの世界にテレポート』」
こうして私たちは無事家に帰還した。
「おねえさん、わたしの魔鉱塊食べてみてください」
「そもそもそれって食べれるものなの?」
「はい、林檎の味がしてとてもおいしいですよ」
「じゃ、じゃあ、いただきます」
本当のことを言うと、その時私は自分のアレルギーのことなんて忘れていた。けど、その魔鉱塊は極上の1品であり、しかもアレルギー反応が起こらなかった。
「おねえさん、もしもこの世界までさんぞくたちが追ってきたらどうしますか?」
「大丈夫、そんなことないから。私は、このまま何もなくみんなと幸せに暮らせたらそれで充分だからさ、山賊のことなんか気にしなくてもいいよ」
そう。この時私は、普通にフラグを立てていたのかも知れない。回収する日は近かった。
続く
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