Lost Starlight

AYA

#00 Lost Starlight

 「あたしが証明すればいいんでしょ!?」

瞳を滲ませ、しかし怒り混じりに放った少女の言葉が、今もボクの脳から離れない。

 決して交わることは無い、否……交わってはいけないと思っていた。それなのに。

 あの星無き夜、ボクの世界に微かな光の瞬きが見えた。その光に思わず、手を伸ばした。……光を失われた夜空を独りで歩けないほど、ボクは弱かったから。


 夜空を見上げれば、無数の星が瞬く。手を伸ばしても届くワケがない、しかし今日だけは届くと思っていたかった。

 色々な理由を付けた。それも間違ってはいない。ただ、彼女の微笑をもう一度見たかった。だから、彼女かあたしの手に触れた時、未来が鮮やかな色を纏った。


 ……漆黒の空に、愛と未来を見つけたかった。だから彷徨い、そして辿り着いた。これは、ボクとあたしが生きてきた証。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る