寂しい夜が来やがる

寂しい夜なんてものは、どうしようもなく襲ってくるものなんだ。


不意に泣きたくなって、スマホの画面を殴りたくなって、殴ろうとしても殴れなくて、どうしようもなく泣く。


人肌が恋しい。

人肌でなくても人の声が聞きたい。


誰かに電話をかけてみようか。

ああ、そんな相手いないんだ。


少し考えて、古い友人を思い出す。

彼ならいいかもしれない。


メッセージを打ち込むが不意に気づく。

彼の中で私はまだ友人という扱いなのだろうか。


急だと迷惑か?

意味もなく部屋の隅を見て考えても答えが書いてあるわけじゃ無いし。


小一時間迷って、振り出しに戻った。


結局一人だ。


自分より不幸な人間なんていないんじゃないかとか思って、

ユニセフのCMとか思い出して、自分の器の小ささに苦しくなる。


自分は所詮この程度か、

寂しい夜は終わらない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る