短いけどすっごくカタイ
愛須どらい
0回戦 ボク
「
うずくまっている女の子に、ボクは手を差し
ボクの足元には、3体のモンスターが
ゴールデンウィーク明けの今日、
通っている中学へ登校するために、
いつものように近道の森を
そうしたら、この女の子がモンスター達に
ボクが助けたのだ。
同じ中学の制服。
制服の胸の
不良かもしれないが、
危ない目にあっている女の子を放っておくわけにもいかないだろう。
「あ……、ありがとう……」
どうやらケガは無いようだ。
「私、
複数のモンスターの相手は苦手でさ……」
「そうだったんですね……」
ボクはそのまま
「でもあなた……、そんなメイスみたいな武器で戦うなんて
まだ
「……いけ……です」
ボクは歩き出しかけた足をピタリと止めて、口に出す。
「えっ?何ですって?」
「これはボクの
メイスみたいで悪かったなあああ!?」
ボクは『メイス』と言われたボクの
「なっ……!?」
「ハアアアア!?
そんな
と
「イヤアアアア!
ウソでしょ!?やめてよ!
そんなのに助けられたなんて、むしろ
「
頭を
「ハアアアア!?
あんたこそ、連続で
なんでこんな森を1人で歩いてるんだよおおお!?
友達いねぇのかあああ!?」
ボクは思わず言い返す。
それを聞いた
「あんたもう話しかけないでよ!
いえ、そもそも近寄らないで!
ゴミクズみたいな
とボクの顔に向けて指を差しながら言い、
「手なんか
マジでキモイ!
キモイキモイキモイ!
二度と顔も見たくないわ!」
と先ほどボクが
制服の
中学のほうへダダダーッ!と走って行ってしまった。
「こっちのセリフだよおおお!このブ……!」
大声で
「またやってしまったあああ!」
ボクは自分の頭を両手で
「あそこで、
『そうなんです。これはメイスなんですよ。ハハハ』
とでも言っておけば、丸く収まったじゃないかあああ!」
ボクは頭を
「と言うか、ボクのほうも一人なんだってばあああ!
友達いないからあああ!」
ボクも先ほどの
そしてそのまま天を
……自己紹介が
『
それがボクの名前だ。
あだ名は『ムロ』。
小学生の時の担任の先生が、
ボクの名前の『
そう呼ばれることがある。
背や体型は
顔だって
性格は……、真面目なほうかなあ……?
ワックスやスプレーなどの
ソフトツーブロックのような感じの校則を守った
思春期の真っ最中にいるボクには
そう。
ボクは、すっごく短いのだ。
気が短い。
ダメなのだ。
特にボクの
すぐに頭に血が上って
そのせいで、この
なんなら家族との仲まで悪い。
特に弟との仲なんて、最悪という感じだ。
いや。
友達とも家族とも仲は良かったのである。
ボクが
思春期を
同じく女性の肉体に
『人類は大昔の戦争でも、
と義務教育で習った。
『
ということも、義務教育で習った。
だから、思春期を
問題はボクの
太さは……、太い部類に入るかもしれない。
その辺の木や岩や、なんならコインなんかだって
と言うか、コインを試しに全力で
台の代わりにした岩ごと
長さは……、すっごく短い。
持ち手を
一番問題の
昔の刀や包丁を大きくしたような形状で、片方に
根元から先っちょまでが
そうでなくとも
レアなケースだが、
昔の西洋の
だが、ボクの
真っ二つにしたソフトボールのような形で、その下に持ち手が付いているだけ。
とても
せめて、先っちょに向かって細くなっているとかなら、
サーベルや
これでは本当に、メイスやハンマーなんかで戦ったほうが、
いくらかマシかもしれない。
この
両親と弟は
だけど、友達は
短小、
最終的には、ボクをいじめ始めた。
無視したり、持ち物を
『リセマラしたら?』と言ってきたり、などなど。
ボクはそれが
戦って、
だけど、先生や両親達は、そのたびにとても
ボクは、自分がしたことを悪いとは思わなかった。
自分の力で変えられないものを理由に、バカにするなんて許せない。
生まれつき体の弱い人や、
障害のある人、
貧困な人、
男に生まれた人、
女に生まれた人。
そんなことを理由にバカにされて、許せるのかという話だ。
ボクの
友達と呼べる人間もいなくなった。
ボクは、男子からも女子からも
それでも、弟だけは、
根元から先っちょまで
レアなケースというわけだ。
「お兄ちゃんの
両親はニコニコしながら
その日から
ボクが
食器や
最終的には、リビングや
ぶつかろうが、お構いなしということだ。
体も
自室が別々で、本当に良かったと思った。
そうしてボクは、
両親とも
友達だった
だけど、
「(それでもボクは……!)」
ボクは、飛行機雲が横切った五月晴れの空を見上げる。
「(それでもボクは、立派な
ボクの意志は、すっごく固いのだ。
そんなことを考えながら歩いていたら、いつものようにボクの通う中学に着いた。
『
ボクの住む、
付近に住んでいる中学生と言えば、ほとんどがここに通っている。
中学2年生のボクはもちろん、中学1年生になった
まあ、
あっでも、
昔は全国大会にも、よく出場していたらしい。
『
簡単に言えば、
男性は
試合形式で、パワー、スピード、テクニックなどを競うスポーツだ。
モンスターの
ただ、
「(まあ、ボクにはもう関係の無いことかも知れないけど……)」
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