第6話 ゴブリンとの戦闘

 〜俺とリィカが移動を開始して数分後〜


「グルル...!」


(げっ!? またゴブリンだ!!!)


 先ほどボコボコにされただけに俺はビビってしまい物陰に隠れてしまうのだが...。


「キュウ!!!」


「あっ! 馬鹿っ!!! 戻れ!!」


 リィカが突撃してしまうのを止められなかった。


 しかし、リィカはゴブリンの攻撃を掻い潜り、ゴブリンの体に噛み付いた。


「ギャッ!?」


 驚くゴブリンはリィカを離そうとつかむが、全く離れない。


 それだけ深く噛みついているという事だろうか?


 大丈夫かと思ってリィカのHPゲージを確認するのだが、全くHPは減っていない。


 しばらくすると『ゴブリンを倒しました。EXP12を分配し取得します』と出てきて俺のレベルが上がった。


『高坂和希のレベルが上がります。レベルが2になりました。ステータスが向上します。魔法【防御弱体化・小】を取得しました』


「魔法...?」


 俺はいまいち実感できていないが、どうやら魔法を覚えたようだ。


 次の戦いに備えて使い方を学ぶのも大切だが、今はそれよりもやっておくことがある。


「リィカ...」


「キュウ!」


 まるで褒められたそうにこちらを見ているが、ここは叱っておく。


「馬鹿っ! 勝手に飛び出すな!」


「キュウ!?」


 驚くコウモリに俺は続ける。


「命は一つしかないんだぞ? もう少し考えて行動しろ。そして俺の指示には従ってくれ」


「キュウウ〜...」


 少し落ち込ませてしまったようだが、勿論アメも与える。


「まあ、ゴブリンを倒してくれた事は褒めてやる。ありがとうな」


「キュウウ!!」


 俺の言葉に目を輝かせてくれるリィカは勢いよく羽ばたいた。


「じゃあ次は頼むぞ」


 その言葉と同時に俺は歩き出すのだった。

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