第3話:冒険者登録

「この子の分の入街料ね」

ニニアさんが巾着から銅貨を取り出して支払う。

そんなわけで無事に街の中に入れたんだよ。

「ようこそ、コモンズの街へ」

ずいぶん昔の時代なのにコモンズの街なんだね。


「じゃあ、次はギルドの登録ね」

ギルドは私が知ってる場所にあるのかな?

ニニアさんの後ろをぽてぽて歩きながら街並みを観察する。

おおむねの街の作りは記憶と同じ。

しかし、住んでる人は知らない人ばかり。

これは想定の範囲内。なんせ800年ほど前の世界だからね。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」


この挨拶は変わらないんだね。少し安心したんだよ。

建物自体は違うみたいだね。まだ新しい感じだし、木で出来てる部分が多いんだよ。

前の世界では立て直した後だったのかな?


正面カウンターに並ぶ。

「新規の登録ですね。こちらに記入してください。お嬢ちゃん字は書ける?」

多分大丈夫なんだよ。

渡された申込用紙に記入する。


名前:リーゼロッテ

年齢:10

性別:女


そして石板に手を乗せる。虹色に光った。

「あら?名前が違うわね?」

リーゼロッテで登録してほしいんだよ。


名前:シロヒメ

年齢:10

性別:女

種族:不明(当ギルドに該当無し)

職業:ポーター

レベル:1

HP:10

MP:10

ちから:1

すばやさ:1

かしこさ:1

きようさ:1

経験値:0

次のレベルまで: -


状態

呪い<成長阻害>

呪い<職業限定>

呪い<能力限定>

呪い<不幸吸収>

呪い<幸運拡散>

呪い<祝福封印>:本人以外非表示


スキル


レアスキル

アイテムボックス

鑑定解析:0

精霊使役:0

システムコール:1


ユニークスキル

無し


その他

無し


「あら?壊れちゃったのかしら?」

問題ないんだよ。正しく表示されてると思うんだよ。

ステータスが最低値なのも、呪いがてんこ盛りなのも仕様なんだよ。


やっぱり種族は不明だね。これは追及しないんだよ。

職業が荷物持ちだね。これはある意味正しいと思うんだよ?

そしてレベルはとうとうごまかさなくなったね・・・

やっぱり最初から上げる気なんてなかったってことなんだよ!

スキルが結構残ってるね。消えちゃったのもいくつかあるけど。

アイテムボックスと鑑定解析があるからとりあえず安心かな?強くてニューゲームなんだよ!

精霊使役は装備の支援がまるでないこの状態でどこまで使えるのかな?

神薬調合がなくなってるね。これは称号が全部なくなったからかな?

薬を極めし者がないからね。でも精霊を手懐ける者もなくなってるのに、精霊使役はあるんだ・・・

まあ、細かいことは気にしても仕方がないね。

それにしても、てっきり名前がない状態だと思ったのに今回は名前が設定されてたんだよ。

神様の名前に似てるね。神様が名前を付けてくれたのかな?


「はい、登録完了よ。手数料が銀貨3枚ね」

色々と考えてたら、登録が終わったみたいなんだよ。

受付のお姉さんからギルドカードを受け取る。


それと買取してほしいものがあるんだよ。

「今登録したばかりだから、依頼は受けてないのよね?」

薬草は常設じゃないの?

「ああ、薬草の買取ね。どこに持ってるの?」

アイテムボックスの中なんだよ。

「ああ、これって収納スキルなの!?」


結構たくさん見つけたんだよ。

全部で283束かな?

登録料をこれで支払いたいんだけど足りるかな?


ドサドサドサドサ・・・


「これまたずいぶんな分量ね・・・」

鑑定しながら採取したから間違ってはいないと思うんだよ。

「悪いけど、それを信用することは出来ないの。こちらでも確認させてもらうわ」

それは別に問題ないんだよ。


それとは別に採取中に魔物に襲われたから、それも討伐したんだけど・・・

「あら?ゴブリンとか角ウサギかしら?解体は裏口よ」

受付のお姉さんに案内されて裏口に向かう。


「魔物の解体を希望らしいのよ」

作業しているおじさんにお姉さんが話しかける。

「なんだちっこい嬢ちゃんだな?魔物はどこにあるんだ?」


どさ


これなんだよ。

「なんじゃこりゃあ!!!」

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