第35話

 持ってきた魔鉱石でシャワーを浴びている間、クレイは自分を情けなく思っていた。

(二人に気を遣わせちゃったな……。謝らないと……。そもそもが間違ってたんだ……。僕がクエストに出ること自体が……。ギルドだってもっと人が集まってから作ればよかったし、大金を払ってでも助っ人を頼むべきだった……)

 様々な後悔にクレイは溜息をついてシャワーを止めた。

(分かっていたけど僕ってなんてダメなんだろう……)

 長い髪がしっとりと濡れ、女の子のように細い体と白い肌に水滴が流れる。

 シャワー室の鏡に映るクレイの姿はどう考えても戦いには向いていなかった。

 小さなそれを隠せばまるで少女のようだ。

 クレイは再び溜息をついて体を拭いた。

(もっと鍛えないとなあ……。今更すぎるけど……)

 明らかに足手まといのクレイは意気消沈し、持ってきたパジャマを着ると寝室に向かった。

(色々と借りちゃってるし、あとで謝ってお礼をしないと……)

 誰もいないとは言え、勝手に設備を使っていることを心配しながらドアを開けた。

 すると部屋の明かりが既に付いていた。

 クレイが不思議に思って顔を上げるとそこにはアリアとマリイが立っていた。

 二人ともいつになく派手な下着を身につけている。

 上も下も透けていて肝心なところが丸見えになっていた。

 アリアはピンク色、マリイは赤色のセクシーランジェリーを着ており、まるでそういった店に入ったような気分にさせる。

 二人も恥ずかしいらしく、頬を赤らめながら笑みを浮かべていた。

「え? ど、どういうこと? その下着は?」

 クレイは事態が飲み込めずにいた。

 それから二人の姿に気付いて赤面して股間を膨らませる。

 アリアとマリイはクレイの手を引いた。

「この前の買い物で買ったんです」

「すっごく恥ずかしかったんだよ?」

 二人はクレイをベッドまで連れて行き、そのまま寝かした。

「な、なに? 二人ともどうした――」

 疑問を口にするクレイの唇をアリアが奪った。

 柔らかい唇の感触にクレイは益々顔を赤くする。

 アリアが口を離すと今度はマリイが顔を寄せた。

「次はあたしね♪」

 アリアもクレイに口づけをした。

 さっきとは少し違う柔らかさにクレイはドキドキする。

 口を離すと糸を引いた。

「……こ、これって?」

 クレイはまだ意味が分かっていない。

 アリアとマリイは顔を見合わせて笑った。

「クレイ様がずっと自信なさそうにしていたので、少しでもご協力できればと」

「あたし達がどう思ってるか分かればクレイも自信が付くんじゃないかって。アリアの案にあたしも乗ったわけ。どう?」

 クレイは徐々に状況が飲み込め、少し情けなくなった。

「そっか……。う、うん……。自信付いたよ……」

 明らかにウソと分かる笑みを浮かべるクレイ。

 二人は呆れながらも楽しそうにクレイの隣にやってきた。

 そして大きく柔らかい胸をクレイに押しつける。

「まだみたいですね♪」

「うん。全然自信なさそう♪」

 二人は先端を固くさせた胸でクレイの頭を両隣から挟んだ。

 そうしながらクレイが着ていたパジャマを脱がしていく。

 クレイは顔を真っ赤にさせた。

「こ、こんなことされたら……!」

「されたら?」

 マリイはイタズラするようにクレイの耳を甘噛みした。

「うう……。そ、そこは…………」

 感じるクレイにアリアが再びキスをした。

 今度は舌を入れて絡ませる。

「クレイ様……んっ……。ろーれすか? きもひいれすか?」

(あう……。気持ちいい……)

 初めてのディープキスにクレイはとろけそうになっていた。

 そこに更なる快感がクレイを襲う。

 丸裸にされ、露わになったそれをアリアとマリイの手が優しく握った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 二人はぐったりしながら寝ているクレイにぴったりとくっつく。

 そしてクレイ越しに微笑み合うとそのまま静かに眠りについた。

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