吉彦

「頼む…もう許してくれ…知りたい事はもう、教えてやっただろう…?」


涙や涎、鼻水を流しながら懇願するプロデューサーの顔は、黒い水玉模様に焼け焦げている。


水玉模様の顔を見て、吉彦は気分が悪くなってきた。

ーーー自分もこんな風に、必死になって社会に懇願した。水玉模様から自分を守るシステムを作ってくれ、と。

しかし聞き入れられた事は無かった。吉彦は無視され、存在しない事とされ、切り捨てられた。


どす黒い怒りがこみ上げ、吉彦はプロデューサーの突き出た腹へ続けざまに穂先を擦り付けた。

二人以外誰もいない廃ビルに肉が焦げる臭いが漂い、絶叫が鳴り響く。


今度は水玉模様ではない。下品な単語を土手っ腹に焼き付けてやった。

再び数本のタバコに火をつけ、腕や足にも似たような単語を焼き付ける。

これでこいつはもう、風俗にも行けないだろう。


白目を剥き、力が抜けた様なプロデューサーの今度は陰嚢に穂先を押し付けた。

これまでとは比べ物にならない程の絶叫がこだまする。


「失神して楽しようなんて思うなよ!」


赤く腫れたように火傷した陰嚢にタバスコを振りかけると、プロデューサーは痙攣し糞尿を漏らした。

シャベルで糞尿をすくい、プロデューサーの口に流し込むとゴブゴブと音を立て嘔吐したので、それも口に押し込んだ。


全てが終わると、吉彦はくくりつけられたままのプロデューサーが助けを求める声を無視し、一人立ち去った。

凍え死ぬかもしれないが、知ったことではない。



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