第二章への応援コメント
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
ひとまず、この回まで拝読致しました。
鬱屈した日常や偏見などの要素が、全面に押し出された作品という印象を受けました。そうしたものと二人の関係とが、今後どのように絡んでくるのか見所ではあります。作品に漂う雰囲気も、希望のない生活の息苦しさを際立たせていました。特に二人と周囲の世界の乖離が丁寧に表現されていたので、そうした意味ではコンビニでのやり取りには非現実感がありました。この手の作品を好む方なら、深く没入できる作品に仕上がっていたと思います。
一方で気になった点も二つほどあります。
一つは文章表現が、描写過多に加えて装飾過多であることです。これは本作の最大にして、唯一の欠点ともいえます。この回まで読んできた文章は、純文学であることを言い訳にできないほど冗漫です。一文で済む話は三文、四文となり、熟語による過分な装飾が目立ち、話そのものが間延びしています。良し悪しはともかく、二人の視点を交互に挿入しているのも一因かと。約三万字の使い方として、これはいただけません。個人的に本作の雰囲気は好みだったので積極的に読み進めてきましたが、第二章の半ばで先を読む意欲がほとんどなくなりました。おそらく作者様は、書きたいことをすべて書いてしまう質なのでしょう。ですが、一旦立ち止まって「本当に必要な文なのか」を考えてみてください。そもそも小説は、物語あってこそのものです。それを放棄して表現や言い回しを練りに練っても、それは小説の面白さには直接つながりません。まずは心理描写の他に、本筋の話も中弛みしない程度に進行させて、そのうえで適度に練った文章を交えることが大切です。
二点目は小説の基本ルールについて。これはWeb小説では順守する必要はありませんが、取り入れた方が確実に作品の体裁が整います。簡単にいくつか紹介しておきます。
・改行後の一字下げの徹底。→カクヨムの場合は編集画面の「一括字下げ」で対応可能。
・「」内末尾に句点(。)は不要。
・「」内文末を除き、感嘆符(!)や疑問符(?)のあとは一字空ける。
・算用数字と漢数字の混在。→基本的には漢数字で統一する。
・中黒(・・・)ではなく、三点リーダー(…)を偶数個で使う。
最後に、目についた範囲で誤字などの報告を。
第一章より:他愛の話をして朝礼までを過ごす。→他愛のない
:その人のことが気になった仕方ないのか→気になって
:「もうどうしようもないのかな」。→句点消し忘れ。
:情報が錯乱している時点でかなり信じがたい。→錯綜
:スクワット、ラウンジ、→ランジ
第二章より:淀んだ表情をした自分が写っていた。→映っていた
:心の片隅に一遍でも存在するから立ち向かおうとするのだ。→一片
以上になります。
少しでも創作活動のお役に立てたのなら幸いです。
作者からの返信
まずはじめにご拝読いただき誠にありがとうございます。
あまり感想をいただくことが少ないためコメント頂けてとても嬉しかったです。
おっしゃる通り、自分でも物語の展開に絡むような描写が非常に欠けていて、心情描写や風景描写などの装飾的な部分が目立ってしまっていると改めて自覚させていただき感謝申し上げます。
ここはかなり悩みどころで、自分の芸術感をなるべく反映させたいという気持ちが強く、読み手に配慮した描写の構成にはだいぶ苦慮しております。まだこれは正直なところ下書き、はたまた素材的な要素が強いので、まとまり次第、改善を図っていきたいと考えております。
改めて長文でのご感想ありがとうございます。
またお読みいただけるよう精進してまいります。
エピローグへの応援コメント
終始気に入らなかった。彼女自身「罪」がどの行為を指し「罰」をどのように受けるか選択する立場にないのに、自分の犯した「罪」を自分が良いように解釈し、自分を罰するフリをする姿が。
そこに覆い被さる彼の想いもまた幼過ぎて、どこまでもただの本能と欲の類義語で自分を誤魔化す様が痛々しい。
ただ、読者の気持ちに関わらず、二人は愛し合っている気で抱き合うのだろうし、現実にもそういう人が溢れているのだから「リアルな恋愛小説」ではありました。
前半と後半で、文体に若干の変化が見られましたが、途中で修正されたのでしょうか?
Web小説の「読者」からの意見なんて聞き流す程度でいいと思います。
それを踏まえて頂いた上で、読者として好き勝手なことを言いますが、前半に「〜かのような」という直喩が多過ぎるように感じましたが、後半では一転してそのような文が現れませんよね。修正を重ねてきたのであれば、今一度全体のバランスを見直す時期なのかもしれません。
「もう書き終えた作品」と割り切って、次作に力を向けるのも正解のひとつだと思いますが。
作者からの返信
感想及びお読みいただきありがとうございます。
前半と後半の文体に変化がある理由としましては、
前半の部分を執筆していた時期は僕が高校二年生の頃で、
まだ国語力といえばよいのでしょうか、
それらがかなり不足していて、
拙いながらも今ある言葉で書いていた時期です。
後半からは受験勉強もかなり上向き、
三島由紀夫先生やその他名だたる文豪の小説を読み漁っていて、
様々な表現を自分の中で落とし込んでいた時期になります。
余裕が出来たころに改めて前半部分の修正を図ろうとも
検討しているのですが、
この小説は自分の成長そのものと密接していて、
とても大事な軌跡なのではないかとも感じていて、
中々に決心がつきません。
また仰ってくださった男子の主人公の幼さは、
まさに自分の現状のように思えます。
改めましてお読みいただきありがとうございます。