TS好きがTSしたら…

ほしぼたる(旧ムックン)

作戦作成

いちわめ TS好きの神より

横山実哲(みさと)22歳男。7つ上の姉がいる。

そんな俺は極度の陰キャだ。その性格のせいで、ここまで誰一人友達ができたことかない。

そして只今絶賛引きこもりニートやってます(誰も褒めてない)

何気なく生活してたら無職になってました。大学に入ったは良いものの、周りには陽キャのグループしか居なく、無事馴染めず☆孤立☆そして、気まずくなりそのまま中退。

そんな俺に親は無関心なのか何も言ってこない。

というか親は姉にしか目が行っていない。というのも姉はすべてにおいて優秀で、小中高の陸上では毎年何かしらの優秀賞を貰っていた。そして、勉学においても全国の上位の学力は常に持っていた。そして今は名門大学を卒業して大学の教授になってるみたいだ。

話を戻すが、俺はこの引きこもりニート生活中ずっといつからかハマったTS系ノベルをずっと読んでいる。今日もいい作品がないか漁っている。

すると突然メールが届く。Amezonの発送通知かと思ったが、全く違うアドレスだ。迷惑メールかと思い確認してみる。


:fromTS好きの神

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同志に特別なプレゼント

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おめでとう!

僕の目に止まった君は念願の女の子としての生活をプレゼントします。

代わりにその生活を見させてもらうけどね。

というわけで、僕にてぇてぇ養分をちょうだい。

ここのリンクからTSできるよ↓

httqs://tssitakunaika.soukasitaika…

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やっぱり迷惑メールだ。にしても内容が何をしたいかわからん。おそらくリンクに飛ぶと個人情報を抜き取られるのだろう。

こういうのは速攻無視&削除。

そう思いページを閉じようとしたとき、なんとリンクがカーソルについてきた、俺はそのまま勢いでリンクをクリックしてしまった。

しまった!!

そう思った瞬間、画面が強く光だしそのまま光に包まれた。


────

──


目が覚めると見覚えのある天井だった。これはたしか5〜9歳の間いた病院の天井。

何故こんなところにいるのだろうと起き上がる。すると妙に体が軽かった。驚いて手を見ると…小さい。しかも、女の子のようにスラッとした手だ。顔を触ってみるが、いつもの感覚ではない。

(まさか!本当にTSしたのか!?)

俺はそう思い窓に反射した自分をみる。

そこには見えにくいが、長髪の顔の整った美少女がいた。

(よっしゃーキターー)

俺は念願のTSをして盛大に喜んだ。

「痛っ」

腕を上げるとチクッと痛みが走った。左手を見るとそこには点滴が打たれていた。

俺は看護師に怒られないようにそっと寝直す。


さて、念願のTSをしたみたいだが、まさか逆行も入れてくるとはなかなか…

この状況の場合、うまく親などから話を抜き出してあたかも普通のように装うと前から決めていた。

というわけでここからはすべて演技。

TS生活頑張るぞい!


看護師が来るまでの間病室を見渡す。

電子時計を見るに今日は2009年12月15日。俺は2000年3月12日生まれなので今は9歳だ。ということは今は4年生だ。

と言ってもこの年で一回も学校に行ったことはないのだが。

そして、病室の観察を続けるとあるものに目が留まる。千羽鶴だ。

(俺、こんな時に千羽鶴って貰ったっけ?)

不思議に思いよく見るとつる下がっている紙に子供の文字でこう書かれていた。


『美里ちゃん元気になってね』


美里って名前の読み方は変わっていないのか。

それより、この歳で友達なんていたか?姉という可能性もあったが、こんなに字は汚くない。

ツルにもなにか書いているようで見てみたが、どうやらクラスメイトのような名前が書かれていた。

学校に行っていないのにこんなことされないはずだが。

少し考えているとズキッと頭が痛みだした。

頭を触るとさっきは見えづらくてわからなかったが包帯が巻かれている。

頭でも怪我をしたのだろうか、記憶にないが。

頭の痛みに続き体のそこら中が痛くなってきたので、僕は観察を止め、ベッドで大人しくした。


しばらくすると病室の扉が開いた音がして突然カーテンが開いた。


「美里ちゃ~ん。点滴変えに来ましたよー」


どうやら看護師だったようだ。平常心を保っていたが、看護師の様子がおかしい。目が合った瞬間から微動だにしないのだ。

すると突然病室の外へ出て行ってしまった。

なにかおかしかっただろうか。


少し立つとまた病室から次は複数人来た。看護師が3人と医者らしい人がひとり。


「美里ちゃん。ここがどこだかわかる?」


「びょっ…病院?」


俺は突然のことに動揺してしまった。


「何故病院に来たかわかるかな?」


「えっ…ええっと…」


(何故と言われても5歳からとある病気でずっといたはずだが?)


「じゃあ、自分の名前はわかる?」


「み…みさと?」


動揺し続ける俺


ドタドタドタ


医者と会話を続けてるとまた複数人が病室に入ってきた。


「美里!!」


どうやら親が入ってきたみたいだ。母親が飛びつく勢いで近寄ってきたが、危ないと思ったのか看護師がそれを止める。


「美里!」「美里ちゃん」


後ろの方には父親と姉がいた。


「あんたが川沢地区で気を失ったって聞いて心配したのよ!」


川沢(かわさわ)地区とはここらで治安が悪いと有名なところだ。

なぜそんなところにいたのだろう。


「お母さん。美里ちゃんはいま起きたばかりです」


慌てるお母さんに医者が言う。


「そうね。ごめんね美里」


その場で座り込む母。


そして、俺は瞬時に頭を回し状況を把握する。

どうやらこの世界の俺は川沢地区で何故か気を失った状態で見つかったらしい。さらに、どうやら病院には入っていなかったみたい。この状況での解決法は…


「あの、すみません。だれですか?」


そう。記憶喪失!!まぁ、ほぼ逃げ道だが、把握するにはこれしかなかった。


すると、母親は一瞬にして涙目になりベッドに顔を伏せて泣き出してしまった。


(こんなに俺のことを心配してくれる母親初めて見た)


後ろでは父親も姉も泣いている。なんか申し訳ない気持ちになった。

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